お題の回答を出来るだけ書いて、どれだけ他人と被らずに答えられるかを予想する紙ペンゲーム。さて、いくつ書けるかな? (NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
クラマー&キースリングのパーティーゲーム。
ワードゲームだけど、得点化のためのシステムにひねりがあるところがさすが!
答えられる数を事前にビッドするのが面白いね。制限時間内に意外と思い付かない事も多いけど(笑)
これは「勝ち負けがあるゲーム」というより、コミュニケーションツールのひとつかな。参加者たちが共通の価値観を見出したら全員が勝者、という雰囲気があります。
ヒゲおすすめ度: | (6 / 10) |
NEZおすすめ度: | (6 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6 / 10) |
Average: | (6 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
ヒゲのレビュー
お題に対してたくさん書け!でもたくさん書けばいいってもんでもない!
え?クラマー&キースリング!?…と二度見してしまうゲーム。
クラマー&キースリングといえば怖い顔三部作こと『ティカル』『メキシカ』『ジャワ(リメイクでクスコ)』とか『トーレス』、近年でいえば『パリ』なんかが有名でしょうか。名作中量級ゲームをたくさん作っている名コンビ。
そんな二人が作ったワードゲーム。初版は1997年。2018年にリメイクが出ていて、私はリメイク版をプレイ。
基本的にパーティーゲームやワードゲームはあまりやらない私ですが、このコンビなら!…と和訳とローカライズをしました。
余談ですが、趣味でこういうお題カード山盛りのボードゲーム/カードゲームのローカライズをしています。面白そうなゲームでローカライズが必要なものがあれば赤い獅子舞と緑の狂信者まで。
ゲームシステムは基本的にはお題に当てはまる言葉を制限時間内に書いていけばいいだけ。ただそのあとそれを得点化するシステムにクラマー&キースリングの気の利いたひねりがある!…気がする。
正式なルールでプレイするとそこそこ時間がかかるので、だいたいいつも半分くらいにしてやってます。あと実はこのゲーム、ダイスゲーム版があってそちらもオススメですよ。(こっちはお題カードない)
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (6.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
NEZのレビュー
クラマー&キースリングプレゼンツ、エクストリーム山手線ゲーム
クラマーとキースリングの名コンビが送る紙ペンゲーム。お題の答えを制限時間内に書けるだけ書いていきます。
さて、面白いのはここからなのですが、書き終えたら他のプレイヤーと被らずにいくつ答えることが出来るのかを秘密裏に予想します。『被らずに』と言うのがポイントで、このゲームでは予想を一斉公開した後、予想値の小さいプレイヤーから、順に答えを発表していく事になります。
もちろん、先に発表されてしまったら、自分の答えから消さないといけないため、良い塩梅のところで予想値を出すのが、とても面白いです。「うわー!もう少し答えれたー!」と思わず言ってしまいます。
また、発表する時も「これはみんな書いてそうだから、消しとくか…」みたいに、ちょっとした攻撃をすることもできます。
欠点としては、ドイツ語のみであるため、和訳が必須な点とお題がドイツ向けなので、一部日本人向けのお題に改変した方がよいものがあるところです。また、お題の出方によっては、ゲーム全体の時間が思ったより長くなる事があるので、ある程度ラウンド数を決めておくなどの予防措置的な事をした方が良いかもしれません。
「メルケル首相に関すること」なんて、みんな分かりませんよね?
ルールの複雑さ: | (3.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (7.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
やすやすのレビュー
個人戦のクイズゲームと思いきや、真逆の印象、協力パーティーゲーム。
非常にレビューしにくいゲームです。
というのも、実際に感じたことをそのまま書くと自分の感性が世間と乖離してることが暴露され、かなり気まずいです…。いやぁ、自分が首をひねるようなゲームについて何かを書くことになるって、クロスレビューって奴はすごいですね、Sです、SはすごいのSです、発明です。自分1人のレビューサイトではありえないですよね。
しかし、書く!思ったことを書く!的外れでも書く!それがスタイルっ!先にごめんなさい。
さて。
ちょっとゲームとして考えることは難しいです。
すごくシンプルに説明しようとすると、やはり「山手線ゲーム」を並べて例示したくなりますが、実際は全く異なるように感じます。山手線ゲームは、知識(駅名)と駆け引き(どの駅名をどのタイミングで言うか)とアクション(リズムに合わせて言えるか)が問われ、これはぼくが思うところの「ゲーム」になっています。
ハステボルテも、知識と駆け引きとアクション(早く書くこと)が必要で、構成パーツは似ていますね。しかし、ハステボルテの持つ「関連ワードの解答は無効。それが関連ワードであるかどうかは参加者たち次第」という点が、このゲームの輪郭を、ぼくにとって急速におぼろげなものにさせます。
ぼくとしては、ゲームをゲームたらしめている大きな要因はルールだと思っているのですが、このゲームは「それは解答としてアリかナシか」という存在の根っこの部分の判断をルールに明記せず参加者に丸投げしています。カードに書かれた大量の問題は何でもない質問文ばかりで、特に気が利いているわけではありません。そのため「解答」はどのようにでも解釈することができてしまい、ずいぶんなおざりな印象を受けてしまいました。
ルールは仕方ないとして…。解答の有効性に疑義が生じないような問題に絞り込めば、正直かなり面白くなると思うんだけどなぁ…バッティングが面白いゲームだから。
もちろん大喜利のようなその場を楽しませるツールとしては十分機能しますし、かなり盛り上がって楽しいこと間違いなしですね。ただし大喜利と同じで、参加者との関係性や感性の一致感は重要だと思います。
一方、勝ち負けをつけるゲームとしては消化不良な感じです。まるで「答えを時間内に紙にできるだけ多く書いてバッティング」という食材(アイデア)を、調理せずに生のまま食べてしまったような感覚に陥ります。
これは、細かいルールを決めずに「なんとなく縛りがあるしりとりを始めちゃった」気分に近いかもしれません。固有名詞や動詞がアリだったりナシだったり、それが定義されないままその場の雰囲気や政治力で正解が決まってしまう空気感…うまく説明できないのですが、そういう香りがするのです…まぁ、大喜利とは本来そういうものですけど…。
きっとこの感覚を得る方が異端だと思いますので、どなたか賛同してくださる方がいれば嬉しいですけどね。
ルールの複雑さ: | (2.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (8.0 / 10) |
運の要素: | (5.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (3.0 / 10) |