サニーバード名作小箱シリーズNo3! 世界一面白い坊主めくり登場!(ヒゲ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
カードをめくる!ルールに従って置く!以上!
かなりシンプルなゲームだけど、なかなかどうして悩ましい…
めくり運に翻弄されながら、大金持ちになろう!
カード引いて配置するだけのハイパーシンプルゲーム。儲かりそうな列に賭けたいけど、賭けるタイミングすら引き運次第と言う悩ましさ。
名門Hans im Glukから出版されたクニツィア最初期のゲーム。シンプルなルールに優れたジレンマ。これぞユーロゲーム!
ヒゲおすすめ度: | (7.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
あんおすすめ度: | (7.0 / 10) |
Average: | (6.7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
名作小箱シリーズ第3作目!フリーゼ、ウォレス、からのついにクニツィア!
まずは…サニーバード名作小箱シリーズ第3作目発売決定!やったぜ!
他のレビュアーがルール説明してると思うけど、簡単にルール説明すると…
山札からカード引く!ルールに従って出す!以上!
…という超シンプルなルールです。
6つの鉱山があり、その鉱山に置かれた金貨(リメイクのGold Diggerでは金塊)を山分けします。
山札のカードにはキャラクターカードと金貨カード(うち半数は得点にならないニセ金貨カード)があります。
キャラクターカードを置くときに、自分の所有権を表すチップを置くことで山分けの権利が発生します。
先ほどもちらっと書きましたが、Gold Diggerというタイトルでリメイクされています。
大きな違いとしてはこちらは手札3枚を持つことと金塊カードの内訳がちょっとだけ違います。
BGGではひとまとめにされていますが、実はちょっとカード構成が違ったりします。
初版にあたる『Goldrausch』の発売はなんと1990年!
2023年にリメイクと考えるとなんと33年も前のゲームになりますね。
それでもクニツィア先生お得意のシンプルながらも悩ましさを含んだ素晴らしいカードゲームだと思います。カード1枚置くだけなのにね。
2023年現在の感覚でみると、味がありながらもやや時代を感じさせるテイストのアートワークになっています。リメイクにあたって変更になると思います!
私、サニーバード名作小箱シリーズの翻訳やルール構成を担当させていただいております。
今回も分かりやすいルールのために頑張ります!
ルールの複雑さ: | (2.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (8.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
NEZのレビュー
早く賭ければ邪魔される。後にまわせば機会を失う。山札の女神は誰に微笑む?
ゴールドラッシュのアメリカを舞台に金貨をたくさん稼いでお金持ちになることを目指すゲームです。
手札はなく、手番がくると山札からカードを引いて、場のどこかに置いて、お金が儲かりそうな所にベットすると言う流れでゲームは進んでいきます。そして、全てのカードが配置されるとラウンドが終了して金貨の山分けとなります。
カードには金貨(もしくは偽金)と人物の2種類があります。自分の手番に金貨を引いた場合は、既に人物が置かれた列のどこかに配置し、人物カードを引いた場合は、その人物カードに描かれた記号の列にその人物を配置します。ここで、人物を引いた場合のみ、その列に自分のチップを置くことが可能です。
このチップはその列に最終的に置かれた金貨を山分けする権利になります。要はラウンド終了時に、列に置かれた金貨の枚数をチップの数で割った額がそのプレイヤーの勝利点となるわけですね。
山札からカードを引いて場に出すだけなのですが、人物カードがとても嫌らしいです。人物カードは各列5枚までしかないため、そもそも各列に対してベットできるのは5回しかありません。だからと言って金貨があまりない列に早めにベットしても、各列に置ける金貨カードの数は決まっているので、他のプレイヤーに偽金を置かれてしまうかもしれません(逆に相乗りしてくるかもしれませんが)し、様子を見てもその人物カードをもう一度引ける保証はありません。
これはもう運次第の何者でもないのですが、中盤辺りからチップを置くのか置かないのかの2択が強烈に襲いかかってきます。チップの数が各プレイヤー3枚ずつしかないのも、この2択を悩ます要因です。
シンプルなルールの坊主めくりゲームなのですが、チップをいつどこに置くのかがとても楽しいゲームです。プレイ時間も短めなので、サクッとジレンマに苛まれたい時に取り出したい感じです。
ルールの複雑さ: | (3 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (8 / 10) |
おすすめ度: | (6 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6 / 10) |
あんのレビュー
「長大なルール、豪華な仕組みや用具など必要ではありません。必要なのはゲーム中に実行する内容、そして興奮をもたらす選択です。」 R.Knizia
プレイヤー全員がゲームの場を作り上げていくこと、それがクニツィアのデザインするゲームの本質だと思っています。ゴールドラッシュはまさにその部分に焦点をあてた作品です。本作は初期作品ということもあり、その純度が高いと感じています。
このゲームを入手した当時、私に今ほどのクニツィア熱は無く、あまり情報の無い中で古い作品、 クニツィアの最初期作品という程度の情報で購入しました。 実際にプレイしてみると、 コンポーネントの簡素さとルールの少なさに反比例する面白さ。 山札からカードを1枚引いてプレイするだけ。カードを出し切ったら終了。これだけのルールなのに、 戦略、 運、そして笑い。感情を揺さぶるゲー ムだと心底感心したものです。そこからクニツィアのデザインするゲームに興味がわき、かなりの作品を遊ぶようになりました。
このような古く埋もれてしまった作品の日本語版が出版されることは本当に喜ばしいことです。
なお、ルールを一部変更しながら「ゴールドディガー」と「ワピ」といった姉妹作が出版されています。
ゴールドディガー(2002) :ゴールドラッシュでは手札はなく山札からめくったカードを配置していくというルールでしたが、ゴールドディガーでは手札3枚を持ちカード1枚を配置、その後、手札を補充と変更されています。
ワピ (2003):ゴールドラッシュではベットの機会を生み出すキャラクターカードが各5枚ありましたが、ワピではキャラクターカードにあたる像のタイルが4枚になっています。 また、ゴールドラッシュではすべてのカードが配置されることが終了条件でしたが、ワピではゴールドカードがすべて出されたときに終了すると変更されています。つまり像のタイルがすべて配置されないことがあり、実質ベットの機会が減らされています。
ゴールドラッシュは採掘権のベットを主軸とした運試しのゲームですが、ゴールドディガーでは、手札を持つことで運の要素が減り、カードのめくり運に翻弄される楽しさが失われてしまっています。また、ワピではベット回数が減るとともにベットの公平性が失われ、やはりゲームの楽しさをスポイルしてしまっています。後発のバリアントといえる姉妹作を経験することで、逆説的にオリジナルのルールがいかに優れているかがわかることでしょう。
プレイ可能人数は2人から5人となっていますが、クニツィアの「ダイストランプゲーム集」に掲載されているトランプ版ゴールドラッシュの2人用ルールを用いることで、より切れ味のある2人プレイが楽しめます。プレイ感はライトなロストシティといったところでしょうか。こちらも是非試して欲しいと思います。
ルールの複雑さ: | (2 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6 / 10) |
運の要素: | (7 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8 / 10) |