活版印刷をテーマにしたコンポーネント最強なアクションプロットと目的達成型のゲーム(ヒゲ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
コンポーネントが取り上げられがちですが、システムはどうかという話をしてみます。
ポーランドのゲームってあんまりプレイしてないから、知見を広げたいところ。
各アクションの強度を操作して、注文を履行していくゲーム。活字タイルがすごい!!
アートワークやコンポーネントが最高!
丁寧に作られたクラシカルな感じのするゲーム。
ポーランドのゲームは独特の雰囲気があってとても良いです。
ヒゲおすすめ度: | (6 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6 / 10) |
あんおすすめ度: | (6 / 10) |
Average: | (6 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
システム面を知りたい人向けのレビュー。
まずは、このゲームはコンポーネントが素晴らしいという点において既に“買い”ではあります。
ただ、ボードゲームの価値はやはり「ルール」にあると思うので、システム面での感想を述べてみようと思います。
参考までに初プレイ時は4人プレイ。インスト30分弱、プレイ時間90分でした。
インストは若干グダってこの時間なので、きちんとルール読みしていればもうちょい縮むはず…‼
ざっくりいうと「アクションプロット+目的達成」の組み合わせのゲームです。
ラウンドごとに5種類あるアクションに対してポイントを割り振る→1種類のアクションに対して一番多くポイントを割り振ったプレイヤーからアクションを実行するというのがゲームのメインです。
結構大胆なバランス調整になっていて、スタートプレイヤー以降は1ポイントずつ増えます。(2番手は+1、3番手は+2、4番手は+3。スタートプレイヤーは毎ラウンド交代) ルールを読んだ時にはこのバランスは本当に大丈夫かと思いましたが、大丈夫でした。
不勉強なため、他に類似のゲームが思いつきませんでしたが、ポイント制+同時公開アクションプロットというのは独特であると感じます。ただアクションプロット制が割と古いシステムなので、現代的な最先端のゲームというよりは少し古いゲームを遊んでいるようなプレイ感でした。私の好みではあります。
ゲームシステムはかなりしっかりしています。
ルールを読んだ段階では、割と軽いゲームかと思っていましたが、他のプレイヤーの状況を見ながらカードの選択をする必要があったりしてルール読みの段階で予想していたよりも適度なインタラクションがあり、ガッツリ考えてゲームやったなって感じ。
おしゃれな見た目の醤油ラーメンを軽い気持ちで注文したら、職人が丹精込めて打ったコシのある麺でありながら、スープが結構こってり系だったみたいな印象です。(伝わらない例え話)
細かい欠点として、キャラクターの個別能力でめちゃくちゃ強いものがあるので、バランスをシビアに求めると調整不足感はややあります。
あと、かなり盤面を広く使うので、大きめのテーブルが必要なことは書き添えておきます。
まぁ結論としては、やっぱりお勧めです。
ルールの複雑さ: | (6 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (6 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
NEZのレビュー
アクションプロットと言うか、手番順競りに近い感覚。
活版印刷をテーマに注文を達成していくゲームです。いや、もうコンポーネントがスゴいですね。ツォルキンを彷彿とさせる歯車や木製の活字タイルも素晴らしいです(ちゃんと字が鏡文字になってたり芸が細かいです)。
さて、ゲームの目的ですが、規定回数のラウンドを行い、注文を獲得して必要な物を集めて達成していくことになります。
各ラウンドは複数のアクションフェーズに分かれていて、どのアクションをどれくらいの強度で行うのかを、事前に手元でプロットして同時に公開します。このプロットでは、どのアクションを行うのかと言う事の他に、そのアクションを行う手番順を決める意味も持っています。この部分は、個人的には複数の握り競りを同時にやっているような感覚でした。
プロット内容を公開したら、後は順番にアクションを実行していくだけです。もちろん、キューブを多く積んだプレイヤーから実行していきます。
各アクションは上のように注文を履行するのに必要な条件を整えていく事がメインになっています。もちろん、各アクションで獲得できる物は早い者勝ちになるので、毎ラウンド自分が注文を履行するのに何が必要なのか?そして、それを補うためにどこのアクションを早く実行しなければいけないのか?を考えていく事になります。
個人ボードで目を引く歯車は、ラウンドに一度だけいつでも使えるフリーアクションになっています。歯車には最大3つのアクションが描かれており、ラウンドの開始時に120度回すことで、使用できるフリーアクションが変更されます。メインで活躍する物ではないですが、歯車を使ったギミックはちょっと楽しいです。ちなみに真ん中だけ逆回転になるので注意です。
豪華なコンポーネントが特徴の本作ですが、アクションプロットで早取りと言うシンプルな構造なので、比較的遊びやすいように感じました。ただ、早取りならではの盤面が変わったからどうするかなどの悩むポイントはあるので、ダウンタイムが長くなる事もあり得るかなと言う印象です。実際、ゲームに慣れたメンバーで初見のプレイ時間は90分から2時間と言ったところでしたので、もう少しかかる事もあるかもしれません。
また、言語依存はほぼないので、アイコンに慣れれば、スムーズに遊べるのではないかと思います。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
あんのレビュー
活版印刷をテーマとしてシステム・コンポーネント・アートワークがうまく嚙み合った快作
中世ヨーロッパでの活版印刷所の経営をテーマとしたゲームです。
同時ブラインドオークションでの5つのアクションの手番順を競り、その結果を一斉に公開して、アクション毎により多く入札したプレイヤーから手番を行っていきます。5つのアクションは「書籍注文の獲得」「印刷インクの獲得」「特殊技能の獲得」「印刷所の改良」「後援者の獲得」。印刷所の特殊技能を向上させつつ、印刷所の改良を行い、インクや活字ブロックを入手し、書籍注文を達成することで名誉点や報酬を得ます。後援者は最終的に名誉点となります。これらを一定数ラウンドを行い、名誉点を最も獲得したプレイヤーが勝者となります。
手番でのアクションが多層的になっていることがゲームの深み、またアクション選択の悩ましさとなっており、そこがこのゲームの面白さだと思います。
最初の手番順競りにおいて、5つの独立したアクションの手番順を一度に行います。ラウンドを通じての手番順競りではなく、各アクションごとの手番順競りです。
また、各アクションでも多層的なアクション選択を行うことになります。
「書籍注文の獲得」では2枚のカードを組み合わせて1つの注文とします。印刷所の特殊技能は5つあり、その技能獲得のアクションは2種の技術が描かれたカードの獲得により行います。印刷所の改良は歯車の獲得により行われますが、歯車1枚に3つの効果が描かれています。さらに自分の印刷所には最大3つの歯車が組み込まれます。
要素はかなり多いですが、メインボードを含めたレイアウト、アイコンが分かりやすくプレイアビリティが非常に高いです。
コンポーネントも素晴らしいです。木製の活字ブロック!機能的には紙タイルやミニカードでも問題ないですが、このコンポーネントのおかげでゲームへの没入感が高まります。
印刷所に使われる歯車が機能的で1つの歯車を取ることで3つの特殊アクションを選択することになります。見た目的にもギミック的にもゲームの面白さを高めています。
システム的には目新しさや革新性はあまりありませんが、いい意味で少し古い感じのする魅力的なゲーム、丁寧に作られたゲームだと思います。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |