プエルトリコ / Puerto Rico

レビュー記事ヒゲおすすめ☆8以上かやおすすめ☆8以上かや好きなんですけど☆8以上
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デザイナー: Andreas Seyfarth
アートワーク: Harald Lieske, Franz Vohwinkel
出版社alea(cited from), Ravensburger, Rio Grande Games
参照 BoardGame Geek

長くBoardGame Geekで総合トップの座に君臨し続けた、ヴァリアブル・フェーズ・オーダーの傑作 NEZ

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

ヒゲ
ヒゲ

個人的『声に出して読みたいボードゲームデザイナーランキング』堂々の1位。

アンドレアス・ザイファルトが切り拓いた新たなボードゲームの地平線。

NEZ
NEZ

ヴァリアブル・フェーズ・オーダーを世に知らしめた傑作。如何に自分が得するようにアクションを選ぶかが悩ましいね。

かや
かや

シンプルイズベスト、ごちゃごちゃしたカードコンボ無し、資源の変換無し、なのにプランテーションは強くなっていくのが快感

やすやす
やすやす

メカニクスが剥き出しで、(今となっては)無骨な歯車のような印象のゲームです。骨太なシステムの存在感は、まさにぼくが描くユーロゲームのイメージそのままです。最初から最後まで気を抜けない最高の闘いが楽しめますね!

ヒゲおすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
かやおすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
やすやすおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
Average:7.5 out of 10 stars (7.5 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

ヒゲのレビュー

長年BGGトップに君臨し続けたモンスタータイトル。ザイファルトと言えば『プ』!

『プエルト・リコ』のデザイナー、アンドレアス・ザイファルトは私の好きなデザイナーのうちの1人。
寡作ながら、出版するゲームはことごとく面白い! ちなみに一番好きなのは『郵便馬車』。

システム的な面白さについては、相変わらず他のレビュアーに丸投げするとして…
私はBoard Game Geekのランキングの観点からこのゲームの凄みを話していきたいと思います。

まず、Board Game Geek(通称BGG)とは2000年から運営されている世界的なボードゲームに関するポータルサイトになります。ここではユーザーがゲームの評価をすることができ、その評価に応じてランキングが作られたりしています。ユーザーが任意で点数を付けられるものですが、集合知として非常に有益で、海外のボードゲームを輸入されたりする方は頻繁に見ているのではないでしょうか。

さて、このBoard Game Geekのランキングで『プエルト・リコ』はどうだったのかというと…

なんと、2002年から2008 年もの長い間トップに君臨していました。
(ここを参照しました。ただ集計方法により前後するみたい)

その後のランキングの交代はもっとスパンが短く、たくさんのゲームが評価されるようになってきたので、この長い期間トップであり続けたゲームというのは今後も稀でしょう。

《以降のBGGランキングトップの推移》
アグリコラ 2008-2010
トワイライトストラグル 2011-2015
パンデミック:レガシーシーズン1 2016-2017
グルームヘイヴン 2018-2022 (執筆時の最新)

2022.3月でのランキングの状況。グルームヘイヴンの点かはいつまで続くか。

ちなみに『プエルト・リコ』が出版された2002年のドイツ年間ゲーム大賞は『ヴィラ・パレッティ』。翌年は『アルハンブラ』。出版年が近い作品を見渡してみても、『プエルト・リコ』複雑なゲームはかなり稀です。(そもそもこれ以降ドイツ年間ゲーム大賞のトレンドが変わるともいえる)
1995年の『カタンの開拓者』の登場で上がったヘビーゲームというものの定義がさらに一段階上がった、そんな歴史を感じる『プエルト・リコ』。
未プレイじゃいられない!

こんな人におすすめ

お互いの状況をにらみ合いながらプレイしたいヘビーゲーマー。
あるいは、金鉱堀りの方。

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
運の要素:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
おすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)

NEZのレビュー

1人の選択を全員で実行していくシステムが画期的なプランテーション経営ゲーム。相手を出し抜き、下家を縛るアクションを選択していくのが面白い。

各プレイヤーが順番にアクションを選択し、全員でそれを実行していくヴァリアブル・フェーズ・オーダーが特徴的なプランテーション経営ゲームです。

プエルトリコでは、プレイヤーは自分の手番にアクションの描かれたタイルを選択し、その内容を実行します。そして、それに続く形で他のプレイヤーも順番に選ばれたアクションを実行していきます(ちなみに、アクションを選んだプレイヤーにはボーナスが与えられます)
各アクションには、「商品を運ぶ船の数が限られている」「商品トークンが無くなったら、獲得できない。」など、様々な制限がかけられており、場合によってはアクションを実行できないプレイヤーもでてきます。ですので、如何にして自分だけが利するようにアクションを実行できるかを考えるところが鍵になってきます。

得点源となる商品を生産するには農場、加工工場、その両方で働く労働者が揃わないといけないため、この3点セットをどのように揃えていくのかを考えるのも、個人的には面白い部分でした。

勝利点を得る方法は大きく分けて「商品を出荷する」「建物を建築する」と言う2つの手段があり、どちらを重視した戦略を取るのか、他のプレイヤーの状況を見ながら判断していく事になります。
建物には得点の他に、労働者を配置する事で様々な効果をプレイヤーにもたらします。特にコストが高い建物は、特殊な追加勝利点をもたらすので、戦略にあわせて、いち早く獲得していきたいですね(もちろん、建物は全員分用意されていない早取り形式です)

ゲームが始まってしまうと、農場タイルのめくり運くらいしか運の要素がなく、各プレイヤーの状況も見えた状態ですので、アブストラクト感が強く、経験値の差が大きく表れるように思えます。この辺りは好き嫌いがあるかもしれません。

海外では何度も版を変えて発売されている人気のタイトルで、最近でもaleaから新しい版が発売されました。そして、この新版はついに日本語版が発売されました(ちなみに僕の画像のものは10周年記念版です)!様々な状況を判断し、数手先を見据えて、最善の一手を選んでいくのがとても面白く、プレイした事ない方には新鮮に映るのではないかなと思います。プレイ時間は2時間くらいとやや長めですが、今でも色あせない面白さは、是非試してみて頂きたい作品です。

こんな人におすすめ

運要素のない重ゲーを求める人、相手の動向を読みながら遊びたい人

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:8 out of 10 stars (8 / 10)
運の要素:2 out of 10 stars (2 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7 / 10)

かやのレビュー

7つの役割をいつ選択するのか、どの施設を建築するのか、1手1手が楽しい!

最近私が覚えた単語の中でもっとも強そうな単語、ヴァリアブル・フェーズ・オーダー
7つの役割を選ぶだけなのに、こんなに面白いゲーム・・・しかもルールもそんなに難しくありません。

建築する建物の効果をどう組み合わせるか、の部分がちょっと悩ましいです。


たしかにアブストラクト感が強いですが、戦略の立て方はたくさんあるので自分が思うように
建物を建て、農地を開拓したりするのが面白いです。
また、スペースもとらずコンパクト、カードのコンボを決めまくったり、資源がごろごろ入ったりということもなく、非常にシンプルな資源のやりとりのみが発生するのにしっかりと自分のプランテーションは強くなっていきます。

うーん、面白いです。
最近は日本語版も出たんだって。

こんなにシンプルに突き詰められつつも、どの農作物を育てるかどの建物を建てるか・・で、戦い方は変わっていくから何回も遊びたくなります。
とりあえず、はじめてプエルトリコを教えてもらってからずっとBGAのターンベースを回している程にプエルトリコ、好きです。

こんな人におすすめ

2時間くらいじっくり遊びたいけど、あまりルールが複雑なのは嫌な人
ヴァリアブル・フェーズ・オーダーが好きな人

ルールの複雑さ:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
おすすめ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
自分は好きですけ度:8 out of 10 stars (8.0 / 10)

やすやすのレビュー

先の先までバチバチのバチバチで濃密すぎる常夏の体験

ゲーム内容については言わずもがなだと思われるので、やっぱり今回も私的な感想を書いていきます~。旧版も新版も、どちらもプレイしての所感です。

さて、プエルトリコは、バリアブル・フェイズ・オーダーを使ったゲームの代表格ですよね。自分の手番に行ったことは他のプレーヤーも行うし、他のプレーヤーが手番に行ったことも自分は行う、という具合。みんな同じことやるんだから、これってもしかして差がつかないんじゃないかな……と思ってた頃もありました、若かった、懐かしい~。

プエルトリコ2020

プエルトリコ新版(2020)

はっきり言うと、バリアブルフェイズオーダーは自分の次の手番プレーヤーの横っ面を平手打ちし続けるシステムです、もし日和ったり躊躇してしまうと、己だけがやられ続けます。一見、「手番のプレーヤーは自分だけが有利なアクションを選択すればお得、だから分かりやすい」と思いがちですが……悲しいかな、そもそも自分の前の手番プレーヤーがそれをさせてくれないのです、できないようにしてきます。そのため、せっかく自分のターンがまわってきても有利なアクションは行えず、代わりに仕方なく次手番プレーヤーを有利にさせないアクションを選択していくことになります、心を鬼にするのです。

プエルトリコは、こんなゲーム(個人の感想です)
  • 下家を殴るのだ
  • 大きい建物は建てろ
  • 下家を殴るのだ
  • どの終了フラグを誰が立てるのかを見極めれ
  • 下家を殴るのだ

そしてプエルトリコは情報開示ゲームのため、次手番プレーヤーにそれを防ぐ手立ては基本的にありません、次善の行動を積み重ねいくことになります。プエルトリコは、こうやってアクションの選択肢を順々に先々まで消去していくため、ぐるっと回った次の自手番にどのような盤面になっているかを想定しながら今手番を行う、という先読みがアツく楽しいポイントになるのです。

プエルトリコ2014

プエルトリコ旧版(2014)

重めのゲームでありながら、2022年の今となってはルールはシンプルで分かりやすいと言えます。その重さは、複雑さではなく主にインタラクション部分にあるのかなと思いますね。ただし後にレース・フォー・ザ・ギャラクシーなどのフレーバー違いへもリメイクされるだけあり、直感的ではありません。「なぜそうなるのか」の説明ができない部分が多いので、初見の方を交えるときには始めにしっかりインストした方がいいですね。

冒頭に書いたように装飾の少ない剥き出しのシステムであるため、これ以上廃れる・旧くなるということもあまりないでしょう。バリアブル・フェイズ・オーダーはダウンタイムも少なく、これからも広く遊び継がれる名作だと思います、機会があれば一度はプレイしてみてほしいですね。

こんな人におすすめ

インタラクション十分なゲームを遊びたい人。テンポ良く重めのゲームを遊びたい人。

ルールの複雑さ:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
運の要素:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
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