動物の隊列を作って鬼火から森を守れ!デッキ構築&チキンレースの組み合わせでシンプルな中量級。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
デッキからのドローで各アクションの強度を上げていくプレス・ユア・ラック。バーストするとアクション数が減るけど、実はアクション数を減らしてでも、強度の方を優先した方がいい時もあるのがニクい。
精霊の力を使って、森を守ろうってテーマも面白くて好きです。突風、太陽、種、水、花の力を上手にコントロールできるかがポイント!
人気の料理を多く取り入れつつもそのすべてを軽くあっさりした味付けに仕上げた、誰にでも楽しめるランチコースメニューであるかのような雰囲気を感じました。多様なシステムを、万人向けへと素晴らしく上手にまとめ上げてあります。
NEZおすすめ度: | (7.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (8.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (7.0 / 10) |
Average: | (7.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
バーストしてもいいじゃない。手番最後だもの。
森に襲いかかる鬼火を精霊になって追い払いましょうと言うファンタジーなテーマのゲームです。まず、コンポーネントが良いですね。カードイラストや精霊のデザインもゲームの雰囲気にマッチしています。(ただ、精霊コマを支えるパーツがゆるゆるなのは気になりましたが)。
ゲームはデッキ構築&チキンレースがメインのゲームです。
各プレイヤーは個人デッキを持っており、そのデッキから毎ラウンド動物カードを好きなだけ引いていきます。カードの中には、バーストのアイコンを持ったカードがあり、それを規定数以上山札からドローするとバーストになって、手番に行えるアクション数が少なくなってしまうという仕組みです。
基本的にアクションは「動物カードの獲得」「鬼火の消火」「植樹」「精霊の移動」の4種類でカードをドローする事で各アクションが強化されていきます(カードによっては特定のアクションを弱体化しする事もあります)。言うなれば、各アクションを行うためのお金が増えていくようなイメージです。アクション自体も複雑なものはなく、動物カードによって得たポイントを元に買い物をしていくイメージが近いです。
唯一、精霊の移動アクションは相手から勝利条件の一部を奪うと言うダイレクトなインタラクションになっています。相手から何かを奪うとなると、ゲームの収束性が気になるところですが、勝利条件に関わる補助的なトークンを奪うだけなので、最後の追い込みに奪ったりするくらいで、それほど収束性には関係しませんでした。
勝利条件は「鬼火を12個集める」「木を12本植える」「動物カードをドローして『花』アイコンを12個分並べる」の3種類のどれかを達成する事で、鬼火と植樹は全てのプレイヤーに進捗具合が分かるようになっています。当然、そうなるとプレイヤー間での妨害が出てくるわけですね。
鬼火、動物カード、植樹用の木などは早い物勝ちなので、手番順が大きく影響するのですが、戦略として、「今回は手番が遅いから、鬼火とかは残らないだろう。どうせ、出来る事が少なそうだからアクション数を減らしても、アクション自体の強度を上げておこう。」と割り切る事ができるのは面白いなと感じました(しかも、バーストアイコンが付いてるカードは強力なものが多いんです)。
似たようなゲームにクアックザルバーなどがありますが、リビングフォレストはアクション自体は買い物に近く、動物カードも特殊効果があるわけではなくアクションを強化するポイントが書いてあるだけなので、非常に遊びやすいと感じました。
しかしながら、各種トークンなどの早取りや、精霊の移動による直接攻撃などプレイヤー間でのインタラクションもあって、終わった後はしっかりとゲームを遊んだなと言う感覚があります。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
かやのレビュー
デッキ構築しながら個人ボードを強化して勝利条件を達成しよう!適度に他プレイヤーとの干渉もあって楽しいです。
もうすぐ日本語版が発売されるリビングフォレスト、英語版を遊ばせてもらいました。
ルールもシンプルで、勝利条件もいくつかあるところがとても面白くて何回も遊びたくなります。
森の生き物たちが描かれたカードの絵もとても綺麗です。黒いカードは3枚出すとバーストしてしまいますが、バーストアニマルの絵に描かれた能力は高くて強力です。
またバーストカードを無かったことにできるフラグメントタイルというものもあり、フラグメントタイルを使って引きたいカードが出るまでドローしてみたりと楽しいです。
私は突風アクションが面白いのでずっと突風アクションで回り続けているうちにゲームが終わりました。
太陽のアクションでカードを購入すると、鬼火が次のラウンドに発生するところも悩ましいです。
デッキは強くしたいけど、デッキを強くすると鬼火が発生するし、発生させた鬼火は消火しないと大変なことになるし、消火されることで他プレイヤーに勝利条件である鬼火を持っていかれちゃうし・・とどのアクションも悩ましいです。
中量級で、絵も綺麗で〜というゲームを探している人は多いのでは?と思います。
デッキ構築はじめてでもドローしていく面白さが伝わるのではと思いました。日本語版が出るのが今から楽しみです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
異種格闘技戦のようなテイスト、楽しみませんか?
プレーヤーごとの非対称能力によるゲームシステム、というのがボードゲームでは散見されます。それぞれできることが違う、という奴ですね。それほど一般的ではなく、たまに重量級ゲームなどに採用され話題になるという程度でしょうか。この非対称能力というのは映画やマンガをはじめ枚挙にいとまがなく、異能力同士の闘いなんて絶対的に面白いということが実証されているように思うのです。
しかしそれをアナログゲームに落とし込むとなると、その強弱のバランス調整やプレーヤー間でのルール把握が難しいようで、あまり広がっていないのが現状なのかな、とさみしく思っていました、仕方ない…。
と、そんなぼくの前に登場したのがリビングフォレストです。このゲームは、正確には非対称能力での闘いというわけではありません。しかしぼくは、どこかにそのテイストを感じてしまったのです。全プレーヤーが同じアクションを行えるし同じ勝利条件を達成できるため、システム上では異能力対決とはなっていないもかかわらず、です。
では、いったい何がぼくに「非対称」を感じさせたのでしょう。それは、以下に記す勝利条件とその達成方法の組み合わせによるものでした。
これら3つのうちから1つの勝利条件を目指し、デッキ構築・タイル配置・チキンレース・双六というメカニクスを利用していくのですが、早い段階でどの勝利を狙うかの方向性を決める必要があるゲームなのです。つまり利用するメカニクスがそれぞれで片寄るので、プレーヤーごとに違うゲームをしているような雰囲気が漂います。リビングフォレストの基本的な部分は、デッキ構築であるといえます。ただし組み上げたそのデッキを使ってやりたいことが大きく異なってくる、というわけです。
ゲームは中量級のど真ん中と言ってもいいでしょう。ルール量は一見すると多そうに感じますが、実際は既存のゲームで使われているシステムが大半です。ボードゲームをある程度の種類で遊んだことがある方なら、難しい部分はないでしょう。ゲーム時間の長さも、きっとあなたが思っているより短いはずです。ライバルたちは、あなたの知らないうちに勝利へと手をかけているでしょう。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |