ワーリング・ウィッチクラフト / Whirling Witchcraft

レビュー記事
この記事は約6分で読めます。

デザイナー: Erik Andersson Sundén
アートワーク: Luis Francisco, Weberson Santiago
出版社Alderac Entertainment Group(cited from)
参照 BoardGame Geek

左から送り込まれる素材を変換して右に受け流せ!軽いプレイ感の新感覚バーストさせゲーム!(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

NEZ
NEZ

隣から放り込まれる素材を使って相手を攻撃する攻守一体のリソース変換ゲーム!変換カードのドラフトもピリリと効いてる!

やすやす
やすやす

ターンベース制、対戦型落ち物パズルゲームと呼んでよいでしょう。ふつうは複雑すぎてブラックボックス的になってしまう車のエンジンを、みんな公開で1からチューンアップ!アクセル全開で行きましょう~。

NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
やすやすおすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
Average:7 out of 10 stars (7 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

NEZのレビュー

相手の攻撃を増幅し、サディスティックに攻めろ!

魔女になって、大釜で素材を煮込んで変換していくゲームです。

基本的には手持ちのレシピカードをプレイし、そこに描かれた変換方法で個人ボードのリソースを変換。そして、変換の結果として生成されたリソースを獲得していくゲームになります。
・・・と、これだけ言うと普通のエンジンビルドに聞こえます。しかし、このゲームの最大の特徴は生成されたリソースは右隣のプレイヤーに渡されてしまうところです。なぜ、せっかく生成したリソースを相手に渡してしまうのかと言うと、このゲームの目的が相手にリソースを渡して、相手の個人ボードを溢れさせる事にあるからです。個人ボードはリソース毎に置ける最大数が決まっており、それを超えてしまったリソースは大釜を渡したプレイヤーの得点として返却されてしまいます。

相手から受け取ったリソースは次のラウンドで右隣を攻撃するリソースの元となる事から、常に左から来るリソースを何とか対処して、右隣を攻撃するリソースを生成すると言う攻防一体の動きをしていく事になります。

リソース変換はどのように行うのかと言うお話ですが、プレイヤーは各自4枚のレシピカードを手札として持っています。レシピカードには入力に必要な素材と出力される素材が描かれており、毎ラウンド手札から1枚を同時公開で場に出していきます。レシピカードは原則変換の方向が決まっているのですが、中には手札からセットする際に向きを決められるカードなども存在しています。レシピカードは場に残り続けるので、ラウンドが進むと自ずと変換量が増えていく事になり、気づくと相手からトンでもない量のリソースが降ってくる事になります。
そして、レシピカードはラウンドの終了時に残った3枚が左隣に渡され、1枚補充され4枚になります。このレシピカードのドラフトがリソースの降ってくる方向と逆向きになっているのがなかなかニクいです。つまり、攻撃してくるプレイヤーに渡したくないカードを自分でカットする事で防御をする事も出来るわけですね。

また、レシピカードの中にはアルカナと言う、貯める事で即時に発動する特殊アクションの要素もあります。「ちょっと変換は弱めだけど、これをプレイすれば特殊アクションが打てるな・・・」と考えてレシピカードを選択したりもできます。

何回かゲームをやってみて分かったのですが、基本的にはラウンドが進むと左から降ってくるリソースの数は増えていくので、レシピカードのドラフトは守りを重視する傾向が強くなるのですが、突然降ってくるリソースの量が減るタイミングがあったりします。自分に降ってくるリソースの量が減ると言う事は自分が攻撃する際も、変換元リソースが少なく結果として右隣に大したリソースを送り込めなかったりします。こうなると、一転攻撃のチャンスと言う事で攻めるためのレシピカードを公開して、将来、左から大量に降ってくるであろうリソースを増幅して、右隣に一気に攻撃を行うなんて事も可能です。

その他の要素として、プレイヤーごとに初期リソースの数が異なっていたり、特殊なアクションや特殊なレシピを持っているキャラクターカードもあります。そんなに複雑な効果はないので、プレイヤーごとにちょっとずつ変化を加えたい場合は、最初から導入してもいいのかなと感じています。

プレイ時間は比較的短く、概ね30分程度で終わるので、ゲーム会の隙間時間に軽く遊んでみたりするのにちょうどいいかなと感じました。大量のリソースを送り込んで相手が四苦八苦しているのを見るのは楽しいですよ。

こんな人におすすめ

ゲーム会の導入とかに良さそう。エンジンビルドが好きな人。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)

やすやすのレビュー

「俺の考えた最強のエンジン」に、おまえはついてこれるのかっ!?

ぼくエンジンビルドゲーム史上、分かりやすさが最高なんですね。デザイナーさんはゲームを単純にし過ぎないため、ふつうはエンジンの入力と出力の関係を複雑にすると思います。しかしこのゲームはそうなっていません。勝利のために行うことが極限まで分かりやすく、明々白々・一目瞭然・明朗会計です。友だちから上司まで、安心して誘って遊べるお店といった感じです。また、露骨なわりに忖度プレイも可能なので、接待も容易、こんなものが会社の近くに一軒は欲しいですね。

whirling witchcraft

バーストする直前の状態

落ち物パズルと表現しましたが、工場のラインといった風情もあります。コンベアに乗って左から原材料パーツがやっててくる、目の前には自分の組み立てスペース、右には次の組み立て担当者のスペースに続くコンベア、という流れ。コンベアの流れるスピードは変わらないので、早く組み立てるわけじゃなくて、なるべくかさばるように組み立てて次の人を困らすのです、そうです自分は悪い奴

直接対戦型のゲームは、自分が悪い奴になれるところが楽しいのです。わる~い魔女になっていいのです、今だけ友人も上司も恋人も、魔女の作り出すドロドロの気持ち悪いヤツで殴っていいのです、どうですか、ボードゲームってすごくないですか。

ワーリング・ウィッチクラフト

最後にもうひとつ例えるなら、このゲームは格闘技に近いです。相手の出してくる攻撃を、自分の持っている限られた技でどうやって受けきるか。そして相手の状態を見て、自分ができる最も効率の良い攻撃はいったいどれなのか。そんなことを、みんなでワイワイしながら楽しむゲームです。

基本的に何人で遊んでも、プレイ感もダウンタイムも変わらないかと思います。ただし2人プレイだけは異なっていて、攻撃する相手もされる相手も同じになるので、違った戦略が必要になりますね。ワーリング・ウィッチクラフト、2人でも3人以上でもアツい闘いが繰り広げられることは間違いなしです。しかしゲームのシステム上、どうしてもカードの引き運というが局面を大きく左右します。つまり特徴なのですが、それが苦手な人にはオススメしません。

こんな人におすすめ

複雑すぎないゲームを遊びたい人。この際、直接殴り合いたい人。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
運の要素:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
タイトルとURLをコピーしました