魚を集めて理想の水族館を作り出そう!イベントやPRも忘れずに!(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
kickstarterを用いたクラウドファンディングで資金を集めた国産ゲーム。
アートワークだけじゃなくて、システムもしっかりしてる。
魚コマのクオリティにはびっくり!水族館を作るのは箱庭感覚で楽しいね!
うちばこやさんのかわいいボードゲーム。配置のルールなどボードのサマリーがとてもわかりやすい!イラストはウラベロシナンテさん、アートワークは別府さいさんでとってもゴージャス。
ヒゲおすすめ度: | (6.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
Average: | (6.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
kickstarterを活用した国産ゲームの走りとなった作品の1つ。
ボードゲーマーにとってkickstarterと言えば、コンポーネントが豪華な海外ゲームを手に入れるために利用されている方が多いように思います。実際にバック(プロジェクトに投資すること。蹴るとも言う)しなくても、最新のボードゲームの情報収集のためにサイトを見ている方も多いのではないでしょうか。(私も最近は蹴らないながらもそのくらいのチェック度)
まぁ要するに、kickstarterは海外ゲームが主流だということが言いたいわけです。
執筆時の2021年現在、このkickstarterの事情に少し変化が起きたと感じています。それが2作品あり、1つはサニーバードの『ファクトリア』、もう1つは今回のレビュー作品『アクアガーデン』です。
kickstarterがボードゲームの出版と相性がいいかどうかはおいといて…(ただこの2作品は非常に上手にkickstarterを利用したと思います。) 今回はそのうちの1つ『アクアガーデン』のレビューです。
ゲームシステム部分をいつも通り他のレビューアーにぶん投げようと思ったのですが、さすがに触れます。
このゲームのメカニズムの根幹となるのはタイムトラック系のシステム。パッチワーク、東海道、ちょっと重めでいくならヘブン&エールとかのアクション選択のシステムを使っています。プレイの軽さ的には東海道が近い感じがしました。ここだけならまぁよくあるよねという感じなのですが、さらにどの水槽に入れるかという点でもトラックを回る仕組みを採用している二重構造が面白いと感じました。
アートワーク重視のゲームでシステム面はそこまで期待していなかった(失礼)のですが、プレイしてみて非常によくできたシステムだと思いました。多分他のレビューアーも書くと思うけど、水族館が出来上がっていく感じもプレイの満足度を高めているように思います。
アクション選択にこそひねりはあるもののあとは普通のセットコレクションと目標達成型の得点システムなので正直ヘビーなゲームではないです。あとネガティブ要素をいうと収入の個人能力のバランスについて平均化されているか怪しい感じがありました。
そういった点も含めてヘビーゲームを期待してる人には向いていないですが、考え所もありつつ適度な軽やかさのあるゲームをお探しでしたら是非。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
NEZのレビュー
こちらの水槽にはジンベイザメを入れたいでギョざいます!
魚を集めて水族館を作るゲームです。
何と言っても、大量に入った魚コマが目を引きます!コマの作成はうちばこやさんと言う事で、クオリティは素晴らしいですね。これを眺めてるだけでも、ちょっと楽しい。
さて、ゲームの内容ですが目標カードによる早取りセットコレクションがメインとなっています。基本的に手番に出来ることは、「魚を獲得or広告を打ち出してお金の獲得→飼育員を動かして水槽に魚を配置」と言った形です。これらのアクションは二重のサイコロを使わない双六になっています。
魚と広告のアクションは共通のトラックボード上の自分のコマを動かして、動かした先の魚を獲得or広告マスであれば、お金を獲得します。この時、進む数は任意となりますが、手番は常にトラック上の最も後ろにあるコマを持つプレイヤーになりますので、一気に進むとその分手番が回ってこなくなります(ユーロゲームでもグレンモアなどがこのシステムを採用していますね)。お目当ての魚があるけど、ちょっと遠い場合などは一気に進んで魚を取るのか、刻んでいくのかはなかなか悩ましいです。
次に水槽への魚の配置ですが、こちらは飼育員を1~3歩動かして、隣接する水槽に獲得した魚を配置していきます(広告を打ち出した場合はこのアクションはできません)。この時、お金を支払えば追加の移動も可能です。水槽には酸素量が決まっており、水槽の酸素量を超えて魚を配置する事はできません。また、水槽に一緒に配置できない魚の種類があったり、逆に一緒にしていないと得点にならない魚などがいます。また、ゲーム開始時に各プレイヤーにはイベントカードが配られ、水槽のうち2つはそのイベント条件を達成する事で収入となります。この辺りの水槽に対する条件は、無計画に魚を配置していくと後で泣きを見る事に繋がります(一応、不要になった魚は共通の海エリアへ放逐して水槽の中身を替える事もできます)。
ジンベイザメ入れたい。
水槽に魚を配置する際には、追加でお金を支払う事で共通の海エリアから魚や海藻、サンゴなどを追加で購入して配置する事もできます。これらはセットコレクションに必要だったり、水槽の酸素量を増やしてくれるので、お金も上手に使っていきたいところです。
非常に手軽に遊べるゲームで、ボードゲームをはじめて遊ぶ方には良いのではないかなと思います。また、そうでなくても少しずつ水族館に魚が増えていく様は、箱庭感覚で楽しめます。これはやはり魚コマが素晴らしいのが大きく寄与していると思います。
個人的には、アートワークなど非常に良いと感じたのですが、ボードの質だけ少し気になりました。とは言っても、共通ボードは厚手のボードですし、個人ボードが薄いのも最近のゲームでは結構ある話なので、これは気にならない方もたくさんいらっしゃるだろうと思います。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |
かやのレビュー
わたし、「水族館」の館長になります!
このゲームでは魚駒を袋から引いてトラック上に並べていきます。どの魚駒がでてくるかはランダムです。
まず、木駒がかわいい!!見てください、このわくわく感!!
「袋引きなのに駒の感触が手でわかってしまうのが残念」という意見もちらほらとネット上で見かけましたが、製作者さんは「そこはプレイヤーにゆだねる」ってことで手を入れて何も考えずに魚駒を選んでください、とのことでした。
実際にプレイしてみて、確かにサメとかジンベイザメとか選んで配置しようとすればできてしまうんですが、そこはやったらつまらないじゃないですか・・・・
何も考えず袋から魚駒を取り出せばいいんです。
もし「どうしても邪念がはいっちゃう」とか、気になるようであれば「スタートプレイヤーが引いた駒を順番に並べる」ではなく、「スタートプレイヤーが順番に駒を引いていくけど、どの位置から配置していくかは他のプレイヤーが決定して、スタートプレイヤーはどこから配置されるか知らない状態で引いてもらう」が良いのではないかと思いました。
ゲームの主なアクションは駒をすすめて、魚駒を取り、自分の水族館に配置するというアクションがメインの行動となり、水族館にたくさんの魚を配置していくにつれてイベント収入、広告収入も徐々に上がっていきます。
この個人ボードが素敵な魚駒で賑やかになっていくところが、このゲームの醍醐味だと思います。
さらに獲得した資金で海ボードから魚やサンゴ、海藻、魚駒を購入するor追加資金を支払い従業員駒を最大5歩まで進めることができます。
私がいいと思ったのはボードに得点、広告収入、配置のルール、酸素量がわかりやすく、かつ世界観を壊さずに明記されていることです。
見た目とは裏腹に細かい魚駒の配置ルールがあるので、ルール説明をさらっと聞いただけだと、魚駒を配置するときに間違って配置しかねません。
でも個人ボードの下にまとめがついてるから大丈夫!何回もルール確認するのって恥ずかしい時あるからね、かわいいサマリーをいつでもチラ見できるのはうれしいです。
機会があれば一度かわいい魚駒たちを手に取り、この素敵な世界観を楽しんでみてください。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |