他のプレイヤーの顔色を伺いながら、ギリギリを攻めるバーストゲーム。サボテンの花を咲かすのだ。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
オインク小箱みたいな見た目のバーストゲーム。相手がバーストするタイミングを見計らって、自分もギリギリを攻めるのが面白い!
ゲームデザインもアートワークもウェルメイドな小箱ゲーム。
ライトなプレイ感がリピートを誘う、ファミリーカードゲームの新機軸。
NEZおすすめ度: | (6 / 10) |
あんおすすめ度: | (6 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6 / 10) |
Average: | (6 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
他人がバーストするタイミングを見計らって、ギリギリまで値を吊り上げるスリリングなゲーム。
『マダ』はマダガスカルのマダ。と言う事で、バーストするかしないかギリギリを攻めるゲームです。見た目は完全にオインクゲームズのそれ。最初に見た時に思わず「えっ!?オインクじゃないんすか?」って言ってしまいました。
ゲームの流れはスタートプレイヤーから順番に、手札からカードを1枚自分の捨て山にプレイするか、手札を1枚補充するかのどちらかを行います。
簡単。
もちろん、プレイできるカードには制限があるわけで、個人の捨て山のトップのカードの数字以上のカードをプレイする必要があります。要はだんだんと捨て札の数字を大きくしていかなければならないと言う事ですね。
では、それが出来ない場合はどうするのかと言うと山札からカードを引く事になります(もちろん、カードをプレイしたくない場合もカードを引けます)。ただし、手札の上限は3枚です。上限に達している場合は、カードを山から引く事すらかないません。
そうなると、残された手段は山札をガチャ引きです。引いたカードがプレイ可能ならそれをプレイしてセーフ。出来なければアウトになります。誰かがアウトになったらラウンド終了で、残りのプレイヤーは捨て札のトップにあるカードを獲得します。
そして、いずれかのプレイヤーがカードを5枚集めたらゲーム終了で、カードに描かれたサボテンの花の数が多いプレイヤーが勝利となります。
あとは、特殊カードによって手札を捨てる事が出来たり、他のプレイヤーと捨て札を交換したりと軽いコントロールをすることが可能です。特殊カードはいずれも延命措置のような物と考えてもらえばいいかなと思います。
ポンジスキームなどに代表される相手が脱落するラインを見計らい、「手番が回ってこなけりゃいい。」の精神で勝負をかけるゲームなのかなと思います。マダでは、この部分に特化し、要素を簡単にすることで遊びやすくなっている印象です。
カードを引く事で手番を終える事ができるため、手札の枚数から他のプレイヤーに余裕があるのかを確認可能で、状況を把握しやすい事も勝負をかけやすくしている要素かなと感じます。
シンプルなルールの我慢比べでガチャで生き延びたりするのが盛り上がるゲームです。ギリギリを攻めて、誰か脱落するのを天に祈るのは面白いですよ。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
あんのレビュー
バーストゲームの顔をしているブラフゲーム!
各プレイヤーは手札から自分の前にカードを昇順になるようにプレイします。誰かが昇順に出せなくなったらバースト。バーストしたプレイヤー以外のプレイヤーは自分の山札の一番上のカードを得点として獲得します。カードにはサボテンの花が描かれており、その花の数が得点になります。カードに描かれた花の数は、カードの数値が大きくなるほど多くなります。誰かがカードを5枚集めたらゲーム終了。サボテンの花の合計数を比べ、最多のプレイヤーが勝利します。
ルールやカードの構成が非常によくできていて隙が無いゲームだなという印象です。カードは数値が大きくなるほど枚数が多くなるようになっており、普通にプレイしていくとかなりの確率で各自のカードの山のトップカードが高数値になります。獲得できる点数が高い状態で誰かがバーストするのを待つようになり、ここで我慢比べと運試しが始まります。それに加え、数枚入っている特殊カードがいい塩梅で機能して、トップカードの数値が操作されます。この特殊カードにより、バーストしそうなふりをして他プレイヤーを騙し、相手を陥れるブラフの要素が加わります。
アートワークも機能的かつスタイリッシュ。バーストゲーム、ギャンブルゲーム、ブラフゲーム、そしてパーティゲームとなっている非常に満足度の高いゲームだと思います。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
やすやすのレビュー
まだはもうなり、もうはまだなり。
このメーカー、他にもKARIBA、KINOKO、KAWAiiを制作してる会社なので、きっと日本語に造詣が深いのだと思います。そんなHELVETiQがプロデュースするこのMADA(マダ)ですが…。ゲーム内で「ワオキツネザル」が登場するため、ゲーム名は当然マダガスカル島のことを意味するとは思いますが、偶然なのか意図したものなのか、説明のために日本語の「まだ」を借用すると、非常によくゲーム性を表すことができるのです。
マダは、他のプレーヤーが脱落するのを、少しの戦略と多大な運を駆使して我慢するゲームです。基本的にはカードの引き運が勝利へのカギなのですが、そこに少量のスパイスが加えられており、(それすら運ですが)うまく機能すればちょっとした駆け引きが楽しめる仕組みになっています。
本当はマダなのに今にも脱落してしまうかのように見せかけることで他人を焦らせピンチに陥らせたり、もしくは脱落の危機にありながらも表面上はマダマダといった涼しい顔でプレイし続けるという駆け引きを、意図的に・もしくは意図せず行える瞬間が訪れることがあります。
ことがあります、という表現なのは、それが計画的にできるというものでもないからです。そしてそのブラフ風の行為が計画的であれそうでなかれ、やられた相手にも特に対処方はありません。つまり平たく言うと、やる方もやられる方も「どーしよーもねーじゃん」というシーンが頻発するゲームです。
しかしこのことは、一転してファミリーゲームとしては非常によく働いています。ゲーム終了条件を満たすまで何度も繰り返しラウンドをプレイするため、その中でほとんどの場合、自然と「見せ場」が訪れます。カード構成が見せ場を誘発するようになっているし、駆け引きが発生するスペシャルカードについても同様のため、参加者それぞれがゲームに主体的に参加する(させられる)瞬間が到来し、ゲームの盛り上がりに寄与することになるのです。
ラウンド終了時の手札処理を間違えないようにしてくださいね〜。
シンプルルールで誰にも分かりやすく短時間で終わり、勝っても負けても後に引かない気持ちの良いゲームになっています。家族や友だちのちょっとした時間に遊べる、よくできた小箱ですね。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (8.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |