サイコロを使わないすごろく。その先にあるのは、広大な宇チュー。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
2022年にはバネストさんの和訳付き、2023年にホビージャパンから日本語版!
これはすごろくの皮を被った何かだ!
コンポーネント、アートワークも素晴らしきユーロゲーム。
ダイスを使わないすごろくをベースにしたセットコレクション。3つのすごろくを軸に、後半ゲームが一気に展開していく。
分かりやすいルールが柱となり、全体像がつかみやすいゲームですね。楽しくなる要素でたっぷりと肉付けされ、現代風のユーロ的中量級ゲームに仕上がっているのかなと思います。
ヒゲおすすめ度: | (6.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (5.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6.0 / 10) |
Average: | (5.7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
アートワークのポップさで舐めてかかるといけないゲーム
2022年バネストさん取り扱いの中量級ゲームの中でかなりの人気作だったのではないでしょうか?
私はフラッとお店に寄った際に、箱潰れ品を購入することができました。車で行ける範囲(とはいえ少々距離はあるが…)に、バネストがあるというのは幸運なことですね。こういうラッキーにも巡りあう。
2023年にホビージャパンさんから日本語版が発表されました。
それはさておき、実はあんまり下調べせずに買った作品でした。
アートワーク良さそうだし、人気っぽいから買うかくらいのノリで買ったわけです。
ほどなくして、初めてプレイする機会を得たのですが「ちょっと良く分からないゲーム」というのが初回プレイの印象でした。
より正確にいうのであれば、アートワークとルール読みから感じたイメージと実際のプレイの印象が大きく異なっていたゲームでした。
見出しにあるように私は舐めてかかっていたのです。
あとから気が付いたことですが、デザイナーのVirginio Gigliはロレンツィオの作者の1人ではありませんか! ダイスプレイスメント系の中では一番好きな作品です。
デザイナーでゲームを判断してはいけない(どの口がいうのか)ですが、これはもっと真剣にシステムを考える必要があると思いました。
アートワークの先入観を取っ払って冷静に考えると、これは運要素のないゲームであることに気が付きました。
つまり、このゲームはすごろくのような見た目をしているけど結局のところはどのパラメーターを上げていくかの拡大再生産と早取りの読み合いのゲームということが分かりました。
すごろく部分は単に「各プレイヤーの現状を一目で分かるようにするための装置」だったということです。
つまり何が言いたいかというとこれはゴリゴリのユーロゲームです!
この部分に気が付いて、軽めのすごろくゲームという先入観を捨ててプレイしたらめちゃくちゃ奥深くてのめりこめました。ともすると運要素がなく苦しいゲームになりますが、その苦しさはアートワークとコンポーネントがいい感じに中和してくれていると感じました。
すごろくライクなファミリーゲームを期待してプレイすると痛い目をみる(タイルの詳細などルール量それなりにある)いうことだけお伝えしておいた上で、非常によくできた中量級ユーロゲームです!
ルールの複雑さ: | (6 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5 / 10) |
運の要素: | (3 / 10) |
おすすめ度: | (6 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5 / 10) |
NEZのレビュー
色で縛ったサイコロを使わないすごろく。すごろくにすごろくを重ねて、ゲームの展開が飛躍的に上がっていく。
宇宙を目指してロケットを作って、宇宙飛行士としてロケットに乗り込むネズミ達のゲームです。
ネズミ達が主人公と言う事で、ロケットを作る資源もガラクタなのが面白いですね。
ゲームの骨子はサイコロを使わないすごろくです。サイコロを使わないとなると、どうやって移動するのかですが、要するに進む数はプレイヤーが自由に決められるわけです。とは言っても進める数には最大があって、コマを1つだけ動かすなら5歩、複数のコマを動かすなら3歩までとなっています。さらには、複数のコマを動かす場合、到着するマスの色は同じでないといけないと言うルールもあります。
止まったマスには様々な効果があり、セットコレクションの資源を獲得できたり、別のすごろくを進める事ができたりします。
「別の」と言うのは、ゲーム内にメインのすごろくの他に2種類のすごろくが存在していて、進めることで資材を多く貰えるようになったり、新たなコマや特殊能力を獲得できたりします。
このような、メインのすごろくを進めながら、サブのすごろくも進めていくことで、メインのすごろくを強化していくと言うゲームの流れは、拡大再生産的な要素を持っているように感じました。
勝利点に関しては早取りで、セットコレクションだけではなく、コマがゴールしたり各種すごろくの到達点を越えたりすることで獲得することができます。基本的には何をやっていても得点にはなるので、相手の行動を牽制しながら、何をすると一番得点が高くなるのかを考えていく感じですね。
その他にも、資源を支払ってショートカットが出来たり、特殊勝利点やお役立ちアイテムを売ってる場所(しかも、代金を払わずにスタート地点に持ち逃げも出来ちゃう)があったりして、考えどころは結構あるゲームだと思います。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (3.0 / 10) |
おすすめ度: | (5.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |
やすやすのレビュー
チュー量級ゲームに夢チューになっちゃうチュー意報。
サイコロを振らない系すごろくゲーム派閥に属するこのゲーム。バネストさんで和訳付き輸入版が販売されると注文が殺到し、入手できないファーストラット難民が続出するほどの人気になっていました。しっかりしたコンポーネントへ可愛いネズミ世界のアートワークが施されているのが、幅広い層に受け入れられたのかもしれませんね。というわけで、今回はこの大人気宇宙ネズミすごろくゲームのレビューです。
最初に予防線を張ってしまいますけど、世間の評判がうなぎ上りファーストラットなんですが、ぼくの感想はちょっとそこからズレてしまいます、ちょっと気まずい…。なので、このレビューはぬるゲーマーのつぶやき程度の内容とお考えいただき、軽くスルーしてくださって大丈夫ですからね~。
さて。
すごろく(風)なのにサイコロは振らず、進めたいマス数を自分で選択するダイス運なしシステムなのですが、その他の部分においても運要素が皆無のゲームになっています。わずかにゲーム開始時のインプットのランダム性があるのみ。ここがファーストラットで好みが分かれる部分かなと思います。カワイイ見た目のわりにアブストラクトのような雰囲気があり、しかもゲームの勝負を決める要素のほとんどは「勝利点の早取り」という点が最大の特徴となります。
また、「自分のコマが止まった(それも自分で選んだ)マスのアクションができる」ので、すごろくというよりも圧倒的にワーカープレイスメントに近い印象です。つまりマスのアクションも先取りとなるため、シビアさもワーカープレイスメントそのもの、常に他プレーヤーの動きを注視する必要がありますね。ただ先にいる相手にお金を払えばそのマスに侵入できるので、そこは少し優しいです。
ゲーム内容はとても賑やか盛りだくさんで、勝ち筋はシンプルではありません。できること・やるべきことがたくさんあって、ルールを聞いただけできっとワクワクすることでしょう。お金の代わりとなるチーズや勝利点に変換する資源を手に入れたり、永続効果や即時効果を持つアイテムを購入したり、ワーカーを増やしたり終了時得点を得たり、とにかくネズミたちは大忙しで駆け回ります。もちろん、やりたいこと全部ができるわけではないので、自分が何で得点を得ていくべきなのかを、相手の様子をうかがいながら軌道修正を繰り返していくプレイを心がける必要がありますね。
見た目に反して、かなり戦略性が高いゲームです。手番中の選択肢も多く、悩みどころ満載でチュ。
コンポーネントは細部までしっかりと作られており、とても素敵なものとなっています。そのお陰で老若男女問わず広い方が手を伸ばせる作品になっていると思いますので、実力やプレイスタイルが似ている人同士で遊ぶのが良さそうです。ただしルール量はそれなりにあるので、インスト時には簡単な戦略の紹介なども交えてしっかり説明するべきかな、なんて思います。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (4.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |