伝承ゲーム『ごいた』をベースにしたゴーアウト。相手の受け牌を読みきって勝利せよ!(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
ごいたリスペクトの牌を使ったゲーム。
ゲームマーケット2021秋で大人気!
ごいたは定石があったりでちょっと・・・。と言う方にもおススメしたいゲームかな?個人戦ルールがある事で気軽に遊べるのはプラスだけど、個人的にはごいたの熱い読みあいが好きかも。
タイガー&ドラゴンは奥義牌!いつ奥義牌が繰り出されるかどきどきしちゃう楽しいゲーム
ごいたを気楽にカジュアルにしたゲーム。点数の入り方が毎回変えられるのがアクセントになってます。個人戦なら4人集まらなくてもできるところが◎
個人戦とチーム戦の両方で遊んでみました~。最初にお伝えしておくと、両者は別ゲームと言えるほど、プレイ感に違いがありましたよ。
ヒゲおすすめ度: | (5.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
えんづおすすめ度: | (5.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6.0 / 10) |
Average: | (5.8 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
2021年ゲームマーケット秋の人気作。実力や、いかに。
まずは『ごいた』リスペクトの作品であることが挙げられます。
攻めで出したものを同種(あるいはワイルドにあたるもの)で受けるという動きをするゲームって、あんまりないですよね。BLAZEが若干近い動きするかな?
タイガー&ドラゴンとごいたのどっちがいいという話をするわけではないですが、ごいたに比べてシンプルにデザインされているおかげで、この攻めと受けのシステムの入門としてはいいんじゃないかなと思います。理由は以下の2点。
①受けが特殊なコマがタイガーとドラゴンしかない。
②各牌の構成枚数を覚える必要がほぼない。
まぁこれに尽きるかなと思います。毎ラウンド得点要素が変わるという点もありますが、これはプレイに飽きが来ないようにするための工夫であり、ゲームの面白さの本質の部分とは違うかなと思いました。特に②の点が偉いと思いました。枚数の構成がややこしかったり、すぐに分からない系のものはゲームを楽しむという段階に入るまでのハードルが高いですからね。
ごいたとの違いでいえばペア戦かどうかという点もありますが、ここはどちらかというと好みの問題なので作品の評価そのものとは分けて考えるとします。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (5.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |
NEZのレビュー
温故知新と言う言葉がしっくりくるゲーム。ごいたほどの読みあいの妙はないが、入り口にちょうどいい。
ごいたの流れを汲むゲームと言う触れ込みで発売されたゴーアウト系のゲームです。
そもそも、『ごいた』とはなんぞ?と言う方もいらっしゃるかと思いますが、こちらは奥能登の漁師さんが漁に出れない時に、将棋に似た竹のコマを使って遊んでいた伝統ゲームの1つです。2vs2のチーム戦で、基本的には手コマから攻撃コマを出して、他のプレイヤーが同じコマで受けて、さらなる攻撃コマをプレイすると言う流れで進みます。
さて、タイガー&ドラゴンですが、基本的にはごいた同様、相手の攻撃牌に対して、手牌の中から同じ牌をプレイする事で受け(ブロック)て、続けて手牌から新たな攻撃牌をプレイする事で攻める仕組みになります。受ける事が出来ない、もしくは受けたくない場合はパスになります。これを繰り返して手牌を出しきれば勝利となり、最後に出された牌によって得点が入ります。個人戦を何回かプレイした感想になりますが、ルール自体はごいたに似ていると感じましたが、遊びやすさと言う部分に大きく舵を切った作品だと思いました。
ごいたはペア戦の伝統ゲームと言う事で、少なからず定石と言うものが存在しており、初めての方だとこの定石が分からず、なかなか馴染めないと言う事もあるかと思いますが、個人戦で遊ぶ事によって、定石に捕らわれず好きなように遊ぶ事ができるようになったのは、間口を広げる意味で成功と言えるのではないかと思いました。
しかしながら、ごいたを楽しんでいるプレイヤーからの視点で見ると、敵ペアの牌を読んだり、場にプレイされたコマから味方のメッセージを読み取ったりと言うようなじっくりと場を読む部分に物足りなさを感じる気がします。
奥義牌と呼ばれるタイガーとドラゴンはそれぞれ偶数牌、奇数牌のオールマイティとして機能する牌になりますが、これはごいたで言うところの「王」の役割ですね。「し」、「香」を受ける事ができない「王」に比べると、受けられない牌が色と数字で分かりやすく表現されています。この辺りには遊びやすさの工夫がされているなと感じます。
個人的には、ごいたのような濃厚な読みあいを期待するよりかは、気軽にワイワイと軽い読みあいを楽しむゲームなのかなと言う感じです。ごいた未経験だったり、ごいたはちょっと難しかったと言う方にはこちらを遊んで読みあいの楽しさを感じてもらって、ごいたにチャレンジしてもらえるといいなと思います。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |
かやのレビュー
奥義牌がいつ飛び出すかドキドキのカンフーゲーム
タイガー&ドラゴンは能登の伝統ゲーム「ごいた」の流れを汲んだ楽しいゲームです。
「1,000回遊べる」と箱に書いてあるんだけど、ルールカードも10通りあって一回のゲームが短く運要素もあって何回も遊びたくなるゲームだと思いました。
遊んでみると「ごいた」の難しい要素をかみ砕いたライトな印象のゲームになっていました。(箱にも遊びやすいよう現代風にアレンジしたと書いてあるしね)
簡単なルールにおしゃれなデザイン、それでいて相手があの牌をもっているのか~いないのか~っていうスリルが味わえちゃいます。ポーカーとか麻雀好きな人は好きだと思う。遊んでみて。
ルールはわかりやすい動画もでています▼
これは「タイガー&ドラゴンのが良い!」というわけではなく、それぞれの良さがあるのですが比較したほうがわかりやすいのでここではちょっと比較してみたいと思います。
◆8の牌は8個、7の牌は7個、6の牌は6個と牌の構成がわかりやすい
ごいたは「し」が10個、「王」が2個で「馬」はえっと・・・4個だっけ?となる人が多くて覚えるのが大変だったりします。
それを牌の数字と存在している牌の数が一緒としてくれるのはわかりやすくて遊びやすくなっていると思いました。
◆2~5人で遊べる
ごいたは4人専用ゲームですが「タイガー&ドラゴン」は2~5人で遊べます。とりあえず用意して人数の関係で遊べなかった・・ということってあると思うんですが
2~5人に対応しているのはうれしいポイントかなと思います。
2人でも面白いし、4人でチーム戦ルールで遊ぶのもとても面白いです。
今のところ2か4でしか遊んでないですが、ガチめに遊びたいなら2人か4人のチームルールが良いと思います。
◆牌をじゃらじゃらするのが楽しい!!
牌の手触りがよく、じゃらじゃらさせるのが楽しいです。ごいたは竹駒でこれもまた楽しいんだけど、とにかくくひたすらじゃらじゃらしていたくなります。
牌をじゃらじゃらさせるときにひっくり返ってしまうことがあると思うんですが、ひっくり返らないコツをこの前教わりました。上から牌をじゃらじゃらするのではなく、手をテーブルと手のひらを平行に滑らせるようにすると牌が裏返らなくなるので試してください。
ルールの複雑さ: | (4 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
えんづのレビュー
気楽に遊べるようになったごいた。ごいた入門に◎
やり込んでるわけではありませんが、そこそこごいたが好きな者としては気になっていたタイガー&ドラゴン。やってみた素直な感想としては、4人揃ってない時ならあり。ごいたちょっと難しそうと思ってる人にならあり。
ごいたよりも簡単(数字がそのまま牌の数になってる、特別牌が受けれるものが色でわかる)になってるので初めての人でもとっつきやすくなってます。そして点数の入り方を毎ラウンド変えれるのでその都度色んな戦略を楽しめます。
ただ、ごいたのあのじっとりとした雰囲気が好きな人にはややパーティー感が過ぎるかなという印象です。
そしてせっかく数字で牌の枚数がわかりやすくなってるのに肝心の数字が読みにくいのが少し残念。デザイン性があってオシャレではあるんですけどね。
ややマイナス評価寄りではありますが、このゲームの素晴らしいのは2〜5人で遊べるという懐の深さですね!!ごいた、やりたいけど人数が…と言う時には活躍すること間違いなしです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (5.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (4.0 / 10) |
やすやすのレビュー
伝承ゲーム「ごいた」を正面から再構築した、勇気に満ちた意欲作。
『ごいた』
この3文字は、ぼくの目前で畏怖とともに非常に力強く聳え立っており、もとより大変苦手なゲームです。「運の要素」「カウンティング能力」「仲間を察する力」を混ぜ混ぜして3でわった雰囲気でして、これら個々の要素は好きなのですけど、合わさるとなぜか…。長年にわたり培われた伝承ゲームだけあって、さすがにどの要素も非常に洗練され、ちょっとやそっちではつかみどころがありません。その長い歴史という平均台に引っ張り上げられ、初心者がひとり、ぽつんと歩かされているように感じるのです。
とまぁ不安要素たっぷりな書き出しになりましたが、ごいた、そのインスパイア系のタイガー&ドラゴンです。本来のごいたではできなかった、個人戦も遊べるようにリビルドされているのが挑戦的ですね。すでに洗練され完成されているルールを、(基本的には)そのまま個人戦もできるようにしました、というわけですから。
4人によるチーム戦
このプレイ感は、ごいたとそれほど変わらないように思いましたね。数値の構成が異なっていますが、これは得点方法の変化のためにも必要な変化だったのでしょう。カウンティングが楽になったという側面も生み出していますが、当然、根本的な変質ではありませんね。毎ゲーム得点のレバレッジが変わったりするので、逆転劇やサドンデスなどが起こりやすくなり、勝ち負けが大きく動くようになりました。ここは好き嫌いがかなり分かれるポイントでしょう。(点数的な)勝負どころが、誰にでも分かりやすくなったのです。
2~5人までの個人戦
こちらも、アクションとして行っていることはごいたそのままですが、感覚は激しく違いました。理由を上手く説明できないのですが、まるでゴーアウトのカードゲームか、メイフォローのトリテで遊んでいるような気分です。自分と相手の手番が(疑似的に)交互に訪れるチーム戦のヒリヒリした真剣斬り合いが影を潜め、模造刀での乱打戦のような印象を受けましたね。この雰囲気は、ぼくの目にはプラスに映りませんでした。
ごいたにも通じる「淡々とした」印象を、タイガー&ドラゴンにも感じてしまいました。これを、「つかみどころの無さ」と感じてしまうので、ぼくには向いていないのかもしれません。
ごいたの勘所を分かりやすくし、得点劇も楽しめるようになったという点で、チーム戦は広く受け入れられそうです。一方、個人戦はあまりごいたのルールと噛み合っていないように感じてしまいました。
冒頭に書いたように、ごいたは苦手なゲームです。その意識を引きずったままプレイし、最後まで拭い去ることができなかったため、あまり個人的には響いてきませんでした。ただし一般的には、「いつまでも遊べる」「するめゲー」「奥が深い」という言葉で表されるようなジャンルのゲームですので、機会があれば遊んでみることを強くオススメします。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (4.0 / 10) |