ワーカーとダイスを上手く使い、拡大再生産で自分の派閥の影響力を高めよう。ダイス目とカードの公開タイミングが、ベーシックなゲーム感に特別な刺激を与えてくれます。(やすやす)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
ダイスが出てくるゲームは正直あまりやらないけど、これは別枠。
ワーカープレイスメントのコマに強弱が出るという発想の勝利。
ダイス目の使い方がニクいワカプレ。アクション起動の閾値がダイス目なのに、アクションマスを早取り出来ないと、ダイス目マイナスされるとか悩ましさしかない。
昔から言いますよね、サイコロとカードは意思と期待に反する結果を招く、って。それをマネジメント(しようと)するわけですから、貴族ってのは大変ですね。
ヒゲおすすめ度: | (7 / 10) |
NEZおすすめ度: | (7 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (7 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
ダイスは重要な要素だが、運ゲーではない。ダイス目が悪いときには全員苦しい。
毎ラウンド、ワーカー駒の強さが違うのは衝撃。
現代のユーロゲームを語るうえで、デザイナーとしてのシモーネ・ルチアーニの存在は大きい。また、クレメンス・フランツのアートワークもいいよね。This is ユーロゲーム。
そこそこ時間がかかる、いわゆる重ゲーでダイス要素が入ると聞くと、「2時間頭ひねった挙句、結果ダイスで決まるの?」と思ってしまいます。(賛否あり)
このロレンツィオもそこそこ時間がかかるゲーム+ダイスで一瞬不安になるけど、ご安心を。
ラウンドの最初に3個ダイス振る⇒ダイス目に対応したワーカー駒の強さが決まる。
アクションスペースには必要とされるダイス目が表示されている。
この発想は実にスマート。
あとはカードを獲得して、エンジンビルド的なことを行っていく。よくある感じだけど、ここの調整も流石。これは面白いわ。
個人的に気に入っているポイントは、毎回カードが全部出てくること(賛否あり)
カードがたくさんあって、それが全部出てこないことで展開に変化を与えてリプレイ性を担保しているゲームが主流だが、私は「同じ盤面を作ることが出来うる状態で今回は前回と違う戦術で攻めてみよう」というリプレイ性を求めているタイプのゲーマーなので、全部カード出てくるのは好き。
その他、2ラウンドに1度訪れる宗教トラックのチェックがなかなか効いている。戦略次第では1回くらいはわざとペナルティ喰らう戦略もありだから深い。(それでもなお宗教戦士は強い)
勝ち筋もそこそこ選択肢はあるから、そういう意味で何度もプレイしたい良質なユーロゲーム。
ルールの複雑さ: | (5 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (4 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
NEZのレビュー
ダイス目の使い方が小憎らしいワーカープレイスメント。一筋縄ではいかない拡大再生産に頭を悩ませる。
資源を獲得して、それを元手にカードを獲得して…を繰り返していく、ザ・拡大再生産と言う感じのワーカープレイスメント。しかしながら、そこはツォルキンやマルコ・ポーロのルチアーニ。一筋縄ではいきません。
ダイスを上手く利用することで、この拡大再生産を悩ましくしています。このゲームでは、ラウンド開始時にダイスが振られ、出た目が対応するワーカーの強さとなります。目が大きい方がアクション選択の幅が出たり有利に働くのですが、そこは全員共通なので条件は一緒。そうなると、どこでどの強さのワーカーを利用するのかを考えることになります。
獲得したカードの効果を一気に発動させるアクションはこのゲームの見所なのですが、カードごとの効果の発動する条件として、ダイス目のしきい値が指定されているため、なるべく大きい目のワーカーを使いたくなります。
アクションは早取り要素があり、上述の能力発動アクションは後手に回るとダイス目をマイナスされてしまうところが小憎らしいとしか言えません。
総じて、ワーカープレイスメントでは比較的分かりやすいルールでありながら、毎手番悩みがつきない面白いゲームになっていると思います。唯一気になるところは、基本セットのみだと全てのカードが場に登場するため、少しランダム性にかけるかな?と言う部分です。ここは拡張セットを混ぜることで解消されると思いますので、お気に召しましたらお試しあれ。好き。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (4.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
ロレンツォサラダにかける2種類のドレッシング(ダイス・カード)が、スパイシー過ぎて辛いッ(つらいッ)!
能力がラウンドごとに変わるワーカーシステムを取り入れたゲームです。その変化はプレーヤー全員のワーカーに影響するにも関わらず、システム側が要求するコストは毎回不変なので、プレイするたびに体感的な辛さが異なります。正直、1辛~6辛くらいのレンジ幅を感じますね。
ロレンツォさん、物静かな風体に反して刺激的です。
そのダイス目と共にカード運がもたらす揺らぎが、比較的シンプルなゲームシステムに刺激となって、良い塩梅に作品を仕上げていますね。カード運とは言うものの、(基本ゲームでは)毎ゲームごとに全カードが欠けることなく公開されるので、自分の作戦が全く成立しなくなるわけでもないのです。
そして大切になるのが、手番順。オールユニークのカード構成ですから、買い損ねたら二度とチャンスは巡ってきません。運をコントロールするために、ヘイト調整や仕事の押し付け合いなど、番外にまで熱気が溢れることでしょう。
そして、ある程度の早さで勝利点につながる行動をしておかないと、後に響く強めの罰則を受ける仕掛けも施されており、たとえ強運プレーヤーであってもそれが自由な行動を抑制させる足枷となるので、この仕掛けもまた終始プレーヤーを苦しめることでしょう。
ワーカープレイスメントでありながら、ゲーム側でバランスの微調整をしているわけではなく(もちろんしてると思います)、「プレイヤー側のさじ加減で最後は仕上げてくれよな」という雰囲気が漂うような、まるでシェフが料理と調味料を一緒の皿に乗せて卓まで運んできたような、なんかそんな野心的な作品だと感じました。
ただしそうして最終的な味付けは自分たちで行うため、自らのプレイ内容によっては、少し不味いフレーバーになり得ることは否めません。何もさせてもらえない手番や、無駄な動きをするだけの手番が生じる恐れもあるので、しっかり自分の作りたい味をイメージして調味できる人向けでもあります。
辛いだけではなく、終盤には格別のデザート(作り上げたエンジンによる爽快感)が待っています!
基本ゲームだけでも繰り返しプレイができる内容ですが、拡張を加えることで全カード公開がなくなるため、また別の戦略も必要になることでしょう。じっくり腰を据えて、この名作を味わってみてください。
ルールの複雑さ: | (7.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |