手札6枚中4枚がオープンになっているですって!? 長崎が生んだ天才のバランス感覚。(ヒゲ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
いやぁ、ホント。こういうゲーム作らせたら斎藤さんの切れ味すごいよ。
伝統ゲームのような手触りのあるシンプルなカードゲーム。
それでもなんだか新しい。
ゴーアウトなんだけど、自ら和了らなくてもいいのが特徴。カード構成もいやらしい!!
とってもシンプルな大富豪。最初遊んだ時は伝統ゲームかと思っちゃった。
ヒゲおすすめ度: | (8.0 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
開拓者おすすめ度: | (8.0 / 10) |
Average: | (7.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
『トリックと怪人』『HEY YO』の斎藤さんが放つシビれる読み合いのカードゲーム。
ベスト人数は4人。
プレイ時間は20分ほど。収束性は高いのでだいだいこれくらいで終わる。
手札6枚のうち4枚も見えている状態で大富豪をやる感じのゲーム。
いやいや、4枚も見えていたら展開が丸わかりやん…と思うところですが、これがそうでもない。
見えていない2枚を予想してジリジリと読み合っていく感じ。
基本的には自分が上がること=手札をすべて出し切ることを目指すのですが、このゲームにはビッドがあります。手札が弱くても、誰が勝つかを正しく予想することで得点をすることができます。こういったゲームデザインはとても好みです。手札運で出し切りだけだとどうしようもない時もありますからね。
このビッドが効いていて、ちょっとゲームが分かってくるとわざとビッド先のプレイヤーが勝つようにトスを上げたりできるようになります。こうなってからがアツい。
なんかこういうトランプゲームが昔からあったと言われても信じるくらいトラディショナルなプレイ感です。※2022年のゲームです。
OPEN製作メモ|BrainBrainGames人の記憶は儚くしばらくすると驚くほど忘れてしまうので自分の記憶用として製作過程を残しておきます。 「オープン/OPEN」はゲームマーケット2022秋にて発売した同人ゲームです。 2015年に製作した拙作「麻雀拡張カード」というのがあります。 山札からカードを1枚めくり、そこに書いてあるルールに従ってプレイすることで通常...
斎藤さんのブログでも書かれているように、カード構成は『天九牌』を参考にしたそうです。
なるほどね~。確かに『天九牌』は構成というか強さがややこしいもんな。
それを見やすくするというところが着想の1つであるというのはとても興味深いですね。
斎藤さんの『トリックと怪人』に通じるようなシンプルで奥深いプレイヤー間でのやり取りがアツいゲームです。
執筆時点(2023.06)では、初版の通販は終了していますが、製品化の予定があるそうです。
買い逃した方はそちらを待つべし!
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (8.0 / 10) |
NEZのレビュー
プランBをどう描くのかが熱い、読み合いのゲーマーズゲーム。
大富豪のようなゴーアウトのカードゲームです。ただ、自分があがってもいいし他人にあがられても旨みがある(場合がある)のが特徴です。
プレイヤーには各ラウンド開始時に、2枚の非公開札と4枚の公開札を配られます。プレイヤーはそれらを出し切る事を目標とするわけですが、すぐにプレイが始まるわけではなく、カードが配られた後で『誰がこのラウンドで最初にカードを出し切るのか』を予想します。つまりは最初に賭けを行うわけですね。
ベストと思われる4人戦では、26枚のカードのうち、18枚(公開札16枚+手札2枚)が情報として提供されており、それらを確認しながら秘密裏に誰が勝つのかを賭けます。
賭けが終わったら、プレイの開始です。
カードの出し方はシングル出し、もしくは同じスートで同じランクのカードのペア出しになります。そして、次のプレイヤーからは、最初のプレイヤーが出したカード構成をフォローしながら、同じスートでより高ランクのカードをプレイします。出せない、または出したくない場合はパスになりますが、カードが流れずに再び手番が来るとカードを出しても良いと言う所謂ソフトパス形式になっています。カードをプレイしたプレイヤー以外が全員パスして手番が戻ってくるとカードは流れて、新たなカードをプレイすることが可能です。
カードの構成に妙があり、スートは黒と赤の2スートしかなく、ランクはAと2~10になっています。そして、黒はA、2~5、10は2枚ずつで黒の残りのカードと赤スートは全て1枚しかありません。
またAの存在が曲者で『10には勝てるが、それ以外には勝てない』カードとなっています。すなわち、10はAで勝たせるためのカードとして存在する事になります。なので、誰がAを持っているのかが重要になり、それを見越して誰が勝ちそうかを考えたりします。
それ以外にも誰が赤スートのカードを持っているのかや黒はペア出しができるかどうかなど、ヒントとなる情報は散りばめられているため、それらを考えながら見えない手札を予想しつつ、ゲームを進めていく感じになります。
ラウンドは最後の1人になるまで続けられ、順位に応じた得点が得られます。また、賭けが的中した場合は、的中した人数による得点(もちろん、当てた人数が少ないほど高得点です)が得られます。
基本的には早くゴーアウトする事を目指した方が良さそうに思いますが、盤面の状況を鑑みつつ、プランBとして賭けを勝ちに行くような遊び方もできる所は良くできていると思います。
カード枚数が少なく、システムもシンプルなのですが、考える事柄は多く一手の重みがあるため、比較的ゲーマーズゲームなのではないかと言う印象を受けました。賭け、そしてプレイ中も相手の出方を読み合いながら遊ぶのは難しさもありますが、濃密な駆け引きを楽しめるゲームではないかと考えています。
ルールの複雑さ: | (4 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7 / 10) |
運の要素: | (6 / 10) |
おすすめ度: | (6 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7 / 10) |
開拓者のレビュー
しんぷる・いず・べすと
すっっっっごくシンプルな大富豪です。なのに、「手札が見えてる」「勝者をビットする」という要素が入ることでものすごく面白いゲームになってます。
手札はたった6枚。色は赤と黒の2色。数字も2〜10とAのみという本当にシンプルな構成です。ただし黒と赤の配分は不均等で、赤の方が枚数が少なくなっています。
手札を配られるときに4枚は表向きで配られ、2枚は伏せて配られます。この見えているカードをもとに、誰が1番早く上がるかを予想します。自分が早く上がっても点が入るし、他人の上がりをを当てても点が入るので配られた手札に絶望することなくゲームを進められるのがとてもいいなと思います。しかも案外「お前が先に上がるんかーーい!!」な事態が起きるので、その意外性も楽しめます。
手札の出し方は1枚、もしくは2枚まとめて同じ数字のカードを出します。次に出す人は同じ構成でより数字の高いものしか出せません。ここで効いてくるのが先述した赤と黒のカード枚数の不均等です。黒は2枚ずつある札が多くある一方で、赤は1枚ずつしかありません。更にAは2〜9には負けるが10には勝つという特殊な勝利条件を持っているためどこで使うかが非常に重要になってきます。
とにもかくにも、手札を6枚プレイすれば1ラウンドが終わるのでとてもテンポよく遊べる非常に楽しいゲームです。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (8.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (9.0 / 10) |