ホイルドッホ! / Heul doch! Mau Mau

レビュー記事
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デザイナー: Leo Colovini
アートワーク: Marek Bláha
出版社Ravensburger(cited from)
参照 BoardGame Geek

相手にプレゼントするのか?それとも泣く泣く伏せるのか?それが問題だ。(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

NEZ
NEZ

コロヴィーニが送るUNOのような何か。手元に得点札を積んでいくゲームだけど、両隣が邪魔をするのが泣ける!!

かや
かや

箱の中には、ティッシュが!玉ねぎが目に染みる〜!

あん
あん

古典ゲームを熟練デザイナーがアレンジ。新たな楽しさを生み出すことに成功している快作。

NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
かやおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
あんおすすめ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
Average:6.3 out of 10 stars (6.3 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

NEZのレビュー

UNOの出し方で個人の得点札を重ねるゲーム。何となくドミノを遊んでる感覚に近いかもしんない。

カードをプレイして手元に得点の山を作っていくゲームです。山札と手札が全て無くなったらゲーム終了で、ゲーム終了時に山札に含まれるカードの数字の合計が勝利点となります。

カードのプレイはUNOと同じで、山札のトップと同じ色、または同じ数字のカードが手札からプレイ可能です。ただ、UNOと異なるのはUNOが共通の捨て山を築くのに対して、ホイルドッホ!では山は個人ごとに作られます。

さて、当然ですが手札のプレイには、これ以外にも条件があります。それは両隣の山にプレイ可能なカードは優先的にそっちにプレイしないといけない、と言うルールです。つまりはお隣が『緑の7』をプレイしていたら、自分の山にプレイできるカードであっても『緑』と『7』はお隣の山にプレゼントしないといけないわけです。数字はそのまま得点になるので、出来れば渡したくないですよね。

そこで、このゲームではもう1つカードのプレイの仕方が用意されています。それが裏向きでプレイする方法です。裏向きでプレイできるカードは両隣にプレイできないものに限られますが、こうする事でプレイできるカードがない、または相手にカードを渡したくない場合に回避することができます。

当然、これにはデメリットがあって、ゲーム終了時に自分の山にある裏向きのカードの枚数を数え、その枚数と同じ数字のカードを全て得点計算から除外しなければいけません。例えば、裏向きのカードが自分の山に5枚あったら、『5』のカードは全て除外されます。ちなみにこのゲームでは7が最大値なのですが、9枚とか裏向きがあると『7』と『2』みたいに7と足してその枚数になるカードが除外されます。泣ける。

あと、細かい点ですが、プレイされたカードの山はゲーム終了まで確認できないのもなかなか効いています。これによって、裏向きの枚数が予想と違ってたり、思いの外カードを除外されて悶絶したりとゲーム終了時に一盛り上がりあります。

ヴァリアントとして、4種類の特殊カードが用意されていますが、個人的には初めから入れてしまっていいと思っています。と言うのも、入れることによって両隣しか干渉できなかったのが、全員巻き込んだプレイングが可能になるからです。効果自体も『山札のトップを交換』や『山札のトップをひっくり返す』など分かりやすいものばかりですしね。

手札を見ながら、「これをプレイして、次はこれがプレイできるかな?」と軽く計画立てていこうとするところに両隣からの邪魔が入って、ちょいちょい計画を崩されるのは、何となくドミノのプレイ感に似ている気がしました。ただ、ドミノよりも相手からの干渉が激しいので、「いや、そのカードはダメだって!!」と言う声がいたるところで聞こえてきます。悪いわ~って言いながらワイワイ楽しめるゲームだと思います。

こんな人におすすめ

相手を妨害するゲームが好きな人

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)

かやのレビュー

UNOに似ているけど、お隣さんとの探り合い譲り合いが目に染みます。

手番が来たら、手札を自分の前か両隣のプレイヤーに配置するだけのシンプルなカードゲームです。

配置するときは、UNOのように色か数字が一致しなくてはカードを重ねることができず、両隣の人におきたいカードが置ける場合は両隣に配置しなくてはいけません。カードが尽きた時、自分の前に置かれたカードの合計が点数になるのでできるだけ自分の前にカードを置きたいところです。

このゲームのミソは、両隣にどうしても配置したくない場合は自分の前にカードを裏向きにして置く、ということです。裏向きにすると玉ねぎは涙を流した状態になります。ゲームの終了時に泣いている玉ねぎのカードの枚数とイコールになる数字は点数になりません。

例えば自分の前の山に泣いている玉ねぎが5枚あれば山場にある「5」のカードは0点です。

他人にカードは譲りたくないけど、人の場に裏返して重ねすぎると点数が伸びません。ジレンマと戦いながら時には隣の人に点数を与えつつ、うまくやり過ごします。

カードには特殊カードがいくつか含まれており、

・プレイヤーは全員、一番上のカードを捨てる

・プレイヤーは全員、山の一番上のカードを左(または右)隣に移動させる。

・誰かと山の一番上のカードを交換する

・プレイヤーは全員山の1番上のカードをひっくり返す

などです。最初に説明を聞いたとき、「コントロールできないタイプのカードゲーム」と思いましたが、ある程度妥協して、隣に譲りつつ・・できれば隣が0になりそうな数字のカードを譲りつつ自分にもカードを隣から譲ってもらおうということくらいはできます。が、大きい数字が引けるか、隣の人が何を出すかで勝負が決まるのでパーティーゲームに近いです。

ルールはシンプルかつUNOに近いので、ボードゲームはじめての人も遊びやすい良いゲームだと思います。機会があればぜひ遊んでみてください。

こんな人におすすめ

ワイワイとカードゲームを遊びたい人

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7 / 10)

あんのレビュー

涙がこぼれそうなときも安心。

マウマウというUNOに似たゲームがベースになっています。
それぞれのプレイヤーが自分の前に台札を持ちます。手番になったら手札からカードを1枚プレイします。カードは自分の台札のスートまたはランクをフォローしなければなりません。さらにプレイする台札は、左右のプレイヤーの台札を優先し、それらにプレイできなければ初めて自分の台札にプレイすることができます。できないまたはしたくなければ、カードを伏せて自分の台札にプレイします。全員が手札を使い切ったらゲームは終了。自分の台札の山の中の裏向きカードの枚数のランクのカードは得点になりません。それ以外の自分の山札のカードに書かれた数字が得点になります。

得点となるカードは他プレイヤーの山札ではなく自分の山札にプレイしたい。裏向きにカードをプレイすると得点カードが除外されることから避けたい。そのジレンマがよい按配に機能しています。

運の要素が強いのですが、それぞれの利益となるアクションがわかりやすいため、わいわいとライトに遊ぶことができます。
バリアントの特殊カードを導入すると、上家下家以外のプレイヤーとのインタラクションも生まれ、また、よりアンコントローラブルになりパーティ寄りになります。ベストのプレイ人数もゲームの面白さも両方広げるバリアントなので、導入するのをおすすめします。
古くからある古典ゲームをアレンジした作品はいくつかあり、それらは伝統ゲームに通ずる安定した面白さがあります。そのなかでも本作はインタラクションのつけ方に独自性があり、もう一段上の面白さを生み出していると思います。

こんな人におすすめ

安定感のある小箱ゲームを楽しみたい方。またはヴィランズ。

"ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
おすすめ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
自分は好きですけ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
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