ワーリングウィッチクラフトのデザイナーがトランプゲームをアレンジしたゴーアウト。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
ハイデルベルグが展開する伝統的なアートワークにスポットを当てたシリーズの1つ。見えない場札を如何に改善できるかが肝のゴーアウト。
カード効果を使って、効率よく手札調整していくのが楽しい!そして動物の絵が可愛いです。
いろいろな動物のカード手札にし、それらを上手にやりくりしながら最初に出し切ることを目指すゴーアウト系ゲーム。とにかく絵が素晴らしく、いつまでも見ていたくなるキュートさです。
NEZおすすめ度: | (7.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6.0 / 10) |
Average: | (6.7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
見えない場札を改善しながら、虎視眈々と勝利を狙え
ハイデルベルグゲームズが展開する伝統的なアートワークを取り入れた『Radiant Culture Series』の1つです。このシリーズだと有名なものに『スパイシー』なんかがあります。ちなみに、このゲームではインドがテーマとなっており、アートワークもインド出身の方が担当しています。
このゲームはトランプゲームの『パレス』がベースとなっています。ゲームの骨子は各プレイヤーの手元に伏せられた場札と手札を全て出しきる事です。手番には手札、もしくは手札がなければ場札(もしくは、山札トップをガチャ引きするのもあり)をプレイします。カードのプレイには条件があり、捨て札のトップにあるカードの数字以上のカードでないといけません。そしてこの条件を満たせなければ、捨て札の山を全て手札に加える事になります。で、手番の最後に手札が3枚より少なければ、3枚になるように山札から補充します。
場札は手札が無くならなければプレイできないので、山札が無くなるまでは手札のカードをプレイし続け、山札が尽きたところから上がりに向けて動き出す。そんな展開になります。
ともすれば、前半部分の意義はなんぞや?となるわけですが、このゲームではいくつかの数字に特殊効果があり、それを活用することで場札を確認したり、手札と場札を入れ換えたりができます。これを利用して、場札や手札の把握や調整していくわけです。場札に高い数字のカードを仕込んどきたいですからね。特に腹ペコサルさんは、任意の数字のコピーとして機能する特殊カードで、上手く利用することで特殊な役を発動させる事が可能になります。
ゲーム開始時に場札が見えてないと言うのが良く効いていて、全部の場札を把握出来なかったりした時に、勝負をかけて場札をめくるのが盛り上がります。もちろん、場札の調整に成功してスマートにフィニッシュを迎える事もありますが、大体1回は「そおりゃあ!!」って気合いを入れながら場札をめくってる気がします。
捨て札が手札に来るとなると、収束性が気になるところですが、手札のプレイは同じ数字を複数プレイできますし、カードの特殊効果の中に捨て札を流す効果があったり、捨て札の上から4枚が同じカードになると発生する『ギャング・オブ・フォー』と言う特殊役の効果で捨て札が流れたりするので、手札に来るカードの量は多くなく、ゲームが停滞するようなことはありませんでした。
特殊効果のあるカードゲームですが、効果自体は難しくないので、比較的遊びやすいゲームだと思います。ただ、個人的な感覚ですが連続で遊ぶには1ラウンドが長い印象なので、単発ラウンドで1位を決めるくらいがちょうどいいのではないかと思います。
余談ですが、この『Radiant Culture Series』に属する他のゲームはそれぞれ、スパイシー(韓国)、ブレイズ(ロシア)、アナンシ(アフリカ)、コヨーテ(カナダ)、オッポチャッカ物語(メキシコ)の方がアートワークを担当しているようです。
ルールの複雑さ: | (5 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
かやのレビュー
サクサク遊べるシンプルなカードゲーム!
ハングリーモンキーは自分の手札と場に伏せられているカードを全て出し切れたら勝ちというシンプルなカードゲームです。
カード効果はとまぁまぁ多いですが、カードには数字と動物の絵が描かれていて、それぞれの動物と特殊能力がリンクしているので覚えやすいです。
ものまね上手な猿、一番強い王様ライオン、とんぼ返りできる鳥、まじめで働きもののアリ、力づくで逆らうサイ、カードを覗き込むヘビなどの特殊効果を使って手札を調整していきます。
手番にできることは、基本的に場の中央にあるカードと同数かそれ以上の数字を出すだけです。
手札がなくなると、自分の前に伏せられているカードを使うことになります。NEZさんが言うように、この自分の前に伏せられている見えないカードたちが肝でゲームの終盤までに動物たちの効果を使ってうまく調整したいことろです。
もし手番で出せるカードがなければ、山札のカードをトップから引くことになり、中央にあるカードの数字以上のカードを引けなければ中央のカードは全て手札に来てしまいます。(手札から出せてもトップ引きしても良いです。)
しかし、手番では複数枚のカードを出せるため一発逆転もできる可能性もあるので「手札を減らせば減らすほど良い」というものでもないです。
捨て場に溜まっているカード内容は全て公開情報なので、「どのタイミングで引き取るか」も肝になります。うまく調整できても、欲しいカードが来ずに負けることもありますが、カードゲームの面白いところは「引けるか、どうか」というところもあるので私は楽しく遊べました。機会があれば、是非、遊んでみてくださいね。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
調整して調整して調整して調整し、最後は気持ちよく駆け抜けるんだ!
自分の手札と、表面を知らない状態でゲームが始まる自分の場札の両方を出し切るゴーアウト系のカードゲームです。このゲームの特徴として、前半ラウンドあいだはただ手札と場札をチェックするだけの調整するだけのフェイズであることがあげられるでしょう。そしてこの後半に入るためのフラグを切る方法は、みんなでひたすら調整することです。
つまりそれまでは、どれだけ手札が良かろうと、ひとりで早抜けすることはできません。つまりそれ以降は、どれだけ手札が悪かろうと、他のみんなは怒涛の勢いでゲームを終わらせようとすることでしょう。この何とも言えないもどかしさ・じれったさが、ハングリーモンキーの特徴であり魅力なのかなと思います。
カードに備わった特殊能力を組み合わせ、後半を走り抜けるコンボの構築を目指します。とは言っても開始時に場札のカードは見えないため、まずはそこの調査から。ただし手札の巡りによってはどうしようもないことも多く、運を天に任せて出たとこ勝負になることも多々あります。
ままならなさを楽しむゲーム。ひどい手札を調整し最終的に出し切ったときの気持ち良さは格別です。逆に最高の手札がちょっとしたことで破綻してしまうこともありますね。
動物の絵柄が素敵で、思わずほっこりしてしまいます。一般的なカードゲームよりは少し複雑ですが、子どもから大人までが混ざって楽しめるゲームかなと思います。
カードの効果やゲーム進行が直感的ではないため、初めてのプレイは少し戸惑うかもしれません。遊ぶときは2~3回と繰り返すと、きっとじわじわ面白さが湧き上がってくることでしょう。
ルールの複雑さ: | (5 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6 / 10) |
運の要素: | (7 / 10) |
おすすめ度: | (6 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6 / 10) |