ヒート / Heat: Pedal to the Metal

レビュー記事NEZおすすめ☆8以上NEZ好きなんですけ度☆8以上
この記事は約8分で読めます。

デザイナー: Asger Harding Granerud, Daniel Skjold Pedersen
アートワーク: Vincent Dutrait
出版社Days of Wonder
, Hobby Japan(cited from)
参照 BoardGame Geek

コーナーリングが超重要なレースゲーム。ヒートを管理して、コーナーを駆け抜けろ!(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

ヒゲ
ヒゲ

フラムルージュの作者の新作。
よく比較に上がるのでフラムルージュとどう違うかを書いてみようかな。

NEZ
NEZ

お邪魔カードなはずのヒートカードの管理が超重要。各コーナーに向けてどう手札とヒートカードを整えるかが面白い!マシンのカスタマイズは是非やってみて!

開拓者
開拓者

ふるえるぞハート!!

燃え尽きるほどHEAT!!

ヒゲおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
NEZおすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
開拓者おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
Average:7.3 out of 10 stars (7.3 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

ヒゲのレビュー

フラムルージュとヒートの違い

まずは基本情報から…
プレイ時間はおよそ45分くらい。
ベスト人数は現状最大人数の6人だと思います。
あらゆるレースゲームはプレイ人数多い方がよい気がします。
少人数プレイのときにはNPCを入れる感じになるけど、ちょっとルール増えるから対人の方がいいよ。

さて、冒頭にも書きましたが…『ヒート』単体のレビューというよりは『フラムルージュ』との比較ということで書いていきますね。

そもそも『フラムルージュ』ってなんぞ、というとデザイナーのAsger Harding Granerudの代表作で、ツールドフランスみたいな感じのロードバイクレースをテーマにしたゲームです。マイフェイバリット。

キャンペーン拡張、首を長くして待っています。

『ヒート』が発表になった時に、少し話題に挙がりましたね。
確かに同作者のレースゲームという点で、類似点はあります。
しかし、明確に別のゲームです。

相変わらずシステム部分の紹介は他のレビュアーにぶん投げますが、『フラムルージュ』が「タイミングと位置取りのゲーム」なのに対して、『ヒート』は「ヒートカードを中心としたリスク管理とスピード調整のゲーム」だと感じています。

フラムルージュはルーラーとスプリンターという2人のチームを操作していき、スプリンターの最大移動力カードが温存できるようにうまく位置取りをしていき、適切なタイミングでスパートをかけるゲームです。
ロードレースにおける「風よけ」という概念がうまくゲームシステムに落とし込まれています。

一方、本作ヒート』は1台のマシンを操作していきカーブでの減速と直線での加速のメリハリをうまくつけていき、時にはリスクを負うかどうかの選択をしつつ、ヒートカードのマネジメントをするゲームです。
こちらはモータースポーツならではの「ギアチェンジ」の概念がうまくゲームシステムに落とし込まれています。

どちらもプレイしてみた感想としてはこんな感じです。
『フラムルージュ』持ってるから『ヒート』は買わなくていい、これは大きな間違いです
きっと後悔します…そう、『ヒート』プレイ後の私のように…買っときゃよかったぜ!

余談になりますが、『ヒート』の中に入っている上級ルール的位置づけの天候の要素などは『フラムルージュ』では拡張として別売りになっています。そういう意味でも『ヒート』はお得よ!

『メテオ』が天候の要素を入れる拡張。 『プロトン』が5,6人拡張+α。『ヒート』には元々この要素が入ってる。
こんな人におすすめ

1時間程度で終わるいい感じのレースゲームをお探しの方。
あるいは、セバスチャン・ベッテル

ルールの複雑さ:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)

NEZのレビュー

ヒートカードを循環させて、コーナーに突っ込め!!!

ちょっとレトロなF1のゲームです。見たまんまレースゲームで最初にゴールすれば勝ちです(同じラウンドで複数ゴールしたらより遠くまで進めた方が勝ち)

ゲームは毎ラウンド、ギアを上げ下げして、手札からマシンのギア数に応じた枚数のカードをプレイします。そして、そのカードに書かれた数字の合計だけマシンを進めます

手札からギアに応じた枚数のカードをプレイして、マシンを進める。「+」はデッキからガチャ引きするストレスカード。ストレスとヒートは捨て札に出来ず、手札上限を圧迫する。

その後、マシンの位置に応じたスリップストリームの処理をしてマシンを進めていきます。基本的にはこれを繰り返す感じです。

このゲームでポイントになるのは、手札上限を圧迫するヒートカードの存在です。ヒートカードは手札に来ても使うことが出来ず、捨てる事もできない、言わばお邪魔カードです。

ただ、このヒートカードはただのお邪魔カードではなく、リソースとしての意味も持ってます。ヒートカードは各プレイヤー専用の山を持っていて、無理な運転をすると捨て札に追加されていきます。

ヒートしちゃう運転

・ギアを2段階上げ下げ
・追加で山札からカードをガチャ引き
・無理な速度でコーナーに突入

この中でも特に重要になるのが、コーナーの処理です。と言うのも各コーナーには、スピードの上限値が決められており、コーナー通過時点でその手番に移動した数から上限値を引いた差分だけヒートカードを捨て札に追加しないといけないからです。もちろん、出来なければ大きめのペナルティを受ける事になります。

例えば、右側のコーナーは上限が3(2だけど拡張要素で+1されてる)なので、突入時に4以上進んでたら、その差分だけヒートカードを捨て札に追加しないといけない。

ここのコントロールが非常に面白く、ヒートカードを貰ってでもコーナーをクリアしておくのか、いったん手前で止まっておくのかが悩ましくなっています。「手札に大きめのカードがあるから、何としてでもコーナーをクリアしといて、次の手番は直線を駆け抜けたい!」みたいなシーンが幾度となく訪れます。熱い。

中央にあるのがヒートカードの山札。これがないと、無茶な運転ができないので如何に捨て札→山札→手札→ヒートカードの山札と回転させるかが重要。

それでは、ヒートカードの山札は減る一方なのかと言うとそういうわけではなく、手札に持った状態でギアを2速以下にするなど特定の条件を満たす事で手札からヒートカードの山札に戻すことが可能です。

つまりはヒートカードは『ヒート山札→捨て札→山札→手札→ヒート山札』と循環させる必要があるのです。なので、「ヒートカードもうないじゃん!頼むからヒートカード手札に来て!」とむしろお願いしちゃう事すらあります。ちなみに、ヒートカードの山札は6枚くらいしかないので、そもそもそんなに手札上限を圧迫しているように感じません。むしろ、返したいのに来ない

あと、個人的には拡張として同梱されているマシンのカスタマイズはゲームに慣れてる方であれば、是非とも初回から入れてみて欲しいです。これにより、各プレイヤー同じ山札だったのが、オープンドラフトによって、3枚だけ特殊なカードに変更される上に、この特殊カードがどれも癖があって強い!

オープンドラフトの特殊カード。タイヤやサスペンション、アクセルペダルにウイングなど、マシンをカスタマイズして、違いを見せつけよう!

後方にいることでボーナスが付いたり、スリップストリームのルールによって、抜きつ抜かれつの展開になることが多く、最終コーナーまでどうなるか分からないのが盛り上がります。ヒートカードのもどかしさに悶えながらギリギリを攻めていくのが楽しいゲームです。

こんな人におすすめ

レースゲームが好きな人、ハンドマネジメントが好きな人

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
自分は好きですけ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)

開拓者のレビュー

コーナーを制するものがゲームを制す!!F1レースゲーム。

若干のデッキ構築要素と運と駆け引きがせめぎ合うレースゲームです。私は基本ルールでしか遊んでいないため全員同じデッキでスタートしましたが、拡張では各自マシンをカスマイズできるようです。次回はぜひ拡張でやってみたい。

さて、このゲーム。細かいルールはNEZさんに丸投げするとして、レースの駆け引きがとてもうまく再現されたゲームです。特にコーナー、ここがアツい。コーナーに入る前にどこに位置取るか、どこで先頭にでるか、そのときまでにいかに準備をしておくかという駆け引きが本当にうまくゲームに落とし込まれています

コーナーには数字が書かれていて、コーナーを曲がるときにその速度以上の速さで通過するとオーバーした分のヒートカードを受け取るというペナルティがあります。ヒートカードは手札を圧迫してくるだけでなく、自分のヒートカードの山がなくなるとコーナー手前まで戻るという大きなペナルティが課されます。このヒートカードの管理とコーナーを抜け出すタイミングがジリジリしてとてもおもしろい作品です。

手札のカードに書かれた数字で何マス進むかを決めるのですが、最後に止まったマスの位置によって追加で進めたり、後ろの方からスタートだった場合には追加で進めるボーナスがあったりでなかなか思い通りには進めません。そもそも手札の数字が「なぜ…今…これ…」みたいなことになってたりもするので、ある程度カウンティングはできるとはいえ適度に運要素もあって非常に私好みでした。ギアの上げ下げをして調整していくのもマニュアル車を運転しているときのような楽しさがあって車好きにはとても楽しいゲームでした。

こんな人におすすめ

車が好きな人。
レースが好きな人。
大勢でわいわいやりたい人。

ルールの複雑さ:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
運の要素:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
タイトルとURLをコピーしました