古地図を手がかりに、世界を大冒険!地図を更新しながらお金を稼ぐ紙ペン風ルート構築!(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
古い地図を元に探険を行い、地図を更新していくと言うテーマがたまらない!紙ペンっぽいけど、ちゃんと紙ペンじゃダメな理由がある!
紙ペンゲームがボードゲームへと先祖返り⁉︎この仕組みで新風を吹き込めるかが見どころのハイブリッド作品。
NEZおすすめ度: | (8 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
ルートが消えるルート構築。先を見据えて、セーブポイントを作っていく感覚と強い事しか書いてない特殊カードの選択が面白い!
商人探険ギルドの一員として、古地図を更新しながら世界を冒険し都市間交易を復興させながら、お金を稼ぐゲームです。
各プレイヤーには同じ内容の地図が配られ、毎ラウンド山からドローされたカードに示された地形に旅路としてコマを置いていきます。なお、コマは必ず拠点から繋がっていないといけません。基本的にはやることはこれだけ。ドローする山が尽きたら、1つの時代が終了し、山が復活して次の時代に進みます。そして、時代4が終了したらゲームが終わります。
このゲームのポイントの1つとして、時代が変わるタイミングで前の時代に歩んだ旅路が取り除かれてしまうと言う事が挙げられます。では、時代が進む度にマップ中央にある拠点からやり直さないといけないのか?と言うとそうではなく、1つの繋がった同じ地形のエリアを全て探険することで新たな村を配置する事ができます。そして、配置した村を拠点として扱う事ができます。
つまり、村は得点源にもなりますが、セーブポイントとしての意味合いも持っている事になります。始めは少しずつ近隣の村を見つけ、次の時代にそこから更なる探険を進めていくみたいな感じです。この辺の地図を少しずつ埋めながら進んでいく感じが楽しく、「次はどこを探険してみようかな?」と思いをめぐらせてしまいます。
各時代のカードは各地形の4枚+1枚のオールマイティーが基本になっています。しかし、現在の時代の数字が書かれたカードが引かれると特殊移動カードが貰えます。それらのカードは以降の時代で獲得した時代の数字カードが出ると発動します(時代1で獲得した特殊移動カードは『I』が引かれると発動みたいな事です)。この特殊移動カードはかなり強いため、自分の村の配置状況や他の特殊移動カードを見比べながら選んでいくことになります。このカードを選ぶのがまた楽しい。
その他に地図に書かれた都市と都市を繋ぐことによって得点が貰えたり、地図の4隅には高得点の塔があったり、勝利点や旅路を追加で置ける遺跡があったりと、村を探す以外にも様々な立ち寄りポイントがあるため、それらも疎かにはできません。
「草原の後で海が来たら、次の島に行けるぞ!」みたいな感じに、カードの引かれる順番に翻弄されながらゲームを進めていくのが面白いです。個人ボードで伸び伸びと探険していく様子は紙ペンゲームのそれに近いものを感じますが、旅路が消されてしまうと言うところに紙ペンではいけない理由がある気がします。個人的には『キングダムビルダー』に近いゲームにも感じました。
比較的、先を考えながら村を配置にしたり旅路を進んだりする必要があるため、考える分量はあると思いますが、「あっちの方行ってみよ~。」みたいなノリでも楽しいんじゃないかなとも感じます。
ただ、時代1は完全にカード構成が同じなので、何度か遊んでいると同じような展開になりそうな気がします。でも、そこは毎ゲーム変わる早取り目標と他のマップ(数種類あります)を使う事で軽減されているのかな。
ルールの複雑さ: | (5 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (3 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (8 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8 / 10) |
やすやすのレビュー
それ今じゃないんだよな感が永遠に繰り広げられる大波乱大航海時代
さて。面倒くさいルールや雰囲気のアレコレついての説明なんかはいつも通りNEZさんにお任せするとして、ぼくは毎度おなじみグダグダゆるゆる感想を書いていきますね〜。
もともとボードゲームで行っていた「こと」や「もの」を削ぎ落とし、骨格だけのシンプル構成にすることで成立させていたという印象の紙ペンゲームたち。このザ・ギルド・オブ・マーチャント・エクスプローラーズは、そういった紙ペン要素の魂を持ちながらいきなり肉体を得て蘇ったという、紙もペンも使わないお盆先祖返り紙ペンライクボードゲームなのかなという印象です。
フリップ&ライトでゲームが展開し、各自のボードに自身の選択の結果を反映させる様はまさに紙ペン。他プレーヤーとのインタラクションもよくある目標の早取りしかなく、その影響も総じて強くはありません。配置されたルート構築用コマは毎ラウンドの切り替わりで除去される、という進行をやりたいがために紙とペンをコマに置き換えただけで、実際はシンプルに紙ペンゲームです。
プレイ中に何かの衝撃でコマがズレてしまうと盤面の再現が不可能になるので、この点についてはむしろコレ、上手いこと紙ペンにリ・アレンジしてくれないかなぁという感想にまで思い至っちゃいました。「コマ」にせず、これを紙ペンで再現する方法はなかったのかなぁ、というお気持ち。
ゲーム自体は、手番での選択肢がかなり広い自由度抜群のゲームです。ほぼソロゲームなのでうっかり最適解を探したくなりますが、個人能力が増えていく後半になるにつれて選択肢には膨大な可能性が生じ得ます。そのためゲームの収束性で見ると必要な時間が最後は末広がりで長くなるので、良く言えばゲーム終了時の達成感がしっかり得られますね。
ゲーム中、一手番に細々とした得点が頻繁に得られます。何かすれば、たいてい数点がステップごとに入ってくるんですね。おかげで裏表のある得点チップのやりとりが非常な頻度で繰り返されるので、もらい忘れなどのヒューマンエラーも発生しやすいかなと感じられました、それを感情的に言うなら面倒。また、ゲームを通して各自が三種類得られるプレーヤーごとの特殊能力が個々で非常に強く相互にシナジーもあり複雑なため、他プレーヤーのプレイのケアをする余裕はあまりないことでしょう。ゲームのルールはかなりシンプルなわりに、初見プレーヤーやマルチタスクが苦手な人には処理漏れが起こる心配はかなりありそうです。
ぼくがフレーバーやルールを見て感じた第一印象よりもずっと、ソロプレイ寄り、高い自由度、後半複雑、処理煩雑でした。
紙ペンゲームの内容をコマで再現するという試みは新しく楽しい雰囲気がかなりあります。ただし、それでプレイアビリティが良くなったというわけでもないな、とぼくは感じました。試みとしては面白くそれでいてルールもシンプルで分かりやすいのですが、ソロ感が強すぎるのと処理が煩雑なのが個人的には気になりました。他の紙ペンゲームも遊び慣れているプレーヤーへなら、しっかりと自分の思考の海を大航海できると思いますので、かなりオススメです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (3.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |