ペッパー / Pepper

レビュー記事
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デザイナー: Michael Kiesling, Wolfgang Kramer
アートワーク: Götz Wiedenroth
出版社F.X.Schmid, TendaysGames(cited from)
参照 BoardGame Geek

ペッパーカードを押し付けあうマストフォローのトリックテイキング。タイミング良く、ペッパーを擦り付けろ!(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

ヒゲ
ヒゲ

“負けることを目指す”トリックテイキング入門として非常に優秀。
多人数に対応しているのもいいね。

NEZ
NEZ

カウンティングが重要なトリックテイキング。あるよね?まだ、あるよね?なかったー!!!ってなるのが面白い!

開拓者
開拓者

ゲーム後半にダイナミックに動く点数が盛り上がる!大勢でワイワイ遊べるトリテです。

ヒゲおすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
開拓者おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
Average:6.7 out of 10 stars (6.7 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

ヒゲのレビュー

“負け方”を学ぶトリックテイキングの入門

かつて毎週平日に主催していたボードゲーム会が「平日トリテ会」と呼ばれていたくらいにはトリテ好きな私。
今回のペッパーはトリックテイキング入門的作品としてかなりいいと思います。

デザイナーはクラマー&キースリング。名コンビ。
プレイ時間はフルゲームやるとそこそこかかるかな?1ディール10分かからないくらい。
ベスト人数は…まぁ4人以上ならOK
最大9人まで遊べるのはゲーム会主催される方にとっては便利。

ルール自体は非常にシンプルで、マストフォロー切り札なし、ビッドもしないトリックテイキング。

非常にルールがシンプルな中で、一番の特徴といえば“負ける方がよい”トリックテイキングということかなと思います。(得点のシステムについては他のレビュアーに投げっぱなしジャーマン)

あまりボードゲームに触れたことがない人がこのゲームのルールで一番驚くポイントがここじゃないかな?
日本で一般的に普及しているトランプゲームは“勝つ方がよい”ものが多いから、どうやって負けるかを考えることはそれほど馴染みがないのではないでしょうか。

トリックテイキング好きの方には当たり前のことを言いますが、ペッパーを一度プレイすればスート(トランプでいうところのマークや色)をなくしていく重要性、およびカウンティングの重要性がすぐに伝わると思います。

各プレイヤーのスートが枯れてきたタイミングののリードできちんとカウンティングと手札管理ができていれば、マイナス点になる1のカードをうまく押し付けることができるかもしれませんからね。

みなまでいうとこれからペッパーを、そしてトリックテイキングを遊んでいきたい方の学びの楽しみを奪ってしまうかもしれないので、この辺で……

最後に、版による違いの写真でもあげておきます。日本語版はもう1種類出ているけど持ってないので…箱が大きいんじゃなかったかしら?

シュミット版と現在流通しているテンデイズの日本語版。日本語版がコンパクトでいい。

各スートの「1」の比較。元版だと例えば紫と茶色、赤あたりが区別しにくい。

数字も比較。特に細いフォントの数字で色が分かりづらいのが元版。日本語版はマークを足しているところもよい。 願わくば数字の下にもつけて欲しかった。

買うなら日本語版の新しいやつが一番いいよ。

こんな人におすすめ

大人数でもできる入門的トリックテイキングをお探しの方。
あるいは、ウィルバー・スコヴィルの末裔の方。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)

NEZのレビュー

-91点取った人が書くペッパーのレビュー。

マストフォロー切り札無しのトリックテイキングです。ゲームの目的は規定ラウンドトリックテイキングを行って、マイナス点が最も少ないプレイヤーが勝利します。

基本的にはトリックを取りたくないトリックテイキングとなっており、毎ラウンド、如何にしてマイナス点を小さくしていくかを考える事になります。どのようにマイナス点を獲得していくのかと言うと、各色のカードの中で「1」のカードは特殊なペッパーカードとなっており、それを最後まで持っていたプレイヤーはペッパーカードで-2点、さらに獲得したトリックと手札の中で同じ色のカードがあれば、それらは全て1枚-1点となります。裏を返せば、手元に「1」がなければ0点なわけです。

となると、「1」のカードを如何にして相手に擦り付けるかになるわけですが、ここで面白いのは「1」は手札として使用できるが手札ではなく、常に公開の場札として、持っているプレイヤーの手元に置かれているところです。誰が持っているかが丸わかりなわけですね。さらにこの部分には妙があり、ラウンドの終了は「誰かの手札が無くなったら」なのですが、「1」は手札じゃないので、ゲームを続けるとだんだんとプレイヤーの手札に差が出てきて、「まだ手札があるから、ペッパーカードは誰かに擦り付けられるだろう。」と考えていると、実は他のプレイヤーがラスト1枚になっているとかあり得るわけです。

「1」を擦り付けるタイミングを考えるのが非常に面白く、マストフォローなので、先に「1」を擦り付けても、自分に返ってくる可能性があるし、遅ければその色のカードが「1」しかなくなって、絶対に手元に戻ってくる事になります(切り札がないので、絶対に勝っちゃいます)。しかもそういう時に限って他のプレイヤーは「ないでーす。」とか言いながら他の「1」を出してくるんですよね。

悪い。

このゲームではカウンティングが非常に重要で、あと何が何枚残っているのかが分かった方がよいと思います。ただ、そこまで考えなくても「あるよね?まだ、あるよね??なかったー!!!」ってなるのが、非常に盛り上がります。

単純なマストフォローのトリテなので、ルール説明もそんなに難しくなく、トリックテイキングを遊んでみたい方にもいいのではないでしょうか。人数の幅も広いため、みんなでワイワイ遊んだり、色々と重宝しそうなゲームです。

ちなみにワタクシ、-91点を叩き出しました。。。

こんな人におすすめ

全てのトリックテイキング遊びたい人

ルールの複雑さ:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)

開拓者のレビュー

来るなよ?来るなよ?来るなって言ったじゃーーーん!!!

マストフォロー、切り札なしのシンプルなトリテ。しかし「1」の特殊カードぺッパーくんがピリリと効いてる楽しいトリテです。

このゲームではトリックをとってもなんの得点にもなりません。失点にもなりません。ただし、ゲーム終了時に各色の「1」のカード(ペッパー)を持っている場合、ペッパー1枚につきマイナス2点、持っているペッパーカードと同じ色のカード1枚に付きマイナス1点になります。

これだとペッパー4枚でマイナス8点、持ってるペッパーと同じ色のカードが12枚あるのでマイナス12点、合わせてマイナス20点になります(つらい)。

このゲームの面白いところは、「どれだけトリックとってもペッパーさえ取らなければマイナス点にはならない」というところです。必然的にいかにペッパーを押し付けるかがキモとなってきます。きっちりカウンティングして0点を目指すのもよし、ゆるっと遊んでペッパーの大移動を楽しむもよしの懐の深いゲームです。

比較的シンプルなルールで、9人まで遊べて、得点の上下が激しくて盛り上がるので、大勢で遊ぶときにおすすめのゲームです。

こんな人におすすめ

ボドゲ会主催者
派手なゲームが好きな人
トリテ初心者さん

ルールの複雑さ:3 out of 10 stars (3 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:7 out of 10 stars (7 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
自分は好きですけ度:7 out of 10 stars (7 / 10)

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