透明カードを組み合わせて絵画を生みだそう!パズル感も楽しめるお手軽ゲーム。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
透明カードを組み合わせて絵画を完成させるのは斬新!!意外と考え所もあるのがニクいね。
好きな絵が作れるとおもったら大間違いだよ!カードを重ねてこねこねするのはたのしいです。見た目をとるか、点をとるか・・・悩ましいです。
シンプルなゲームシステムを、圧倒的な世界観で包みこんで焼き上げた洋菓子みたいな風味。両者のバランスが絶妙で、軽い仕上がりに後味も爽やか。
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (6.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (5.0 / 10) |
Average: | (5.7 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
見た目重視と侮る無かれ。しっかり悩みどころもある軽量級。
絵画を描いて展覧会で最優秀賞を取る事をテーマにしたゲームです。
ゲームはイラストの一部が書かれた透明なカードを場から獲得していき、それを3枚組み合わせて背景カードと一緒にスリーブに入れて1枚の絵画を完成させます。透明なカードには、幻想的なイラストが描かれており、組み合わせによって様々な絵画が出来上がるのは作っていて楽しいですし、斬新だなと感じます。たまに得点よりも絵画の出来に満足してしまう事があるのは玉に瑕ですね(笑)
ゲームの終了は全てのプレイヤーが3枚の絵画を完成させたら終了で、手番には絵画を1枚作るか、場札を1枚獲得するかと言うシンプルさ。場札の獲得も難しい事はなくカードケースから1番遠いカードは無料で獲得できますが、カードケースに近づくにつれて追加コストとしてパレット型のトークンをカード上に置いていく必要があります。
このように支払われたトークンは、カードが獲得された時に一緒に獲得されます。初めから持っているトークンの数はそんなに多くないので、基本的には一番安いカードを獲得しながら、たまにどうしても欲しいカードがある時に使うような感じになります。この辺りはサクサクと進みますね。
さて、手番に出来るもう1つのアクションが「絵画を作る」なのですが、こちらは考えどころがあります。透明なカードにはカードの下部にいくつかのアイコンが描かれており、ゲーム開始時に、そのアイコンの組み合わせなどによる、複数の得点条件が提示されます。絵画を完成させるには3枚の透明カードを重ねる必要があるので、それらをどのように組み合わせるかによって、アイコンが現れたり隠れたりします。この組み合わせで、得点条件をクリアすれば、最後に得点となるリボンを獲得する事になります。
登場する得点条件は決められた組み合わせで遊ぶ事も出来ますが、ランダムで配置する事もできます。様々な得点条件は矛盾する事もあるため、どの得点条件を満たすのか、そのためにはどの透明カードを一番上に持ってくるのがいいのかなど、色々と組み合わせを試していきます。この部分は非常に考えどころになっていて、組み合わせを探すのが楽しいです(たまに、狙って取ったカードが上手く機能しなくて悶絶しますが)。
完成した絵画を眺めるのもよし、得点条件を追求していくのもよしで、軽量級ながら面白さもちゃんとあるゲームだと思います。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |
かやのレビュー
うまく得点のコンボがとれると気持ちいい!絵をテーマにしたゲームだけど、絵がうまくなくても大丈夫、こわくない
絵が描けなくてもサクッと絵画がつくれるキャンバス!見た目も綺麗で、最初は「素敵な絵を作るぞ~!」とワクワクするんですが、実際は資源のやりくりと絵を完成させるタイミング、欲しいカードがうまく回ってくるのかという運の組み合わせなのでだいたい思い通りの絵はできません(‘ω’)ノ
手番でできるのはカードを1枚取得するか、絵を3枚組み合わせて発表するアクションのどちらか。手札は5枚まで持てるのでじっくりと欲しいカードを待ってもいいですがじっくりとカードをめくるということは対戦相手の欲しいカードが補充されるかもしれないというリスクがあります。なので、そこそこの作品でさっさと発表しちゃう!というのもありです。
軽そうに見えて組み合わせに苦悩するのと、「引き取りたいカードがないけど、今の手持ちだけで絵をつくりたくない」というようなジレンマ、それから自分の手番になるまでには盤面がガラッと変わってしまうのでダウンタイムは長めです。
カードの取得はスパイスロードと一緒なので、私は「スパイスロード知ってる?」からルールの説明をします。もしその人がスパイスロードを知らないなら、このゲームをして気に入った人にはスパイスロードもおすすめしちゃいますネ。
乱暴に言うなら、スパイスロードをオシャレにして資源の変換ルールを削ぎ落した変わりに、カードの組み合わせルールを追加したゲームです。
でもスパイスロードとは全く違った面白さがキャンバスにはあります。まずカードが透明であることが面白いです。そして透明であるが故にどのカードを上に持ってくるかで得点の入り方が全然違ってきます。
そして、カードの絵もうまく作られていて、重ねたときにはじめて絵が完成するのが面白い!
ちなみに、絵を完成させると絵画のタイトルも完成します。
(左)Precious Mistake ~尊い過ち~ (右)Forgotten Beauty ~忘れられた美しさ~
など、余裕がある人は邦題も添えて楽しむのもありだと思います。
「そのカード欲しかったな!」とか発表された絵の感想を交えるなど、キャンバスの独特の世界観を楽しみながらプレイできるととても楽しいと思います。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
やすやすのレビュー
まさに「フレーバー」という言葉がぴったり。たちまち香りが満ちてきて、あっという間にキャンバス風味の出来上がり。
今まで縁がなくプレイできていなかったキャンバスを、ようやく遊べました。これまで皆さんが楽しそうにしている様子を横から見ていたのですが、実際に遊んでみると、思わぬプレイ感がありましたね。
ゲームシステムは、ボードゲーム好きならすぐさま理解できるほどの、素直でシンプルな造りだと思います。分かりにくい要素はないですね。
どうですか、ボードゲーマーのあなた、少しイメージが湧いてきませんか?語弊を恐れず表現するなら、言葉通りの意味で「よくある」と言って良いと思います。
獲得していくカードそれぞれに抽象的な絵が描かれていて、それを(意図的・もしくは非意図的に)組み合わせると何かそれっぽい絵画的なものになります。そのため、条件達成のためだけに集めていたはずのカードが、得点化する時点で勝負に(ほとんど)関係ないところで、突然アート風な意味を持ちます。
効率良くリソースを集めるという無味乾燥な行為の結果が、魂を持った有機的な何かを生み出した、というこの出来事は、何だか無性に嬉しくなるものですね。利益追求の商業活動が、結果として社会貢献できててラッキーという感じ。しかし、決して逆(獲得点を下げてまで絵に注力する)にはならないところがポイントです。
デザイナーはきっと「どんな組み合わせでもそれっぽくなるアートワーク」の選定に苦労したでしょうし、それが楽しくて仕方なかったでしょうね。
個人的には、もう1展開欲しかったというのが本音です。完成させた絵を生かすルールも組み込めたと思いますが、おそらく重くなるので採用されなかったのでしょう。みんなの作品を集めて、Dixit的な遊びでもしたいところです。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (3.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (5.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (5.0 / 10) |