その猫の色は何色だ?プレイ時に色を決める変わり種でありながら、遊びやすいトリックテイキング。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
近年の国産トリックテイキングゲームで発想が頭1つ突き抜けてる作品。
日本のトリックテイキングゲームの未来は明るい。
マストフォローなのに、プレイ時に矛盾がないように色を宣言すると言う変態トリテ。カウンティングが要らないから、実は入門にもいいのでは?
ビットを当てたいんだけど、パラドックスは絶対に回避したいし、ボーナスは稼ぎたいからバランスがむずい。
最初に一枚どのカードを捨てるのかがキーポイント。
ヒゲおすすめ度: | (7.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (7.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (6.0 / 10) |
Average: | (6.7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
スートが描かれていないこと×いつか生じる矛盾=唯一無二のトリックテイキングゲーム
近年の日本のトリックテイキングゲームは非常によくできたものが多いと思います。(偉そう)
例えば、2021年発売の「ヒーフー‼」。
2022年の『敗者の権利』や『アニマナイズ』。
なんというか、ごちゃごちゃしたルールを付けて独自性を出しているというよりは、トリックテイキングゲームというミニマムなシステムの中に切れのあるアイデアを1つ盛り込むというのが日本のトリックテイキングゲームの成功例なのではと感じています。
2020年発売のCat in the Boxもどうように切れのあるルールです。
一般的なトリックテイキングゲームのカードに描かれているスートが描かれていません。
代わりにプレイヤーが一定のルールに従ってスートを宣言するというのがルールのポイント。
そして、矛盾が生じる場合には脱落になるというのが効いています。
Cat in the Boxのルールの良さについては他のレビュアーも書いてくれると思うので、個人的に気に入った点としては「カウンティングが楽」という点です。
どの数字が何枚出ているかは中央にあるチップの配置で分かるようになっているため、暗記に苦労しなくて済み、結果的にこれが戦略的に考える方に脳を使うことができます。我々はゲームを遊びたいのであって、暗記を楽しんでいるわけではないですからね。(カウンティングそのものを否定しているわけではありません)
いわゆる製品版の発売がアナウンスされて、しばらく経ちました。
発売が待ち遠しいですね。
ルールの複雑さ: | (5 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6 / 10) |
運の要素: | (5 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
NEZのレビュー
変態なのに分かりやすい。分かりやすいのに変態。カウンティングをビジュアル化したメリットは大きい。
シュレーディンガーの猫をテーマとした、ビッド有り、切り札あり、マストフォローのトリックテイキングです。トリックテイキングとしては比較的良くあるタイプですね。
さて、テーマとなっている『シュレーディンガーの猫』とは何なのでしょうか?
シュレーディンガーの猫は、1935年にオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが発表した物理学的実在の量子力学的記述が不完全であると説明するために用いた、猫を使った思考実験。シュレーディンガーは、EPR論文を補足する論文の中で、観測されない限り重ね合わせであるとして記述すると巨視系の状態が”状態見分けの原理”(巨視的な観測をすれば区別できる巨視系の諸状態は観測の有無にかかわらず区別できるとする原理)を満たさないことを示す具体例としてこの思考実験を用いた。
Wikipediaより
正直良く分かりませんが、要するに「箱を開けてみないと猫が生きてるか死んでるか分かんないよね。」的な何かだと思います。知らんけど。
このゲームの最大の特徴は、「4色のスートで構成されているのに、カード自体に色がない」と言うことでしょう。そうです。プレイするまで、そのカードが何色かは誰にも分からないのです。
では、どうするのかと言うと、プレイ時にプレイヤーが色を宣言するわけです。ただし、このゲームは各色同じ数字は1枚しかない事になっています。基本はマストフォローなので、リードプレイヤーの出した色と同じ色を宣言するのですが、既にプレイされている数字しかなかったりすると、他の色を宣言する事になります。
それはすなわち「私はリードプレイヤーの出した色を持っていません」と宣言した事になります。この仕掛けが非常に良く効いていて、だんだんとプレイヤーの選択肢を狭くしていく事になり、いずれ矛盾(パラドックス)が生じてしまうわけです。「手元に5が残ってるけど、青以外の5はプレイ済み、私は青は持ってない事になってる!!じゃあ、この5は何なんだ!?」みたいなことですね。こうなってしまうと、そのラウンドは得点が貰えません。つらい。
もちろん、事前に獲得トリック数をビッドしているので、戦略的に切り札スートを宣言していく事もあるのですが、そこからはパラドックスにならないか、ハラハラします(そして、誰か先にパラドックスになれ!!と願うようになります)。
もう1つ特筆しておきたいのが、このゲームでは、どの色のどの数字をプレイしたかをプロットしていくのですが、これが状況を分かりやすくする効果があると感じました。トリックテイキングでは、何のカードがプレイされたのかを把握しておく事が大事だったりするのですが、このゲームではプロットされているので、すぐに分かります。
なかなかトリテに慣れてないと、こういったカウンティングまではなかなか考えが及ばない事もあるため、プレイしやすいのではないかなと思います。
色を自分で宣言すると言う部分が、『変態』トリテに属すると思っていますが比較的遊びやすく、トリテに興味が出てきたプレイヤーのステップアップなんかにはいいのではないかと思います。パラドックスが起こらないように、上手くカードを出していくハラハラ感など盛り上がるポイントもしっかりあるところがとても好みです。
ただ、ちょっと細かいコンポーネントが多いので失くさないように気をつけてくださいね。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
かやのレビュー
パラドックスがいつ、どのタイミングで起きるかドキドキハラハラしながらビットしよう。
Cat in the BOXは、切り札カードありのマストフォローというシンプルなカード構成のゲームです。
色は4色で1〜9までしか存在しないはず、もしラウンド中に矛盾するカードしか手札になければパラドックスが発生してしまいラウンドは強制終了します。
スタートプレイヤーを適当な方法で決定した後、各プレイヤーは手札を見て、一枚カードを捨てることができます。
手札を捨てた後、何トリックとるかの宣言をしていきます。(この時、0トリックは宣言できません。)
ポイントとしては、この時手札の色は何色なのかという情報が全くわからないということです。色がわからないけど何回勝てるか宣言(ビット)しないといけません。
カードをプレイするときに色を宣言していき宣言したカードは矛盾がないよう中央のボードにチップを配置していきます。この配置した自分のチップをつなげることも重要です。ビットが当たれば取ったトリック数だけでなく、つなげたチップの数分さらに追加で点数が入るからです。
でも気をつけて、ボーナス点を狙いすぎるとパラドックスを起こして0点になったりビットが当たらずにせっかく稼いだボーナス点がもらえないかもしれません。
トリックテーキング慣れしている人とプレイするとパラドックスが全然起きないこともありますが、あと1トリックでビットしたトリック数になる!というところでパラドックスが発生してしまうなど調整が難しいです。運要素は少なめで、経験値の差が出やすいゲームだと思います。ポイントは先に宣言したトリック数をさっさと取って他プレイヤーがパラドックスを起こすよう手札をコントロール・・・それが難しいのよね?
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (3.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |