アズールシリーズの原点となった作品。美しさに魅了されていると痛い目を見るタイル配置ゲーム。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
手元でコネコネするゲームなのかと思いきや、意外と攻撃要素の強いタイル配置ゲーム。綺麗なタイルは映えますねー。
タイル職人になって効率よくタイルを獲得して点数を稼いでいくゲーム。リプレイ性も高くて好き!
コンポーネントの美しさ、フレーバーの薄さやインタラクションの強さ、細かく得点しステップが見えるところなど、ぼく個人の感覚としては「最高のボードゲームへの入り口ゲーム」です。(筆者はある程度インタラクションが強いゲームが入り口に良いと思っているタイプです)
NEZおすすめ度: | (7 / 10) |
かやおすすめ度: | (7 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (7 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
綺麗なビジュアルで誤魔化してるけど、意外と殺傷力高めなタイル配置ゲーム。
タイル職人となって、宮殿の壁にタイルを敷き詰めていくと言うテーマのボードゲームです。デザイナーはミヒャエル・キースリング氏。よくクラマー&キースリングと言う共作の形で多くの名作を生み出してきたデザイナーです。
アズールはいずれかのプレイヤーが終了条件を満たすまで、複数のラウンドを行い、各ラウンドは2つのフェーズに分かれています。
最初のフェーズでは中央に置かれたファクトリーと呼ばれるタイル置き場から手元にタイルを獲得していきます。円形のファクトリーから取れるタイルは1種類で、そのファクトリー上にある同種のタイルを全て持っていく形になります。そして、獲得したタイルは個人ボードの左半分に階段上になっているタイル置き場に配置されます。この個人ボード上に置くには各段には置く条件が決まっており、「各段には同じ種類のタイルしか配置できない」「個人ボードの右側に配置済のタイルと同じ種類のタイルは同じ段には置けない」となっています。
ファクトリーから獲得されなかったタイルは中央に集められ、次のプレイヤーからは中央に集まったタイルも選択肢に加わります。
最終的には、全てのファクトリーと中央の場から全てのタイルが獲得されると、このフェーズは終了となります。なお、上の配置条件を満たせない、もしくはタイルを置ききれず溢れてしまったタイルは全てラウンド終了時にマイナス点となります。
個人ボードの情報は全て公開となっているため、各プレイヤーがどの段に何を置く事ができるのは一目瞭然となっています。ですので、必然的にこのフェーズの後半になり、だんだんと欲しいタイルが無くなってくると、相手がマイナスになるような行動を取るようになってきます。また、中央にタイルが集められていくのがなかなかニクらしく、フェーズ中盤でも「ここで、このファクトリーからタイルを取ると、青のタイルは5つになって他のプレイヤーが得するな。」と損得勘定をし出したり、フェーズ後半で中央に集まり過ぎて、誰が取ってもマイナスにしかならないようなタイルを如何に自分が引かないようにするかを考えだします。せっかく相手に大きなマイナスをプレゼントしようと準備しても、結局自分がそれを受け取る羽目になったら泣きたいですしね(しかも、このゲーム結構そういう事が起きます)。
個人ボードの右側には実際にタイルを並べていくエリアがあり、左側で個数が揃った段のタイルから1つのタイルが右側に移ります。これによって得点が入るのですが、得点の入り方が変わっていて置いたタイルと縦横で繋がっているタイルが全て1点となります。上手く繋げていくと、1枚のタイルで5点とか入ってくるのが熱いですね。
それ以外にも、縦横や一色全てのタイルを配置させる事でボーナスが入ってくるので、それを狙っていく事もできます。
綺麗な見た目で、非常にキャッチ―なのでボードゲーム初めての方に紹介するにはもってこいだと思います。しかし、見た目と裏腹に攻撃的な要素を含んでいるので、遊ぶ人はちょっと選ぶかもしれません。まぁ、そこはギャップ萌えと言うことで。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
かやのレビュー
どのタイルが残るのかの読み合いに痺れるゲーム
NEZさんが紹介しているように見た目とは裏腹に、全て公開情報のタイルの取り合いになるので読み合いが大変なゲームです。
大まかなルールを説明すると上から1個、2個、3個、4個、5個ずつのタイル置き場があり、それぞれの列が同色のタイルで埋まるようにタイルを引き取ります。
タイルを引き取るときは、同色を一度に獲得しないといけません。
3番目の行を一杯にするために青のタイルを5つ獲得したら余った2つは下の列に配置してマイナス点をもらうことになります。
左のタイル置き場をまず埋めていく作業を繰り返し、獲得できるタイルがなくなったら、各プレイヤーはタイルを右側のタイル置き場に配置していきます。
タイルを右側に配置できる条件は各行が全て埋まっていることです。各行には5種のタイルが置けますが、この写真だと黄色のタイルは1、2、3、5行めはすでに完成しているので、4行目にしか配置できません。つまり、4個以上の黄色いタイルはマイナス点になってしまいます。
うまくタイルを繋げると特典が入り、同色のタイルを全て完成させればボーナスの10点が入りますが、早くに集めすぎるとマイナス点も貰いやすくなってしまいます。
①上手く自分が欲しいタイルを集めながら、相手プレイヤーのいらないタイルはできるだけ残すこと
②マイナス点を受けてでも得点になるように効率よく毎ラウンドタイルを完成させること
が肝だと思います。
AZULを最初にプレイした時は時は面白さがよくわかりませんでしたが、最近改めてプレイしてみたら
ううーん、これはシンプルだけど悩ましい!なんて読み合いのあるゲームなんだ!
と面白くなりました。また、AZULはルールはタイルを取っていくだけのシンプルな遊びやすいルールです。でも、シンプルなルールだからこそどのタイルを取るか選択することで、他の選択肢は切り捨てていかないといけないというシビアなゲームになっています。一度に獲得できるタイルには限りがある、「選ぶとこと」は同時に「何かを選ばない」ことでもあるのだ。
やればやるほど強くなるタイプのゲームなので運要素はちょっと少ないかも・・・あとは読み通りにいかないプレイヤーが混ざっているとマイナス点をとって欲しい人までタイルが回らなくて計画が狂います。笑
ちなみにAZULシリーズの中で私が好きなのはサマーパビリオンです。
サマーパビリオンには「好きな色として使えるワイルドタイル」、「特定の配置によるボーナスタイルの獲得」があって上手くタイル配置とボーナスをコンボさせて点数を稼いでいくのが楽しいです。
もしAZULを遊んでみて面白かったらサマーパビリオンもプレイしてみて下さい。
ルールの複雑さ: | (4 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (4 / 10) |
おすすめ度: | (7 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8 / 10) |
やすやすのレビュー
タイルの美しさに目を奪われていると、あっという間に呑み込まれるよ、一手も油断しないで。
アズールは、発売からすぐに爆発的な人気を得たゲームのひとつだと思います。初心者からゲーマーまでレベルに応じたプレイを受け入れる深さがあり、遊ぶたびに発見と成長があるいわゆるスルメゲームのような側面があります。そしてただの干されたスルメイカじゃなく、目を見張るようなビジュアルの端麗さも兼ね備えているため、一度遊べばその人気に誰もが納得できるんじゃないかと思います。
このゲームに関しては非常に多くの情報が発信されていると思いますので、ここでは、ぼくが「ボードゲーム初心者向け」として薦めている理由を書いておきますね。
順番に説明していきますね~。
- アクションの選択肢が少ない
伝統的なゲームや一般的なカードゲームだけを遊んでいた初心者には、複数の異なるアクションがあることで戸惑いやすくなるような気がしています。アズールは「タイルを取って配置する」という一択なので、どれをやったらいいんだ…?という事態に陥りにくく集中できるように思います。
- マイナス点となる注意すべきルールは1つしかない
初心者は成功に挑戦するというよりは、失敗を恐れる傾向があるはずです。その点、置けないタイルは失点となるという明瞭簡潔なこのルールは、誰にも理解しやすく納得できるのではないでしょうか。
- 展開は非公開で点数と盤面が公開されている
各ラウンドで引かれるタイルの偶然性は誰にでもドラマを感じさせるし、公開されてる盤面は理解や成長の一助になると思っています。
- インタラクションがしっかりありソロパズルゲームで終わっていない
伝統的なゲームはもちろん、世の主流とも言えるデジタルゲームにおいても、多くはインタラクションが強いと思います。これが弱いと物足りなさを感じさせてしまうように筆者は考えています。
- 勝負の原因を本人が振り返ることができる
これはすごく重要ですね。気付いたら勝ってた、知らないうちに負けてた、という「ゲームに置いてけぼり」にされてしまう感覚は、複雑なゲームほど起こり得ます。勝負の納得感が分かりやすく得られることは、初心者には大切かなと思います。
タイルの美しさが目を引くことは言うに及ばずですね!ついつい触りたくなってしまう色合いと質感に、みんな虜になることでしょう。
なんか、根拠のないことを長々と書いてしまいました。アズールは大変おすすめのボードゲームなので、もし未体験の方がいらしたらぜひ優先的に遊んでみてください。アブストラクト風のガチゲームではありますので、できれば同じレベルの人と遊ぶのがおすすめです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |