預言者か?はたまたトリックスターか?ヒントの存在が場を混乱させる新たなザ・マインド登場。(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
預言者のヒントがノイズになって、推理に気が向くザ・マインド。カードも1~50になってシビアに!!
預言者になると、引いたカードのうち何枚かを見ることができるのでとても楽しいです。
ザ・マインドの完成系だと思いました。ワンアイデアだった元作品を、誰も予想できない形へと昇華させた発展バージョンとして、奇跡の成立させましたね。
NEZおすすめ度: | (8 / 10) |
かやおすすめ度: | (8 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (8 / 10) |
Average: | (8 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
推理ゲームの方向に舵を切ったザ・マインド。
預言者と言う役職の入ったザ・マインドの新しいバージョンです。通常のザ・マインド同様、カードを昇順にプレイしていく事を目指す協力ゲームです。今回はオリジナルのデザイナー、ウォルシュに『ザ・ゲーム』のシュタウペが加わっています。
通常のザ・マインドと大きく異なる点として挙げられるのは、持ち回りで担当する預言者の存在です。
預言者は各ラウンド開始前に指定された枚数だけ使用するカードを確認する事が可能です。その後、ヒントとして指定された数だけ数字を記入して他のプレイヤーに公開します。その状態でザ・マインドを行います。
ザ・マインドは全員で精神統一したとこから始まり、手番関係なくカードを数字の小さい順にプレイしていくやつですね。もちろん、コミュニケーションを取ってはいけません。「そろそろ、出してもいいんじゃない?いいんじゃない?…なんで、誰も出さへんの!?」って心の中で叫ぶ感じです。
ソウルメイトでは、カードは裏向きでプレイされ、いったん全てのカードがプレイされた後に預言者だけが結果を確認します。結果が小さい順になっていれば、レベルクリアで公開されますが、そうでない場合、ライフを1つ失い、預言者は追加で1つ数字をヒントに書き足します。そして、同じ構成のカードでもう一度チャレンジとなります。
2回目のチャレンジになると、ヒント+前回配られたカード+今回配られたカードが、各プレイヤーの知りうる情報になります。そうなるとプレイヤーによってはカードの構成が分かってきたりして、「あ、てことは42は4枚目じゃない?」と言った感じで自分がいつカードをプレイしなければならないかが明確になってきます。もちろん、それを伝える術は持たないので、出そうと思ったら他のプレイヤーに出されて頭を抱える事も多いわけですけど。
ヒントを出す存在がいる&失敗したら同じカード構成でチャレンジすると言うルールにより、各プレイヤーがカード構成を徐々に知る事になり、本来感覚を合わせていくゲームであったザ・マインドから推理ゲームに近くなったような気がします。もちろん、本質的にはザ・マインドなので推理をしなくても良いと思うんです。しかし、情報がある意味ノイズとなって、それをさせないように意図されてるのではないかと感じました。数字が1~50と半分になったことで隣り合わせの数が存在する可能性が増えて、感覚を合わせるのもシビアになってますしね。
推理ゲームに近くなったと言うことで、感想戦が盛り上がるようになりました。あのヒントは何の意図があったのか?とか、カードの構成はどうだったとか。今までのザ・マインドとはひと味違う面白さがあるゲームです。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
かやのレビュー
預言者になってカードの中身を観れるのが楽しいザ・マインドソウルメイト
「ザ・マインドソウルメイト」は1〜50の数字カードをレベルごとに指定された枚数ランダムに引き抜き、プレイヤーは手札からそれぞれのタイミングで中央に手札を置いていき小さい順に数字を並べられたらプレイヤー全員の勝ち、というシンプルなゲームです。
またプレイヤーのうち1人は「預言者」となれます。「預言者」はレベルごとに決められた枚数のカードを見ることができ、いくつかの数字をプレイヤーに教えることができます。ただ、預言者も全てのカードを見られるわけではなく予言できてないものもあるのでヒントが余計にプレイヤーたちを混乱させたりして面白いです。
一緒に遊ぶ人との感覚のすり合わせになるので、気が合わないと全く面白くないかもしれないですが、めげずに何度が擦り合わせてみて欲しいです。(価値観ゲームは面子によって面白さがブレると思います。)
個人的には「預言者」としてカードの構成を見られるのがとても面白くルールはほんの少ししか変わってないのに「ザ・マインド」とは別物のゲームになっていたので「ザ・マインド」が好きな人もそうでない人も一度はプレイしてみて欲しいです。
不思議と後半は息もあってきて楽しくなってきたりするのである程度知っている人同士、あるいはこれから仲良くなりたいメンバーと、ボードゲームカフェで出会った全くの初対面の人と運試しするにもちょうど良い長さで10〜15分くらいでサクッと終われるので価値観のズレを楽しみながらプレイしてみてください。
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
やすやすのレビュー
バック・トゥ・ザ・パスト
数字カードをリアルタイムで昇順プレイしていく、ザ・マインド。あまりにも有名なカードゲームのため、ここでの説明は割愛いたします。しかしこの有名ゲームも発売当初は、「ゲームとは言い難いのでは…」なんてお門違いな批評にもさらされていました。
そこに役職と呼ばれる要素を追加した今作。プレーヤーの中から選ばれた1人が、その役職: 預言者となります。そのプレーヤーはラウンド開始時に数枚のカードの内容を予め知ることができるという能力を持ちつつ、他プレーヤーと同じように普通にゲームに参加します。また、一度挑戦に失敗すると山札すべての内容を知ることができ、その状態で再度試練に挑戦することができるようになります。
さて。便宜上では「預言」とは言うものの、実際のところこの預言者の役割は、表現としてはむしろ「タイムリーパー」と言うに相応しいでしょう。未来から過去へと時を遡ってきた時間旅行者。なんとこのザ・マインド・ソウルメイトほど「タイムリープ」という超常現象を体感できるゲームはぼくの知る限りでは他になく、まさにSFの世界を再現したかのような奇異な経験を、預言者プレーヤーにきっと味あわせてくれることでしょう。
そういった点からも、テレパスの体験がメインであった無印ザ・マインドとは一線を画していて、まったくの別ゲームであると言えます。別のゲームであり、当然別の体験です。
SFで散見されるタイムリープ。それはゲーム内では、いったいどういうことになるのでしょうか。それはつまり、タイムリーパー(預言者)が、未来に起こるすべての出来事を予め知っているということを指しています。どの数字が全体の山札に存在して、誰が何のカードを持っているのかを、ただ1人だけが(初トライ時なら一部、リトライ時ならすべてを)初めから分かっているのです。そしてそのままゲームを開始すれば、必ず失敗する悲しい未来に収束することすらも知っているのです。
そのためこのタイムリーパー役は、なんとか成功した未来の世界線に全員が移れるように、少しずつこの世界に存在する数字という鍵を手掛かりとして皆んなに示し、その掛け違えたボタンをほつれた糸を直す試みをしていくことになります。
この先に何が起こるかを予知して知っていたとしても、その未来を修正することは甚だ難しい、何度やり直しても失敗してしまう、という時間旅行者の矛盾や孤独の片鱗を感じられる、稀有で素晴らしいアイデアの作品です。気心の知れた仲間同士でぜひ一度はプレイしてみて欲しいユニークなゲームです。
以下の解法については、初めは知らないほうが面白いので記さないでおきますね!
ただひとつ、このゲームの欠点を挙げておきます。それは、前作でもあった解法が今回もほぼ有効である、ということです。そういうゲームであると言ってしまえばそれまでですが、とても面白いゲームであるだけに、なんとかそこを新ルールで乗り越えて欲しかったなと強く思います。
ルールの複雑さ: | (3 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (5 / 10) |
運の要素: | (7 / 10) |
おすすめ度: | (8 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |