第二次世界大戦を舞台にしたチーム戦。様々な効果のカードを使って、戦況を派手に塗り替えよう!(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
戦略級ウォーゲームかと思いきや、カードをドーンしてガーンするゲーム。チーム戦でワイワイ楽しもう!
6か国の陸海空軍がドンパチ!旧世界地図を囲んで、むむむ・・・とうなる大人のゲーム。各国の伏せられた戦略カードがしびれる~。
「そんなの聞いてないよ~」という悲鳴が飛び交う、お手軽ウォー風カードゲームかな。チーム戦であることで、タクティカル風味の塩梅がちょうど良い加減になり、他にない味が生み出されたと思います。
NEZおすすめ度: | (8 / 10) |
かやおすすめ度: | (7 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
プレイヤー固有のデッキでドーンしてガーンするチーム戦
第二次世界大戦をテーマにした土地の取り合いゲームです。最大6人による3vs3のチーム戦で行うカードドリブン形式のゲームになります。
各プレイヤーは枢軸国(ドイツ・イタリア・日本)と連合国(アメリカ・ソ連・イギリス)に分かれ、各国を担当します。各国の山札は完全に固有デッキで、デッキの枚数すら異なります。デッキの枚数はその国の経済力を示しており、日本のような天然資源の少ない国はデッキの枚数も少なく設定されています。また、デッキの内容にも各国の特徴が出ており、例えばドイツは史実と同様、電撃作戦でソ連を攻めるのが得意だったり、日本なら、罠を張るようなカードを多く含んでいたりします。このような国ごとに特徴がある事で、一度遊ぶと「今度は、あの国で遊んでみたい!」と言った感じでリプレイ欲が生まれます。
ゲーム自体は基本的には手札を1枚プレイして、カードの効果を解決する形で進みます。カードには相手を攻撃したり軍隊を招集したりする他にも、特殊なイベントを引き起こしたり、事前に伏せて置く事で罠を仕掛けたり、プレイヤーに永続効果を与えたり、相手の山札を削ったりするカードが含まれていて状況に応じて使い分けていく形になります。特殊なカードが豊富に含まれており、その全てがユニークであるため、初見ではなかなかその国の特徴を生かす事が難しいかもしれません。しかし、裏を返せば何度も遊ぶ事で各国の特徴を理解し、よりゲームが楽しくなるのではないかと思います。そう言った意味でどちらかと言うと1つのゲームを繰り返し遊ぶ事が好きなプレイヤー向けなのかなと感じます。
本質的には陣取りゲームなので相手を攻撃したりするのですが、このゲームでは相手への攻撃も簡略化されています。
ダイスなどで強さを決めたりして決められたHPを削っていき、HPが0になったら相手のコマが除去されたりするゲームがある中で、このゲームはカードに一言「陸戦」と書いてあるだけ。プレイされたら自分のコマに隣接する相手のコマを1つ除去できてしまいます。各種イベントカード的なものも同様で、突然「中国に連合国の部隊がいたら取り除いて、そこに部隊を配置していいよ。」みたいなどんでん返しがバンバン起こります。ここはある意味理不尽なのですが、これがチーム戦ともなると、「中国はこっちで何とかできるから、ドイツを頼む!!」みたいなやり取りをシンプルに行えるので、結構ありだなと思ったりします。イベントなんかは史実の出来事だったりするので、思わず「行けっ!毛沢東!!」とか言っちゃいますし。
ネガティブな要素として、ゲームのプレイ時間が意外と延びてしまう事がある点が挙げられます。このゲームでは、勝利条件が「規定の点数差が付いた状態でラウンドが終了する」と「20ラウンド経過」の2つがあるのですが、20ラウンドはかなり長いです。
ちなみにこのゲームには拡張が販売されていますが、個人的には入れた方が面白いかなと思います。拡張セットでは戦闘機が登場し、攻撃や防御にちょっと厚みが出ます。また、基本的にこのゲームは場にカードを出しておかないと効果が発動しないのですが、新たに直接手札から効果を発動させる事ができるカードが追加され、戦略性が高まるかなと思います。
ただ、一点拡張セットが入ると山札を枯らす経済戦争が弱くなってしまうのはちょっと残念です。
全体的に皆で戦況を見ながらワイワイと相談しながら遊ぶのが楽しいゲームだと思います。テーマが戦争なので、テーマ的にちょっと苦手と言う方にはオススメできませんが、カードプレイで一喜一憂する感じはゲームに慣れた方には、一度体験して頂きたいなと思います。
ルールの複雑さ: | (6 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (8 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8 / 10) |
かやのレビュー
各国のデッキ、戦力、軍略が個性的!仲間を守りながら勝利点を稼ごう
第二次世界大戦をテーマにしたカードゲームで、歴史好きにはたまらないゲームなのかな?
各国オリジナルデッキをドローして罠を張り、空軍、海軍、陸軍を配置しつつ勝利点を稼ぎます。手持ちの戦力カード、駒の数もばらばらで限られた戦力の中でどう戦うか戦略を立てるのか考えるのが好きな人はこのゲームが楽しいでしょう。
6人いないと遊べず、3人ずつのチーム戦になるのであらかじめ遊ぶメンバーを集める必要があります。
また、戦略カードがすべてオリジナルなので知っているのと知らないとでは大きな差が出やすいです。チーム分けをするときは経験者のバランスをとるようにしたほうがいいでしょう。
カードテキストを読み込む必要があるので、文字を読むのが大変!という人にはおすすめしません。
点数を稼ぐイタリア、イギリスを守るフランスなど各国にはそれぞれ得意なことと、できないことがあります。アメリカは大きな軍事力を持ちますが、欧州諸国からは遠く、日本を放っておくといいように罠を張り巡らされたり・・・
私は直接攻撃のあるゲームはあまり好きではないですが、主計将校はカードで罠を張り巡らせたり味方の国と相談しながら戦略を考えるのが面白いです。
なかなか癖のつよいゲームですが、大国を動かし世界地図を囲み戦略を練るのは面白いです。
ルールの複雑さ: | (7.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (8.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
やすやすのレビュー
どうしても超えられない世界線っていうのはありそうです。
「戦争テーマのゲームは複雑そう」「時間かかりそうでテンポ悪い」というイメージを持つ方もいらっしゃると思います。しかしこの主計将校では、そっち面での心配は必要ありません。毎手番カードを一枚プレイするだけですし、カードの山札が尽きるとほぼ終わりなのでゲームの進行状況が可視化されています。このゲームは、シンプルなアクションに幅広い戦略性を持たせた、カードドリブン(カード効果で展開させていく)型のゲームなのです。
各プレーヤーが持つ非対称のカードデッキには、シンプルでありながらさまざまな効果を持つカードが入っています。そのどれもが、「ある状況下では効果的・別の状況では無意味」という能力を持っていると思ってください。つまりこれは、手番でたった1枚だけプレイするカードをどれにするか、を悩むゲームなのです。
初見プレーヤーがいる場合、史実を知っている方が3倍楽しく2倍有利(当社比)なので、もしゲームの経験者で歴史をざっくり説明できる人がいるなら、プレイ開始前に2~3分をかけて、当時の各国の立ち位置や思惑などを話せると良いかなと思います。
また、史実の大きな流れを知ったうえで、各国特有のキーカード(強いカード)のサマリーを担当するプレーヤーには渡しておく(もしくはチームで共有する)と良さそうです。そのカードのプレイを緩やかな指針とできるので、進めやすいかなと思います。なお、敵国の強カードまでは知らなくても良い(その方がリアルとも言えるけど知っててもいい)のかもしれません。
プレイ人数は2~6人という幅を持たせた表記になっていますが、基本的に6人用だと思います。1人で複数国を担当できなくはないのですが、ゲームの醍醐味は「味方と連携がとりたいのにとれない」「味方の行動に偶然助けられた」などにも配分があるので、1人1国を強くオススメします。
ズバリ、主計将校はタイミングを見計らうゲームです!いつそのカードをプレイするべきなのか、敵や仲間の様子を窺いながら、虎視眈々とそのチャンスを狙うところが醍醐味ですね。ドイツ楽しい~。
3回ほどプレイしただけですがそこで気になったこととして、「負ければ負けるほど負けやすい」をあげます。これは本当の戦いもそうなんでしょうけど…。チーム戦なので、弱り始めた味方同士でサポートし合いながら、共に勝利をつかむように作戦を展開していきましょう。
そうして勝った喜び・負けた悔しさをチームで共有すれば、自分たちだけの史実として、ゲームの記憶が長く記憶に留まることでしょう。このゲームを通し遊び仲間を刎頚之友とできれば、最高の体験ですね。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |