盤面上のコマは全員共有!? ワニがいっぱいの湿地帯を開墾せよ!
全てはファラオのために‼(ヒゲ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
フレーバーもシステムも真面目できれいなフリーゼ作品。
特にカードの循環のシステムを理解して活用できるかがカギ。
なんといっても、箱も含めたコンポーネント全般の雰囲気や質感がとても好み!そしてインタラクションと戦略の幅が十分あって、「みんなでボードゲームをたっぷり遊んだ!」という印象が、強く残りましたね。
ヒゲおすすめ度: | (7 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (7 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
ゲームの本質はエンジンビルド。必要なカードは出来るだけ後にプレイしたい。
このゲームは「フリードマン・フリーゼが作ったコンコルディア」だと例えられることが多い。
これについては半分当たっているが、本質はそこではないということをきちんと言っておきたい。
手番が来たら、
①カードをプレイする。
②カードを現在の市場から購入する。
③管理フェイズを行う。
この3つのうち1つを選んで実行するだけ。基本ルール自体は簡単である。
ただし、このゲームはフリードマン・フリーゼ氏のファストフォワードシリーズやフルーツジュースのように『ゲーム中に新しい要素が次々に登場する』タイプのゲームで、状況に応じた対応力が求められる。街道と入植地しかなかったのが、工房や都市やモニュメント…etcが徐々に登場していく。
このような新しい要素を初回プレイ時にはカードが出てくるたびに効果表を見ながら説明しなければいけない。これは、若干マイナスポイントではある。しかし、どんなプレイでも(ほぼ)全てのカードが登場し、(わかりやすいとは言い難いが)、アイコン化されているので、2回目以降のプレイではかなりスムーズにプレイできると思う。
システムの核となるのはやはり③管理フェイズでの『捨て札からのカード回収』にある。
捨て札の上から3枚は無料で回収できるが、それ以上手札に戻すには$1支払わなければならない。このゲームは(戦略にもよるが)お金はカッツカツである。
このことから、3枚~せいぜい5枚程度で自分のコンボをうまく組み上げていく必要がある。
コンボとは言っても、手番では1枚しかカードをプレイできないのでいずれかのプレイヤーが「ずっと俺のターン!」を繰り広げることはない点も、システムとしてスマートな印象を受ける。
他のデッキ構築では山札からの引き運があるが、このゲームに山札はなく、全て手札からのプレイになる。ここはやや好みが分かれるところかと思う。(もちろん私は好き。)
選択できる戦略の幅も多様で、だいたいどの戦略でも(大きなヘマをしなければ)かなりいい勝負になる。
オススメプレイ人数は個人的には3人。初回プレイで5人はかなり時間がかかると思うので、不適。
多人数プレイは2回目以降で。ちょっと慣れれば、プレイ人数×30分くらいで回せるよ。
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
デッキビルディングじゃないんですけど? ーあるデッキビルダーのつぶやきー
「フリードマン・フリーゼさんがデザインする、デッキビルディングのボードゲームです」なんていう、どこかの触れ込みを信じ遊びはじめてみたら、全然違いました。気付くのに遅れたんですよ…開始して3手番目くらいに、「最初からやりたい~」と叫んでました。
ぼくは、戦略とか戦術とかを考えるのが苦手で、複雑なゲームほど最終的に負けてしまう、ということが多いのです…アホなのかな。でもたまに勝てるときもあって、そういうときは、超必殺技「神のドロー(手札補充)」を連発するからなのです。そうです、ぼくのステータスは、「ドロー運」に全振りされているのです。
ということでドロー運も重要である一般的なデッキビルディングゲームはそれなりに楽しめているので、このファイユームもオレにまかせろ、とばかりに勇んで挑戦しました。しかし開始早々、これデッキビルディングぢゃない…エンジンビルディングなのでは感が、猛烈に押し寄せてきました。
デッキを構築して引き運を調整するのがデッキビルディング(と思っていたはず)なのに、なんとこのゲームのドローは、それとは対極の位置にいらっしゃいました。
という計画性大事、ってか計画性しか問わない鬼ルールにより、超必殺技の「神ドロー」を出すこともできず、結果めでたく安定の最下位。
つまりこれはドローではなく、「最近使った手札を戻す」という意識で正解です、カードゲーム的にはサルベージに近いです。ただし無制限にサルベージできるわけではないので、使用順を計画する必要性がありますね。
プレーヤーの手番ごとに盤面の様子や獲得できるカードの様子が変化したり、効果的な得点方法すらダイナミックに変遷していくので、終始、展開から目が離せません。そしてそれがファイユーム地方の開拓・発展というテーマに寄り添っていて、始めは淡白に映るコンポーネントが、最終的には血肉を備えるから不思議です。
入手するカードが点数の入り方を決めるゲームなので、初めて遊ぶ人がいるなら、カードプールの説明はザッとした方が良いかもですね。
それぞれのプレーヤーが各自かなり違う戦略をとっていたにも関わらず、最終的に僅差で決着がついたのは、デザイナーのバランス調整の為せる業でしょう。オールユニークカードで、しかも特殊効果ありまくりのゲームでこの結果は、神の仕業ですね。
ひとつ、個人的に残念に感じたのはプレイ時間です、インスト込み3人3時間。ゲームの内容とゲーム時間の長さが、体感的に少し釣り合わなかったです。盤面は常に共有するため、それが変化するに従い得点方法も移り変わることがゲームの最大の楽しさですが、もう少しだけコンパクトにまとめてあると、気軽にプレイできるのかなと思いました。
カード全体の構成や、アイコンの効果が分かりルール説明を省略できる2回目からが大本番ですね!
ルールの複雑さ: | (6.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |