アース / Earth

レビュー記事やすやすおすすめ☆8以上
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デザイナー: Maxime Tardif
アートワーク: M81 Studio, Conor McGoey, Yulia Sozonik, Kenneth Spond
出版社Inside Up Games(cited from)
, rigoler
参照 BoardGame Geek

4×4で構築するぼくだけの地球。遊びやすさ抜群のエンジンビルド。(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

NEZ
NEZ

エンジンビルドとヴァリアブルフェーズオーダーをメインに据えた遊びやすさ抜群の中~重量級。ただ、勝利点を獲得する条件が多過ぎて、そんなんあったねってなる。

開拓者
開拓者

初期カードを選ぶのがとにかく楽しい!!しかしゲーム終盤には何選んだかすっかり忘れてる(あるある)。

やすやす
やすやす

このゲームのお陰で、地球とは身近にある壮大かつシンプルなエンジンビルドオブジェクトなんだ、と気付かされました。多様性や偶発性に翻弄されながら、地球を発展させましょう。

NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
開拓者おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
やすやすおすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
Average:7.3 out of 10 stars (7.3 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

NEZのレビュー

持続可能なエンジンビルド。

地球の環境を構築していくエンジンビルドのゲームです。4×4の形で環境、自然現象、植物のカードをプレイしていき、エンジンを作っていきます。

ゲームの流れは、手番プレイヤーが4つのアクションの中から1つを選び、それを全員が実行していく形で進みます。所謂、ヴァリアブル・フェーズ・オーダーと言うやつですね。アクションを選んだプレイヤーは他のプレイヤーよりも強いアクションになっています。

アースのアクション
  • コストを支払ってカードをプレイする『植え付け』
  • カード上に新芽キューブを置く『水やり』
  • 手札のカードを捨てて勝利点に変える『堆肥』
  • カード上に成長コマを積み重ねていく『成長』

アース全般に言えることなのですが、やることはとてもシンプルになっています。4つあるアクションの中でコストが必要なのはカードのプレイで支払う土みたいなやつと堆肥アクションで捨てる手札だけです。水やりや成長ではコストもなく、ただキューブやコマがもらえます(しかも、新芽キューブと成長コマは勝利点です)

カードの下部にはエンジンとなる追加アクションが描かれている。色でどの追加アクションが発生するか判断できる優しい設計。成長コマはMAXまで行くと帽子を被って、勝利点もボーナスに!

アクションを実行したら、その後は自分の場で追加のアクションが発動します。この時、カードは左上から右下に向けてアクションが発動していきます。ウイングスパンをやったことがある方は、何となく想像しやすいかもしれませんね。ひとつひとつの追加アクションも非常に簡単で、『新芽キューブを2つ取り除いて、成長コマを3つ』みたいな感じです。4×4にカードを配置していくことを利用して、『このカードと同じ列にあるキノコ1つにつき、新芽キューブ1つ』みたいな物もあります。よって、カードのプレイ時に、どこにどんなカードをプレイするのかはパズルっぽさを感じます。

早取りの目標と共通の特殊勝利点。早取りは早く達成した方が貰える勝利点が高い。これ以外にも個人に与えられる特殊勝利点やプレイするカードの中にも特殊勝利点がある。

勝利点回りを見ていくと、通常のゲームでは4種類の早取り目標、2種類の全員共通の特殊勝利点、1種類の個人の特殊勝利点とセットアップの時点で7つも得点の条件が提示されます。さらにはプレイできるカードの中にも特殊勝利点を追加するものがあり、ゲーム終了時には7+αの特殊勝利点が発生します。もちろん、全てを達成するのは困難なので、カードをプレイしながら目指す目標を絞りこんでいく事にはなるのですが、いくつかは忘れていて、他のプレイヤーが達成した時に「あ!そんな目標あったねー!!」みたいになります。

資源の種類を1種類に絞りこむ事でカードのプレイ感に軽さを持たせつつ、成長コマと新芽キューブ、堆肥にしたカードと言う3種類の勝利点をエンジンで交換しながら、規模を大きくしていくシンプルで小気味良い中~重量クラスのゲームと言う印象です。

比較的、新芽や成長コマなどの置き換える素材はエンジンの中で手に入るので苦しさはあまりありません。多様な勝利点条件のどれを取って、どれを捨てるのか考えつつカードをプレイしていく形になるかなと思いますが、カードをプレイしてたら「あれ?意外とこれすぐに達成できるじゃん?」みたいな事もあったりします。

ヴァリアブル・フェーズ・オーダーなので、相手のアクションでもエンジンが発動するので、あまりダウンタイムもありません。むしろ、早取りの要素以外は比較的ソロプレイを皆でやっている感覚に近いと思います。

相手との絡みよりも、のびのびと自分のエンジンを作っていきたい方には、遊びやすくオススメしたいゲームです。

こんな人におすすめ

ソロプレイ感の強いゲームが好きな人。重たいゲームに向けてのステップアップに。

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:4 out of 10 stars (4 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7 / 10)

開拓者のレビュー

何でも得点!!故に悩ましい。

各自自分なりの地球を作って発展させて勝利点をもぎ取りましょう!!というゲームです。

ゲームスタート時に全員共通の早取り目標4つとゲーム終了時得点2つ。さらに各自個別の能力とゲーム終了時得点がある上にカード効果でもゲーム終了時得点となるものがあるので、みんなで同じゲームをやってるんだけど各々自分のやりたいことをやってる感が強いゲームです。ゲームスタート時にこれからのことを妄想しながらカードを選ぶ時がとんでもなく楽しいです。可能性は無限大。

共通目標。早取り要素があるけど自分の目標どの兼ね合いや手札との組み合わせでぐぬぬ…ってなったりします

アクションは『植え付け(カードプレイ)』『堆肥(資金獲得)』『水遣り(キューブ配置)』『成長(木を伸ばす)』の4種類あって、プエルトリコのように親が選んだアクションを子もやることができるのでダウンタイムはほぼありません。4つのアクションから1つを選んでコストを払ってカードを出していって誰かが4×4になるように16枚カードを場に出したら終了なのでやることはとてもシンプルです。しかし先にも述べたように得点を獲得する手段が多岐に渡るので毎回違ったプレイ感になります。ただ、少し得点入手経路が多すぎて「はて、なにをしようとしてたんだっけ?」となるところはあるかなと思います。

共通目標、個人目標、カード点、キューブ、成長コマとありとあらゆるものが得点につながるので「くそう!なにもできねぇ!!」という状態にはなりにくい点が優しいゲームだなと思います。ただ、その優しさ故に方向性を定めるのが難しくなるのでそこの決断ができないと「何をやったらいいかわからない」ゲームになるかもしれません。

こんな人におすすめ

軽めの重ゲーで遊びたい人
カードを選んでウキウキしたい人
決断力がある人

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)

やすやすのレビュー

ゲームシステムでフレーバー全体を「表現」できている稀有な作品。

地球って、生命って、ほんとすごくないですか。過去から現在に至るまで繰り広げられる生物たちの覇権争い。当事者である人類でさえ未だ一縷も解明できず、むしろ知れば知るほど未知が増える神秘の舞台にぼくらは立っているのです。

アース

ってわけでこのアース。地球が持つ生物の多様性や独自性、そしてそれらが生と死を繰り返す中で収束し再拡散する様子を、実に見事にゲームに落とし込んでいます。ゲーム中に起こる多くのことはプレイする上で足枷にならないような仕組みとなっているため、たとえ初めて遊ぶ人であっても辛さや苦しさ、ゲームから取り残されてしまうような不安を覚えることはないかなと思います。

アース

率直に言うとアースは比較的平凡なゲームシステムですが、その運用にいくつか特徴があるので、そのうちの3つに絞り紹介してみます。

リソース管理がゆるくかなり容易

エンジンビルドゲームといえば、何はともあれ資源管理が大切。アースでは基本リソースは「土」(いわゆるお金)の1種しかなく、その入手方法や機会も多く容易されています。そのため「この先の数手番やれることがない」というデッドエンドに陥ることが少なくなっています。これにより、動物も植物も根源的にはすべて源が同じで、それらが朽ち果て循環し生命が連鎖する、という摂理が上手く例えられています。

開始時個人能力・終了時個人目標・終了時全体目標・ゲーム中達成目標が同時多数提示され偶発的

公平性が重要視されがちなエンジンビルド系ゲームでありながら、プレーヤー個人の能力や目標が大きく異なります。また途中目標や終了時目標もランダムで提示されますが、時には矛盾を孕む組み合わせになりながらも実に様々な種類が複数設定されます。そのため終盤までにやらなければいけないことが膨大にあり、ともすれば似た展開になりやすいシンプルなゲームシステムにもかかわらず毎回のプレイ感に変化をもたらします。これにより、地球上の生命は多様性に満ちており進化の方向も自由で良いというテーマを再現できていると感じます。

カードの引きや他プレーヤーの選択など外部要因による運要素

もうこれこそが地球=アースそのものかと思います。基本的にこのゲームは、ソロプレイ感いっぱいです。闘っている相手は、他プレーヤーというよりは自然の摂理(この場合はゲームシステム)です。バリアブル・フェイズ・オーダーなので、他プレーヤーの盤面も自分に関与しなくはないのですが、それはもうインタラクションというよりはランダマイザに近い関わりの仕方にぼくは感じました。これにより、現実の生物進化は(恐竜のように)最終的には外的要因に大きな影響を受けている、というフレーバーに重なると思いました。

アース

(いわゆる)運要素がかなり高く、数点を他プレーヤーと競うようなシビアさはなく、過去の得点と今回の得点を比較することも意味は持たないでしょう。また、手番ごとの処理がラウンドが進むごとに飛躍的に多くなっていきます。しかしほぼソロプレイに近い感覚のゲームなので、処理落ちやプレイミスが起きても指摘してもらうことなども難しくなっているため、その点からもざっくりした印象を受ける人が大半でしょう。

非常に綺麗に過不足なくテーマにシステムを帰結させた気持ちの良いゲームです!

ダウンタイム皆無・軽いプレイ感・高い運要素・エンジンビルドメインという、ぼくの経験上は少し珍しい形のゲームでした。煩雑な処理があるため、ボードゲーム初心者にはオススメできませんが、ある程度ほかのエンジンビルドゲームを遊んで楽しく感じたことがある方なら、このアースもきっと心に刺さることでしょう。

こんな人におすすめ

中量級ゲームで遊びたい人。インタラクションが強すぎるのは困る人。ダウンタイムが嫌いな人。

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
おすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
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