ファザネリー / Fasanerie

レビュー記事
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デザイナー: Friedemann Friese
アートワーク: Harald Lieske
出版社2F-Spiele(cited from),Rio Grande Games ,SUNNY BIRD
参照 BoardGame Geek

2022年フリーゼの新作! 2人用でカードを取り合う軽いゲーム! ※2箱は買うことをお勧めします。(ヒゲ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

ヒゲ
ヒゲ

今回も翻訳を担当させていただきました。
フェアなレビューではないかもしれないけど、プレイ人数とプレイ感の参考になれば!

NEZ
NEZ

単独最後尾のプレイヤーがそこまでのカードを獲得する軽めのタイムトラック形式のゲーム。どうして、4人用で出さなかったの…?

あん
あん

シンプルだがドラマの生まれるカードゲーム。ただし、それは3人以上で遊んだ場合です。※このゲームは2人用です。

ヒゲおすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
NEZおすすめ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
あんおすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
Average:5.7 out of 10 stars (5.7 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

ヒゲのレビュー

2022年フリーゼ新作の軽い方。果たしてベスト人数は何人なのかについて考える。

フリーゼを讃えよ

今回もサニーバードから出版のフリーゼ新作『ファザネリー』です。
翻訳を担当させていただきました。
なのであまり私のレビューはフェアではないかもしれません。
ちょっとした翻訳の苦労話もありますが…またアドベントカレンダーあたりで…

みなさん気になっているのはベスト人数だと思うので、まずはそこから。
バランスがいいと感じたのは3,4人かなと思います。
人数が少ない方が読み合いというか要らないカードの押し付け合いの要素が強い。
人数が多い方がめくられるカードによって状況がドッタンバッタン変わるのでパーティーゲーム寄りになるかな、と思います。
人数が多くなるとイメージ的には小学生のサッカーみたいな感じ。
チャンスボールにはみんながワラワラと群がっていく、そんな楽しさがあります。

たくさん集めるといいカードを仲良く1枚ずつ分け合う図。


5、6人だとカードの押し付け合いの幅は広い気もしますが、慣れたゲーマー同士だと「お仕事」とか「これしかないだろ感」が多くなる印象です。
5,6人プレイはそのお仕事感を楽しめるかどうかがポイントだと思います。
ちなみに、きちんと盤面が読めるゲーマーメンツで軽口叩きながらやるには最高でした。
(そういう意味でメンツは選ぶかもしれません。)


「ま、様子見で乗っかりますわ~」
「誰か先に進んでカードめくれよ~」

盤面が読めるメンバーだから成り立つ会話ですよね。

あと、ライトなゲーマーの方も楽しんでいてその場で購入していたので出せるシーンは多いように思います。

ルール説明も非常に簡単なので、合間に遊ぶフィラーとして優秀だと感じました。
フリーゼらしさでいうとむしろアクがなくて遊びやすい部類になると思うので、刺激を求めるプレイヤーには向いてないかもしれないかな? テンポよくサクサク遊んでみてください!

こんな人におすすめ

人数の幅が広い軽いゲームをお探しの方。
あるいは、野鳥の会の方。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
運の要素:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
おすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)

NEZのレビュー

最後尾のプレイヤーがカードを獲得するシンプルなタイムトラック。進める先が限られているのが悩ましい(4人だと)。

様々なキジを集めていく軽めのカードゲームです。ちょっと変わっているのは1箱で2人用、2箱買うと4人まで。そして、3箱買うと6人まで遊ぶことができるところです。

ゲームシステムとしてはタイムトラックです。つまりは、最後尾にいるプレイヤーが常に手番になるシステムです。手番プレイヤーはダイスを使わないすごろく形式で好きなだけコマを進める事ができます。

そして、手番開始時に単独で最後尾だった場合は、そのコマが置かれている場所までのカードを全て獲得します。カードの中にマイナスになるものがあるので、単純にカードを何でも獲得すればいいと言うものではありません。

マイナス点が連続しているので、出来ればコマを進めたくない…

マイナス点が並んでいる場合、その分プラスになるカードを獲得してマイナスを帳消しにしたいわけですが、このゲームでは先頭のコマから5マス分のカードしか公開されません。これが非常に悩ましく、マイナス点を帳消ししようにも見えてるカードも美味しくないと言う状況が発生します。

こうなるとせめてマイナス点が小さくなるようにコマを進めるか、もしくは他のプレイヤーのコマの上に乗って、いったんお茶を濁す事になります(単独にならなければ、カードを獲得しなくていいですからね)。この辺の駆け引きが一番面白いポイントではないかなと感じました。

ただ、2人ゲームになると、相手の上に乗っても次の手番がまた自分自身になってしまうので、この駆け引きが薄くなってしまいます。そう言った意味では、このゲームの真骨頂は3人以上ではないかなと思っています。

コマを進めてカードを獲得するだけなので非常にプレイしやすく、それなりに悩みどころもあるので、遊びやすいゲームだと思います。ただ、遊ぶなら3~4人くらいがベストなのではないかと感じました。

こんな人におすすめ

軽めのタイムトラックをお探しの人、2人はあまりオススメしないかな?

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
自分は好きですけ度:5 out of 10 stars (5.0 / 10)

あんのレビュー

手番では自分のコマを好きなだけ前に進めるだけの簡単なゲーム…だが、一筋縄ではいかない!

非常にシンプルなシステムですが、最近のフリーゼらしい手堅い作りのゲームです。

ゲームは、山札からカードを5枚並べるところから始まります。そのカードをマスに見立て、最後尾にいるプレイヤーから一方通行で好きなだけ自分のコマを進めます。戻ることはできません。一番進んでいるコマの先のカードが5枚未満になったら、5枚になるように山札からカードを並べていきます。手番の最初に、自分のコマが最後尾になっていたら自分のいるマスから後方のカードをすべて取ります。カードにはプラスの得点のものもあればマイナスのものもあります。山札が尽きて全員がゲームから抜けたら終了。集めたカードの合計点数を競います。

ルールを聞いただけではひねりがないように思えますが、ゲームを進めると強烈な読みあいがあることに気づかされます。

欲しくないカードをとらないにはどうすればいいのか、どうやったら他のプレイヤーにマイナスのカードを押し付けることができるか、自分の利益になるカードだけを取るにはどうすればいいのか。自分のコマを何マス進めるかを決めるだけなのにプレイヤー同士の思惑があふれ出します。

どちらかというと理詰めのゲームなのですが、カード列の先が見えない、また、他のプレイヤーの思惑が重なり合うことで、思いがけない展開となりドラマが生まれます。ゲームのゆらぎや軽やかさが多人数プレイで遺憾なく発揮されます。

ところで、ここまで絶賛しておいて何ですが、このゲームは2人用ゲームです。そして2人プレイはお勧めしません。なに言ってるかわからないですね。

理由は、手番の最適解がほぼ見えてしまい、ゆらぎのない状態でゲームが進んでいってしまうからです。ドラマが、そこにはありません。ゲーム本来のポテンシャルの数パーセントしか楽しめないでしょう。

そもそも、フリーゼはなぜこのゲームを2人用として出版したのでしょう?もともと多人数ゲームとしてデザインしていたが、2人用ルールを無理やり入れさせられる最近の風潮を風刺してわざわざ2人用ゲームとして出版したのかな?いろいろ考えますがよくわかりません。

いずれにしても最大3個を組み合わせれば、2人から6人まで遊べる素晴らしいカードゲームになります。最低2個は購入してプレイすることを強くお勧めします。

こんな人におすすめ

シンプルかつ良質なカードゲームを探している方。もしくはサニーバードのゲームセレクトに魅力を感じている方。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
おすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
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