拡大再生産の名作を2人用にアレンジ。二次元に展開される宝石を、どう獲得するのかが悩ましい。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
拡大再生産の名作、『宝石の煌めき』を2人用にアレンジ。宝石の獲得にパズル的な縛りと希少素材を加えてインタラクションをアップ。
二人専用の宝石の煌き、デザインもディズ○ーっぽくなって可愛くなりました。カードを購入するとボーナスがついてきたりして通常盤とはまた違った楽しさがありました。
初心者から熟練者まで、分かりやすいシステムでボードゲーマーを魅了する宝石の煌きが、アートワークの雰囲気を変え2人専用となって登場。
NEZおすすめ度: | (7.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (8.0 / 10) |
Average: | (7.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
『宝石の煌めき』を2人用にアレンジ。ちょいちょい見え隠れするカタラの隠し味。
拡大再生産の名作、宝石の煌めきを2人用にアレンジしたゲームです。宝石を集めてカードを獲得し、そのカードから得られるボーナスを元にさらに価値の高いカードを獲得していく拡大再生産の部分はそのままに、インタラクションやパズル的な要素を追加したような形に仕上がっています。
デザイナーは元ゲームのマーク・アンドレに加えてブルーノ・カタラ。カタラと言えば、世界の七不思議デュエルでも見事なアレンジを見せましたね。
さて、デュエルで変わった所を中心に見ていくと、まず大きく変わったのは宝石の獲得方法です。本家では一度に取れる数の制限はあるものの、自由に取れました。しかしながら、デュエルでは平面に配置された中から、縦横斜めに直線で隣接している宝石を3つまでしか獲得できません。しかも、間が空いてたり、黄金が挟まっていてもダメ。
さらにはカードを獲得して宝石を使うとそれらは袋に戻ってしまいます。宝石の補充は手番に行う事ができますが、それをやると盤面から相手に好きな宝石を取られてしまう巻物を渡さないといけません。
盤面を不味くしておいて、相手に宝石を補充させて、巻物をゲットする。そう言った駆け引きが見えてきます。悪い。
2つ目の異なる点として挙げられるのが新しい宝石チップの真珠です。真珠は価値の高いカードを獲得するのに必要になる事が多いのですが、これまた悪いことに全体で2つしかない。すなわち、必然的に真珠の取り合いが発生します。真珠が盤面にないなと思ったら対戦相手が全部確保してるとか言う場面も結構遭遇します。
3つ目の異なる点は、カードの中に獲得時に特殊な効果を生むものがある事です。特殊効果は「連続手番」や「相手の宝石を1つ奪う」など結構強烈です。やはり、悪い。
また、勝利条件も変更されており、3つのうち、どれか1つ達成できれば勝ちとなっています。
複数の勝利条件のどれか達成できていれば良いと言うのは、世界の七不思議:デュエルでもあった変更点ですね。1つの勝ち筋だけにはならないので、「こっちの条件がダメなら、こっちで勝負。」などゲームを進めながら路線変更できるのは面白いです。ただ、全体的に達成条件のハードルが高くなっている印象で、本家よりもプレイ時間が長く感じました。
使用すると盤面から宝石を貰える巻物や希少素材の真珠などを追加したことで、全体的にインタラクションが強まった形にアレンジされたゲームだと思いました。ただ、2人用と考えれば、このくらいバチバチやりあうのが面白い気がしますね。是非、宝石の煌めきが好きな方には一度遊んでみてもらいたい作品です。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
かやのレビュー
パールと巻物は限られた資源というのがミソ。宝石の煌きが好きならぜひプレイして。
手番が来たら、宝石を集めて購入していき、より得点の高いカードを購入、勝利条件を相手より早く達成するという元のルールは変わらずですが、2人用に悩ましいルールがいくつか追加されました。
私がプレイしたのはボードゲームカフェのSCREENさんで、キャンペーンでカフェでプレイするとプロモカードがゲットできるので、NEZさんと遊んできました。デュエルは値段も高騰していて、1回しかプレイしてないのでルールは覚えている限りでレビューしていきます!
宝石の煌きと同じ要素
・黄金トークンを取るときは1個だけ獲得でき、同時に購入予定のカードを予約できる
・1度に取れる宝石トークンは3個まで
・所有できる宝石トークンは10個まで
宝石の煌きと違う要素
・パールトークンが2個存在する。
・カードを獲得したときに、ボーナスアイコンがついているカードならボーナスが発生する
・同じ宝石トークンをふたつ取ったり、宝石を盤面に補充すると「巻物」が相手に渡る。
・カードについている「王冠」を集めると王侯カードと呼ばれる得点と特殊能力を持った王侯を呼ぶことができる。
・宝石の獲得はボード上に置かれているもののみで、獲得するには縦横斜めに並んでいることなどの条件などが存在する
・宝石を購入するだけでは宝石は市場にかえらない。自分か相手が「補充」アクションをしないと宝石は戻ってこない。
などです。手番が来たら宝石を市場から取るか、カードを購入していき得点を伸ばしていきます。
下記のいずれかの条件をより早く達成した方が勝ちです。
カードの得点を20点以上獲得する。
同じ色の得点を10点以上獲得する。
王冠マークを10個以上獲得する。
ポイントは、いくつかありますが予約して、効率よく得点の高いカードを少ないターンで行っていくというのは「宝石の煌き」と同様です。巻物を使うと手番でできることの追加で市場から宝石を1つ取れたりするので強いです。
特殊能力付きのカードと、巻物のやりとり、王侯の先取り要素が面白く資源もそこまでカツカツではないので何度も遊びたくなるような素敵なゲームだと思いました。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
宝石は永遠の輝き!
元となる「宝石の煌き」についての説明は割愛し、デュエルについて書いてみたいと思います。なので今回は、「宝石の煌き」を遊んだことがある人への内容になりますね。
2人専用で遊ぶための大きな変更点として、点数獲得のためのリソースである宝石を取得する方法が刷新されました。得られる宝石の山が枯れたときに、補充時に袋引きが行われるようになりましたね。運要素がグンと増し、ランダマイザの役割を果たすようになります。そして獲得できる宝石にも条件が与えられ、パズル様になって選択肢が絞られるようになりました。つまり2人用とするにあたり、宝石の獲得を難しくしたわけですね。
他に、特権と呼ばれる特殊能力やカード獲得時の即時能力、終了条件の追加、新宝石の真珠なども組み込まれましたが、それらはどれもちょっとしたゲーム性の変化程度かなと思いました。それよりも、前述の新しい宝石取得方法の発明が素晴らしいです。拡大再生産・洗面器といった根幹にさらなる深みを持たせ、水平・垂直戦略に大きな変化を与えたように思います。
宝石の煌きでは「カードのめくり」にのみ運要素がありましたが、デュエルでは宝石の袋引きに運要素が増えました。ただしこちらはコントロールできる余地が大きく、おそらくゲームが上達すればするほど魅力的に感じる部分になるんじゃないかと思います。
運と実力のバランスが非常に上手くとられていて、2人用のゲームとしては手放しでオススメできる傑作になっていると感じます。
ルールの複雑さ: | (6 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (8 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8 / 10) |