子供の頃に誰もが体験したワクワク感を味わえるコンポーネント抜群のくじ引きゲーム。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
ボードゲームにおけるコンポーネントの重要性を認識できる作品。くじ引きのワクワク感に全力で振り切った思い切りの良さ。
手札の効果を利用しながら盤上の駒を動かしてたくさんのチョコレートを集めるのだけど、最後は引けるか引けないかというね。チケットが引けると、とにかく嬉しい。
システム・テンポ・フレーバーが上手く噛みあった気持ちの良いゲーム。固有能力や運で差がつき始める頃に、サクッと上手いこと収束するキレ味が素晴らしいです。
NEZおすすめ度: | (8.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (7.0 / 10) |
Average: | (7.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
思わせ振りなコンポーネントで呼び起こされる子供の頃の楽しい思い出。
『チャーリーとチョコレート工場』をテーマにしたゲームです。ジョニー・デップ主演で映画にもなりましたね。ゲームの目的は、チョコレートに封入されたゴールデンチケットを手に入れることです。メインシステムはカードドリブンでしょうか。
なんと言ってもたくさん積まれたチョコレートのパッケージに目が行きますね!!そして、なんとパッケージの中にはプラスチック製の板チョコが入っています。コンポーネントが強い。そして、ゲームの準備でこの板チョコにプレイ人数に応じた枚数のゴールデンチケットを封入していきます。いや、もうこの準備から楽しい。
さて、ゲームはチョコレートのストックが失くなったら終了で、手番が来ると『カードをプレイする』『カードを1枚捨てて、隣接エリアに移動』『カードを補充する』のいずれかを2回行います。カードの能力はチョコやお金を獲得したり、コマの移動を行ったりと比較的シンプルですが、中には他人からカードを奪ったりチョコを山に戻したりと相手を攻撃するカードも少し含まれています。
カードのプレイで少し変わっているのは、プレイされたカードは捨て札とならず、個人ボードの下にゴミとして残るところです。そして、カードの中にはこれらのゴミを特定の条件で、捨て山に移す事で効果を発揮するものがあります。
ボードは3×3になっていて各エリアには入った時に実行できるアクションが描かれています。カードを1枚捨てることで移動ができるわけですが、カードの効果自体に移動が付いている場合もあり、可能ならカードの効果で移動する方がお得になっています(カードの効果で移動しても、移動先のエリアのアクションは発動します)。ちなみに移動先にウォンカさんがいるとチョコ貰えます。
獲得したチョコレートはゲームが終了するまで中身を見ることができず、ゲーム終了と同時に一斉に中身を開封していきます。一つ一つチョコレートの中身を確認していく行為は、コンポーネントが実際の板チョコを模している事もあって、実際に当たりを探す感覚になりとてもワクワクします。
また、最後まで結果が分からない事でチョコレートの数が少なくても「もしかしたら、この中にゴールデンチケットが入ってるかも…!!」と希望を持てるので、ゲーム後半で敗戦処理になりにくいのも好印象です。
どんなにゲーム中リードしていても、結果的には『くじ引き』なのですが、コンポーネントを上手く利用することで体験に昇華させているところは、とても面白いと感じました。
最後に、ちょっとだけ怖い話をすると、このゲームではゴールデンチケットを持ってるプレイヤーが全員勝利するんですが、複数枚引き当てたプレイヤーは他のプレイヤーに渡してもいい事になってるんですね。
でも、ゲーム開始時に封入するチケットの枚数は『プレイヤー人数-1枚』なんですよ…
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (8.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
かやのレビュー
少数精鋭でも勝てる時が、あるッ
ゴールデンチケットはチャーリーとチョコレート工場をテーマにしたボードゲームです。
各プレイヤーは異なる能力を持つキャラクターを任意の方法で選択して、初期手札とお金を配られた状態でゲームをスタートします。お金はチョコレートを購入するのに使用しますが、基本的にチョコレートを獲得するには特定の場所に駒を移動させないといけません。
他にもチョコレートは、カードの効果でもらえたりします。お金もカードの効果や駒を指定の場所に移動させて条件を達成することで得られます。中には、他のプレイヤーのチョコを奪ったり、山場にチョコを戻させるなど手札の効果で色々できます。
山場にあるチョコレートをプレイヤー同士で奪い合うわけですが、このチョコの中には「ゴールデンチケット」が隠されていて、「ゴールデンチケット」を手に入れることが勝利条件です。このチケットの確認は、全てのチョコが山場からなくなった後にチョコの中身を開封してチケットを確認します。
チョコレートをたくさん集めていれば、ゴールデンチケットを引ける確率は単純に上がっていきますが面白いのは数枚しか獲得できなかった場合でも勝てる時があるということです。
最後は引けるか、引けないかの運になりますが単純にチョコを集めていく面白さ、ラストまで勝負がわからないのでチョコを開ける時はとても盛り上がります。お菓子を食べたいから買うのではなく、「あたり」を引いてみたいというようなことありませんでしたか?
ある意味、「ゴールデンチケット」は一番オイシイ部分だけを味わえるようゲームにしたもの、だと思います。
チョコレートのコンポーネントはすごく細かくて、チケットはレーザーで焼かれているのか繊細なデザインでウィリーウォンからのメッセージも書かれていてワクワクしますね。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (8.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
やすやすのレビュー
ゲームの途中経過と結果には、あんまり相関性がないということが立証されかねない問題作
ゲームのルールや詳細については他のレビュアーに任せて、ぼくは感想を書きますね。
原作である映画「チャーリーとチョコレート工場」は、観たことがなくてもぜんぜん問題ないですよ~。フレーバーがちょっと理解できる程度です。
ゴールデンチケットは、カードドリブンでイスタンブールを遊ぶよ的なゲームです。カードごとの効果差は強く、その引き運が直接的に明暗を分けます。他プレーヤーを直接攻撃する要素もあり、場合によってはかなりバチバチとやり合う展開になり得ますね。プレーヤーごとに異なる個人能力を持つことになるのですが、この強弱もはっきりとしているため、どれを選ぶかによってスタート地点すら異なりそうです。あ、そうそう、手番順補正もなく、先手有利だと思います。
とまぁとにかくいろいろ雑に激しく、えっこれってバランスどうなの、なんかいろいろ大丈夫かな?って言いたくなるようなルールになっているのですが、そこはあまり気にせずゲームを始めましょう、細かいことは気にせずいいから遊ぶのです!
なぜなら、そういったインタラクションやカードや能力の強弱といったゲーマーならついつい気になってしまうような要素のほとんどが、「最後に1枚でもあたりが出たら勝ちな、出したやつ全員勝ちだからな」というジャイアンルールが全部責任をかぶってくれます。結局、途中で何を選んでも何をやっても「最後に引いたやつが強いやつ」というわけで、それはまるで「強い奴が勝つんじゃない、勝った奴が強いんだ」と叫ぶような武闘派ゲームなのです。
またゲーム終了トリガーはゲーム開始時から非常に分かりやすい形で見えているのですが、これが全員が思っているより早く引かれるため、インタラクションや能力発動にかまけていると大慌てすることになるでしょう。
勝利条件の特異さと終了トリガーの思わぬ早さが、他のアンバランスな要素を強引に抑えにいってる様子が何とも痛快で、きっとみんなでワイワイ言い合いながらゲーム最後のおみくじタイムを迎えることができることでしょう。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |