パスじゃないです!スカウトです!手札改善要素が盛り込まれた大富豪系のカードゲーム(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
大富豪系のゴーアウトながら、スカウトアクションによる場札の弱体化と手札改善がキラリと光る!オインク版はサーカスのフレーバーが付いて、コンポーネントもステキ!
手札を並べ替えれないのがつらいけど、うまく出し切れたら気持ち良い!オインク版はめちゃかわだよ〜。
うーーん、どっちにしよう…
いやー…どっちも弱いわ…
って心の声が漏れ出る作品。
NEZおすすめ度: | (8 / 10) |
かやおすすめ度: | (6 / 10) |
開拓者おすすめ度: | (7 / 10) |
Average: | (7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
『パス』が次に繋がるシステムに脱帽。手札を改善して一気に和了るのは快感!
大富豪に似たゴーアウト系のカードゲームです。要するに手札を全て出しきるのを目指すゲームですね。
スカウト!では、2枚以上の階段または同じ数字、後は1枚出しのどれかを、場札よりも強いカードの組み合わせになるように手札からプレイしていきます。そして、プレイする事ができたら、場札を得点として受け取る事ができます。
まず、このゲームの大きな特徴として、ラウンドを通して手札の順序を入れ替えることができない事が挙げられると思います。そして、2枚以上の役をプレイする場合はそれらのカードが全て隣り合っていなければいけません。特に1、2、3のような階段の場合は、その順番になってないといけません(手札が1、3、2の順番だとNGと言う事ですね)。厳しい。
そこで、出てくるのがもう1つの特徴『スカウト』アクションです。パスの代わりに用意されているのですが、場札の両端にあるカードをどちらか1枚獲得して、手札の好きな場所に入れるものになります。手札の順序は変えられないので、このアクションを上手く使っていく事で手札の中で役を作り上げていく事になりますね。カードには2つの異なる数字が書かれているので、どちらの数字を使うのか選択肢が用意されているのも嬉しいです。
スカウトアクションは場札を取ると言う事で、手番プレイヤーは「手札を改善できる」嬉しさ、下家は「場札の役が弱くなる」嬉しさ、そしてスカウトされたプレイヤーには「得点が貰える」嬉しさ(スカウトされると得点チップが貰えます)と言う、みんな嬉しいアクションになり得るため、比較的スカウトアクションを選びやすいと言うのはニクいですね。
簡単なルールで、手札を入れ替えられない儘ならなさ、そしてスカウトアクションによる手札改善の楽しさ、手札を一気にプレイする事で急にラウンドが終わってしまうハラハラ感と、大富豪の楽しさをさらに昇華したようなゲームで様々な方に楽しんで貰えるゲームになっていると思います。
ルールの複雑さ: | (4 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (8 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
かやのレビュー
上向なのか、下向きかのか、どっちなんだいっ?!大富豪のような親しみやすいルールなので初心者さんにもおすすめ。
スカウトの面白いところはカードを出し切れた人が最強、ではなくスカウトされたりして最も点数を稼いだ人が勝利するというものです。
もちろん、手札を出し切れると強いです。何故ならラウンド毎の得点計算時に残った手札がマイナス点になるためですね。
ですが、ラウンド終了時までにたくさんスカウトされていれば手札を出し切れなくても点数が伸びるというわけです。
そしてこのゲームの面白いところは、手札を並べ替えてはいけないことです。ただし、ひっくり返しても良いです。
手札が配られたらまず扇状にカードを並べて持ちます。スカウトのカードは特殊で、上下に異なる数字が書かれているのでどちらの向で戦うかを最初に選択します。このとき、カードの並びは変えないように注意してください。
この2択がとても面白く、どういう戦いで行くのか戦法を練る時間です。
手番が来たら、
1)手札を出す2)スカウトする
のどちらか1つを行います。
手札は時計回りに進み、最初のプレイヤーが2のカードを一枚出したら2より強いカードを出します。
つまり3〜9の数字のカードです。では、9以上の強いカードとは何かと言えば
1のカードが2枚、もしくは1、2の連番など2枚出しのカードです。1、2、3と連番で出してもいいですし、9の2枚を出しても良いです。
次にスカウトする、とは
場に出されたカードを1枚だけ「スカウト」して手札にねじ込みます。この時、手札のどの位置にでも、上下好きな方向で刺せますが、3枚以上場にあるときは真ん中のカードはスカウトできません。常に端にあるカードをスカウトします。
例えば7、8、9の連番のカードが並んでいたら、7か9のカードをスカウトします。
9のカードがスカウトされれば、次の手番の人は7、8のカードより強いカードを出すことができるということです。もちろん、もし7や8のカードをスカウトして手札を強くしたければあえてスカウトしても良いです。
スカウトをするとスカウトされた人には1点入り、スカウトした人は手札が強くなり、次の手番の人は場のカードが弱くなるのでカードが出せるかもというわけです。
このカードの強さの入れ替わりもすごく絶妙で、「あとちょっとで勝てたかも知れないのに・・!」というタイミングでゲームが終わるのがとても面白いところ。
また、手札から出せる時でもあえてスカウトは行って良いです。
地道にスカウトしたカードを一気に出して逆転勝利もあり得ます。
一回そういう戦法で勝利した人を見ましたがとっても気持ち良さそうだったので一発逆転のロマン砲が打てる、というのもこのゲームの醍醐味かなと思います。
日本では流通していないですがオインク版のスカウトはサーカスがテーマになっていて、「スカウト」するってアクションがしっくりきてます。最強のサーカス軍団を作ってジャンジャン得点(お金)を稼ごうってテーマが分かりやすくて良いですね。
現行のスカウトカードはプラスチック素材で、大富豪が大好きな小学生が遊びまくっても擦り切れない安心の強度です。デザインもすっきりしててかっこいい、日本産のスカウト!2022年のゲーム大賞とってくれたら嬉しいですね。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
開拓者のレビュー
そのダブルアクション、いつするんだい??考えどころが随所に散らばる大富豪。
スカウトは大富豪のように、場に出ている役より大きな役(連番、もしくは同じ数字を複数枚)を作って手札を出していくゲームです。しかし大富豪と違うのは、手札の順番を入れ替えてはいけないという点です。
カードには上下異なる数字が書いてあり、カードを上下ひっくり返すと全く違う数字の並びになります。どっちの並びが強くなりそうかゲーム開始時に選んで(だいたいどっちも弱い)、それ以降はカードの並びを変えることはできなくなります。
この最初のカードの並びを良くしていく手段が「スカウト」です。
場にあるカードより強い役を出せない(もしくは出したくない)時、場に出ているカードを1枚取ることができます。これをスカウトと呼びます。スカウトでは左右どちらかの端にあるカードしか取ることができませんが、自分の手札の好きな場所に入れることができます。例えば手札が1.3.4と並んでいた場合、場に2のカードが出ていればそのカードをスカウトして1と3の間に差し込んで1.2.3.4の4枚の連番を作ることができます。
もう一つの大切なアクションがダブルアクションです。通常はスカウトするか手札を出すかのどちらかしかできないのですが、ラウンド中に一度だけ両方を行うことができます。このダブルアクションをどのタイミングでするかが、このゲームのキモとなるでしょう。
カードを出した人以外の全員がスカウトするか、誰かが手札を全て出し切るとそのラウンドは終了します。
ゲームの勝敗は得点の大小で決まります。自分がカードを出せれば場に出ていたカードを得点としてもらえるし、自分が出したカードをスカウトしてもらえると得点が入ります。そしてゲーム終了時に持っていた手札がマイナス点になります。必ずしもカードを全部出し切ればいいというわけではないという所がミソですね。
あがるタイミングを見計らいながら、自分はなるべく点を取りつつトップになるべくマイナスを押し付ける。意外と駆け引きも楽しめる楽しいゲームです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |