制限時間内に取材から紙面の作成まで行うリアルタイムパズル!無理難題をクリアして新聞を発行だ!(NEZ)
ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値
制限時間ありのリアルタイムパズル。ワチャワチャ系かと思いきや、意外とちゃんと考える時間がある。
3ラウンド勝負するけど、ラウンドごとに記事の大きさが大きくなるから調整が難しい!
リアルタイムタイル配置競争で、ワイワイ騒ぎながら楽しむパーティーライクゲーム。
NEZおすすめ度: | (6.0 / 10) |
かやおすすめ度: | (7.0 / 10) |
やすやすおすすめ度: | (6.0 / 10) |
Average: | (6.3 / 10) |
各レビュアーによる個別レビュー
NEZのレビュー
4分間は意外と長い。
新聞記者として取材を行い、紙面を作り上げていくゲームです。デザイナーは『タイニータウン』や『ワームホール』のピーター・マクファーソン。ゲームはざっくり言うとリアルタイムで行うパズルです。
ゲームは3ラウンド。各ラウンドは取材フェーズと配置フェーズに分かれています。
取材フェーズでは、テーブルに裏向きで置かれたタイルをひたすらめくって、必要な物を自分のデスクの上に、不要なものは表向きで中央に戻します。タイルは4種類あって、それぞれ得点条件が異なります。
ちなみに目玉記事はラウンド開始前にオープンドラフトで獲得になるため、伏せタイルからは出てきません。
好きなだけデスクに積んだら「レイアウト!」と宣言をします。宣言したら、もうこのラウンド中はタイルを取ることはできません。
続いてのフェーズはタイルのレイアウトです。新聞を模した個人ボードのグリッドに沿ってタイルを配置していきます。この時、同じ種類のタイルは隣接できません。ただし、記事だけは色が一致しなければOK。さらに、毎ラウンド編集長的なキャラクターが、様々な条件を突きつけてくるので、それも満たすように配置していかないといけません。
さらには目玉記事もあるため、その条件も満たしていかなければいけません。守らないといけない条件がいくつも出てくるので、紙面の作成はなかなか頭を悩ませます。最終的に紙面が完成したら「プリント!」と宣言して着順のタイルを獲得して、終了です。
で。
これらを4分間(難易度によって3~5分)で行います。
ポイントなのは、意外と4分間は長いと言うことです。最初は「制限時間付いてるって事はあれでしょう?時間全然足りなくてワチャワチャしちゃうんでしょお?」って思って挑んだんですが、意外と時間が余る。どちらかと言うとしっかりタイルを吟味できる余裕があるんです。
ただ、それでも時間配分を誤ったり、意外と条件に合うような配置が出来なかったりすると、焦ってワチャワチャするわけですが。例えるなら、『学校の定期テストや資格試験の時に前半の問題に時間使いすぎて、後半の問題を解く時間がない』感覚に近いです。
さて、得点計算についてですが、タイルの得点の他には余白の大きさ比べによるボーナス点やペナルティがあります。もちろん、余白が小さい方が良いです。あとは、ムードによる減点なんかもあります。新聞なんだから良いニュースばっかりじゃなくて、バランス良く報道しなさいよと言う事です。
さらには、広告収入による足切りがあります。タイルの中で得点に絡まない広告はその代わりに収入をもたらします。収入はゲーム終了時に合計が一番少ないと、得点計算に参加させてもらえません。
ですので、広告は毎ラウンド相手の状況を見ながら、ギリギリ自分が最下位にならないように見定めてタイルを取っていく形になっていきます。ここら辺のせめぎあいも面白いところです。
制限時間のある中で、ちゃんと考えながらパズルを進めていくのが面白いゲームです。決して純粋なパーティーゲームのノリではないんですが、時間が無くなってきてるのに思ったようにタイルが配置できなくて、「ええい!ままよ!」と言った具合に「プリント!」と宣言したり、時間ギリギリまで置き方を模索したりとプレイヤーによって色々なプレイングを見ることが出来るところもなかなか良いですね。
イアン・オトゥールのイラストも美しく、良い感じに新聞が出来上がると、嬉しくなっちゃいます。リアルタイムのゲームだと比較的ワチャワチャしてしまうものが多いと思うんですが、しっかりと考えながらプレイできるゲームはなかなか珍しいのではないでしょうか。
ちなみに、ラウンドが進むと紙面は大きくなるので、前のラウンドと同じ感覚でいると時間が足りなくなるのは罠です。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (3.0 / 10) |
運の要素: | (6.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |
かやのレビュー
動物の能力を活かして新聞を作ろう。
フット・トゥ・プリントは新聞の編集者になり約4分間で記事を集め、集めきったら誌面に記事を配置していきます。
記事を持ってきながら、記事を配置するのではなく記事集めの仕事が終わって誌面の配置をはじめたら記事集めには戻れません。感覚だけでちょうど良くなるように記事を集めないといけないのが結構むずかしいです。記事を集めすぎて、デスクに記事が残ってもマイナス点、記事が空白だらけでもマイナスされるので”ピッタリ”を感覚だけで調整します。
この調整が難しく、記事の配置条件や得点条件を満たしながら新聞を作るのも難しいです。
毎ラウンドランダムで選ばれた動物の能力を使用することができ、プレイヤーの人数分最初に動物の能力を見ることができます。動物の選択は前のラウンドで早く記事を完成させた順に動物を選べます。
なので記事を手早く、上手に作りながらより強そうな動物の能力を選択する必要があります。覚える条件がなかなか多いのですが、制限時間があるのであまり悩んでいる時間はありません。
プレイ中は、みんなひとり言を言いながらパズルを楽しめます。イラストもおしゃれで記事が完成すると、タイルを配置するだけでも新聞らしくなり、それぞれの個性が出るのでみんなで完成した記事を振り返るのも面白いです。
ルールの複雑さ: | (5.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (4.0 / 10) |
おすすめ度: | (7.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (7.0 / 10) |
やすやすのレビュー
自分と他人の独り言が延々と鳴り響く4分間。
いつものようにルールなどについては他のレビュアーに任せるとして、ぼくはちょっとしたプレイの感想を書いてみたいと思います。
このフィット・トゥ・プリントは、リアルタイムタイル配置ゲームとしての王道のど真ん中にいますね。タイル取得フェイズとタイル配置フェイズが分離していて、元に戻れないことはちょっとした特徴にも思えますが、かと言ってそれほど大きなことでもありません。
モンド、ギャラクシートラッカーといった過去の名作の雰囲気を色濃く残しつつ、コンポーネントや細かいルール周りをスッキリさせ現代風に磨き上げた作品という印象です。そのため面白さは折り紙付き。皆んなで一心不乱に山からタイルを探し出し、喜びの声や憎しみの呪詛を吐き出す様子は間違いのない楽しさです。
ほとんどソロゲームといった様相で、他プレーヤーとのインタラクションは広告タイルの競争くらい。ただしそれも、相手がそのラウンド中に何枚の広告を獲得(する)したのかをチェックすることはほぼ不可能ですし、邪魔することもほぼできないので、おまけ程度に感じました。
最大の面白ポイントは、おそらく「何のタイルをそれぞれどれくらい確保したらいいのか見当もつかない」だと思います。また、ラウンドが進むと配置スペースが少しずつ広がり、せっかく分かった感覚が次ラウンドでは活かせない、というのもアツいポイントです。
そのため、このゲームはなんと言っても初プレイが面白いでしょう。何度かプレイを繰り返して感覚が分かってくると、別ゲームという雰囲気になってくるんじゃないかなぁなんて思います。実力差が如実に出やすいアクションパズルと言えるかな。
協力ゲームのルールもあるそうで、未プレイなんですがひたすら楽しそうですよw
こう言った点からも、アイスブレイクやちょっとした瞬間に軽く遊ぶゲームですね。瞬間の盛り上がりは確実に保証されているので、ここぞという場面と面子でプレイしたい楽しい作品となっているかと思います。
ルールの複雑さ: | (4.0 / 10) |
プレイヤー間の駆け引き: | (4.0 / 10) |
運の要素: | (7.0 / 10) |
おすすめ度: | (6.0 / 10) |
自分は好きですけ度: | (6.0 / 10) |