ラジオ放送
音声

【恋スパラジオ021回】
歩くことは”生きる事”
カミーノ最終日

~サンティアゴ・デ・コンポステーラより~

・フィステーラからムシアまでの道について
・北スペインで見つけた、透き通る綺麗な海
・静かで可愛い海辺の街ムシアとCosta da Morte(死の海岸)と呼ばれる荒海
・聖母マリアが舟に乗って現れたという場所、舟の聖母教会
・ムシアの見晴らしのいい丘
・全てやりきった後の二度目のミサ、二人がカミーノを振り返る
・ゆきーたが再生をしたいと考えた理由
・カミーノでシンプルな生活ができた事が印象的
・最後までリュックを軽くすることが出来なかったロミロミ
・沢山の巡礼者と関わる事で学んだもの
・「これが私達の巡礼です。」

様々な表情を持つムシアの海

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼49日目
@ムシア

2014/07/02 ゆきーた

巡礼49日目 
Muxía(ムシア)

本日巡礼最終日。
長い距離ということでいつもより早い出発。
7時頃アルベルゲを出発し、海から昇る朝日を眺めながらムシアに向かった。

様々な表情を持つムシアの海

様々な表情を持つムシアの海

昨日、ウンミョン(運命)の再会を果たしたドイツ人夫婦。
彼らも今日、ムシアに行くと言っていた。
私たちの周囲では、フィステーラまで行ってもムシアにも行くと言った人は彼らだけ。
仲間が出来た嬉しさで、歩く気力が増した。

フィステーラからムシアの道は、ムシアからフィステーラの道でもあるため、
あっちこっちに矢印があり、注意が必要。
二人で注意深く矢印とモホン(道標)を確認しながら歩いた。

休憩できる場所は約13㎞地点のみ。
民家の庭に置かれた屋根付きのテーブル1つ。
それがバルの役目。
家の人にコーヒーやボカディージョを注文するシステム。
そこから少し離れた庭にある、戸の閉まらないトイレも貸してくれる。
でもそれで充分。
ここでスタンプをもらい、再出発。

行けども行けども自分たちが今どの辺にいるのか、村や町がないのでわからない。
今日はロミーのランナーズハイってやつも出ない様子。
でもこれが出ると私は走って追いかけないといけないので、出なくてよかったのかも??

そういうことで、私たちはのんびりと、
昔のことや例え話、サンティアゴまでの道のりのことなどを話しながらムシアへ。

ムシアの海はとても綺麗でエメラルドグリーンから濃い青へと変化していく感じ。
砂は真っ白。浜辺から数メートルいくとすぐに山。潮風が心地よい。

実は二人とも、元々ムシアまで来る気はなかったことが、ムシアに着いてから発覚。
二人とも、お互いが行きたいのかと思っていた。
でも来れてよかった。
フィステーラもよかったけど、私はムシアのこと好きだな。

ムシアのアルベルゲに着いたのは、16:30頃。
サンティアゴに到着したときは、6人でゴールして、「ワー!ヤッター!」って感じだったけど、
フィステーラやムシアは叫ぶ感じじゃなかった。
「あーやっとここまで来たのかー」
と、静かに安堵した。

本当にこれで終わりなんだ。
あんなに逃げたかったのに、やっぱり少し淋しい。
明日からは矢印がないから、自分で道を決めなくちゃいけない。

巡礼を終えて思ったこと。
巡礼路は、私にとって
「人生の縮図」
みたいなものだった。
荷物が増えると自分を苦しめることになる。
歩く=生きる ことに必要な最低限のものだけ持っていれば、足腰、肩など体を痛めることはない。
たくさん荷物を持ちたいならば、それに見合う強い体が必要。
自分に合わない歩き方(長過ぎる距離など)をしていると、足にマメができて前に進みにくくなる。
充分に休んで、しっかり食事をとることの大切さ。
一人で歩いていたとしても、どこかで必ず人と関わるし、助け合いが必要であるということ。
様々な国の人がいて、それぞれの言葉や文化があり、それを受け入れあうこと。
自然の偉大さ。自分はとても小さいということ。
疲れたときに、教会に寄ると、心身ともに休まるということ。それは、人には心のよりどころ、信じるものが必要であるということ。

人生の大先輩である神夫妻に話したら、
「まだまだわかってないな!」
と、笑われてしまいそうだけど、
今の私が感じたのはそんなところかなー。

歩くことから解放されて、今日はよく眠れることでしょう。

おやすみなさい。
23:00 ムシアにて

ラジオ放送
音声

【恋スパラジオ019回】
大地・道・人・巡礼
~終わりあるもの~

第019回

~フィステーラより~
「再生の道、0㎞地点の大陸の果て」

・サンティアゴ・デ・コンポステーラから85㎞先の「地の果て」
・雨と風の中、何もない道をただひたすら歩く
・巡礼を始めてから、初めて目の前に広がる海を望む
・フィステーラで行われる巡礼者の行いとは
・サンティアゴ・デ・コンポステーラからの道はポンチョが大活躍!
・ひっそりとしたフィステーラへの道、カミーノを振り返る道
・こじんまりとした恐怖のアルベルゲ
・ゆきーたのフィステーラへの想い

フィステーラとムシアに分かれる道

【巡礼日記 by ロミロミ】
巡礼47日目
@セエ

2014/06/30 ロミロミ

巡礼47日目

Cee(セエ)

今日は15㎞程歩くつもりだった。
朝は8時近くにアルベルゲを出た。周りを見渡しても巡礼者はいない。
空もどんより灰色。
サンティアゴ・デ・コンポステーラを出てからこんな日が続いている。

フィステーラとムシアに分かれる道

フィステーラとムシアに分かれる道

泊まる予定だった村に到着したけど、バルが一軒あるのみでアルベルゲはない。
ゆきーたと話し、次の地点のCee(セエ)まで行くことに決めたのが14時近く。
しかもそこから15㎞程、山道で何もないという。
そのせいかそこのバルはぼったくり価格。
トルティージャとも言えないような薄っぺら卵焼きみたいなものが4ユーロもした!
そんな時間から15㎞歩く決意、集中するしかない。
なんだか風景も綺麗と言える程でもない。
しかも途中から強い風が出て、雨まで降ってきた。
雨使用の衣類装着!
BDさんがサンティアゴ・デ・コンポステーラで別れる時にくれたポンチョは大活躍。
BDさん、毎日使ってるよ~。

サンチャゴからの道のりはカミーノを振り返るにはちょうどよかった。
巡礼者の数はぐっと減り、とにかく静か。
それに合わせるかのように天気まで悪い。
15㎞の長い道のりは、雨が降り続けたから少しの休憩もできなかった。
それに加えて、下り坂は石がゴロゴロで何度も足をくじきそうになったり滑ったり。
ここまで来て試練だ。
雨用帽子で前も見にくい。
それでも気づけば、左横から港が覗いた。
巡礼路上で初めての海!!
今日は二人とも頑張った31㎞の距離。
明日のフィステーラまでの道のりが短くなったから少し楽になったかな。

本当にあと少し。
もう少しでこの原始的な生活も終わり。
神夫婦は孫とスペイン観光をしているだろう。
BDさんはマドリードでついに韓国料理を食べたとメッセージが来た
(もうすぐ帰国なのに・・・)
うえちゃんはどこに行っちゃったんだろう・・。

みんなそれぞれにサンティアゴ・デ・コンポステーラ後の生活をしている。
今頃みんなどんな事を考えているのかなぁ。
少しは私達を思い出してくれてるのかな。

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼46日目
@サンタマリーニャ

2014/06/29 ゆきーた
巡礼46日目
SantaMariña(サンタマリーニャ)

 サンティアゴからフィステーラまで歩く場合、1日30km前後の長い道のりを歩いて3日で目的地に着く巡礼者が多い。
今までのカミーノと違って、アルベルゲが少ないので歩かざるをえない、という理由がある。
しかし、今は途中に新しくアルベルゲができているため、必ずしも1日30km歩く必要はない。
私たちは、今日は21.5 km地点のアルベルゲに泊まることにした。

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

サンティアゴへ向かう道とフィステーラに向かう道はなんとなく違う。
気持ちの面が大きいのだろう。
サンティアゴに向かう道のりは「ゴール目指してがんばろう!」という感じ。
フィステーラに向かう道はなんとなくもの悲しい。
サンティアゴ出発から降っている雨のせいだけではないと思う。
皆と別れて、淋しいのだろうな。

そんな中、今日の休憩中、カミーノ上でよく見かける青年を発見。
ぽっちゃりした体型で背も高く、常にイヤホンをして歩いている。
バルやアルベルゲでは、たばことビール又はコーラ。
彼が他人と交流しているところを一度も見たことがない。
メリデで彼とアルベルゲが一緒になったとき、うえちゃんが声をかけてみたが一瞬で会話が終わった。

彼の後ろ姿を見つけてすぐにロミちゃんに報告!
「ロミちゃん!イヤホンの人!」
フィステーラに向けて出発してから、サンティアゴまでの道で知り合った人々と出会っていなかったから、
仲間を見つけた気がして嬉しかった。
ロミちゃんがイヤホンマンに英語で話しかける。
私たちのこと知っているか聞いたけど、知らないって。
イヤホンで自分の世界に入っているのでしょう。
でもうえちゃんのことは覚えていた様子。

イヤホンマンはドイツ人。
今日はどこまで歩くの?と聞くも、まだ決めていないとのこと。
初めてイヤホンマンの笑顔が見れて、私たちは満足し、また歩き出した。

長い長い道のりのあと(道間違えたので特に)、
最初のアルベルゲに到着。
12ユーロ
高いね。
次のアルベルゲへ。
10ユーロ
10ベッドのアルベルゲ。ここに決定。

他の巡礼者、誰も来ないなーなんて話していたら、男性の声。
現れたのは、まさかのイヤホンマン!!

なんて偶然、すごいね!
しかもこの村、店がないので外食しか手がない。
このアルベルゲでは8ユーロで夕食がいただける、とのこと。
もちろんお願いすることにした。
しかも!イヤホンマンも一緒!
他に巡礼者が来なかったため、3人で夕食(時間もテーブルも決められていたので)。
まさかこんな日が来るなんて笑
さらに驚いたことに、イヤホンマンも私たちと同じ日にサンジャンピエドポーを出発していた!
実は私、イヤホンマンをピレネーで見た記憶あるんだよ。
こんなに景色がよくて風の音が気持ちいいのに、イヤホンつけて歩いてる大きな男性は印象的だった。
記憶違いかと思っていたけど、やっぱりそうだわー

サンティアゴを過ぎてから、こんなウンミョン(運命)が待っていたとは。
この不思議な一本道。

ちなみに今日は、うえちゃんのことを思い出しながら歩いていた。
フィステーラに着いたら、うえちゃんにハガキを出そう、とロミーと話した。
うえちゃんは元気だろうか。

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼45日目
@ネグレイラ

2014/06/28 ゆきーた

巡礼45日目

Negreira(ネグレイラ)

今日からフィステーラへ再スタート。
その朝、大雨。
バケツをひっくり返したような雨の中、BDさんに別れを告げ出発した。

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

カテドラル前に来た時は横殴りの大雨。
ロミーが「台風じゃん!」と言うくらい。
台風なみの最初の試練をむかえ、カテドラルにも「また来るよー!」と別れを告げた。
雨は少しずつ小雨に変わった。
山を越えて道路に出るとカテドラルが見える。
もうこんなところまで来たのかぁー。
今日はアルベルゲに行っても神夫婦やセレブのうえちゃんもいない。
BDさんの撮影タイムもない。
すごく淋しい。
久しぶりの険しい道をロミーとひたすら歩きながら私はマサナオさんのことを思い出していた。
プライドが高くて、頑固で忘れっぽくて怒りっぽい。
尊厳の固まりみたいなマサナオさん。

ランチの為に訪れたパラドールで、席に着いた途端に涙を流し「本当にありがとうございました。」と私達に言った。
ロミーはまだしも、私なんてこんなにしょーもないことばっか考えてる人間で、学歴もない。
巡礼中は失礼な態度やキツイことも言ってしまった。
それでもマサナオさんは私達に怒ることはなかった。
どこの馬の骨ともわからぬ孫くらいの年齢の私達に、敬語で話していたマサナオさん。
グループ全員で行ったディナーの後も涙を流して別れを惜しんだ。

マサナオさんと別れてからマサナオさんの偉大さに改めて気づいた。
いつでも気づくのが遅いなぁ。
でもまた日本で会う約束してるしいっか。
帰国したら「吹田の祖父母」孝行させてもらおう。

残り4日、明日からも巡礼路のことを思い出し振り返りながらのんびり歩こう。
反省すべきことはたくさんあるし、時間も十分ある。
明日はどんなことを思い出すだろう。

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼44日目
@サンティアゴ・デ・コンポステーラ

2014/06/27 ゆきーた

巡礼44日目
(休息日)

Santiago de compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)

いやー疲れた。ここまで長かった。
一生この生活が続くのかとも思っていた。昨日ついにサンチャゴに到着。
カテドラルが改装中?ってのもあってかそんなにものすごい喜びはなかったけど、
ミサでボタフメイロを見ていたら今までのことが思い出されて感動して涙が出た。

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

その後ランチを済ませて寝転がってカテドラルを眺め、「あー本当にここまで歩いてきたんだな」としみじみした。
「ここまで歩けたよー!お母さーーん!」という気持ち。
バスが使いたくて仕方なかったし、全部ちゃんと歩くつもりなんてさらさらなかったけど、なんだかんだ文句言いながらここまで徒歩で来れた。
私にしてはよく頑張ったわ。
神夫婦にも涙、涙で「ありがとうね。」と感謝された。
私は誰かに感謝されたり。褒められたくて巡礼をしていたわけじゃないけど、
神夫婦と一緒に過ごせてよかったと思った。

あんなに団体生活が嫌で逃げたくて仕方なかったけどなんとか頑張れたのは、
友達と来たんだから友達と一緒にサンチャゴに行きたいという思いがあったからだろうなぁ。
ここで私だけどっか行ってしまったら、今まで築いてきたものが崩れてしまうのではないかとか色々考えた。
そう思うとやっぱりうえちゃんのどんでん返し事件は残念でならない。
私達はうえちゃんにすごくよくしてもらってたし、キツイ事も言われなかったから
こんな最後の最後に離れてしまうとは。
これが彼女の巡礼だったのか。

明日はフィステーラに行くためにまた歩き出す。
なぜフィステーラまで歩いていくの?と聞かれることもある。
サンティアゴまで歩き、フィステーラやムシアまではバスで往復する巡礼者が多いから。
なぜ?と聞かれると自分でもよくわからないけど、フィステーラの存在を知った時に
「私もそこまで行きたい。」と思った。
たぶん、昔の巡礼者と同じことをしたいんだと思う。
昔の人がもしかしたら家に帰れないかもしれない、死ぬかもしれない、
という危険を知ってでもヤコブ様の元に行きたい、願いを叶えたいと奇跡を信じて歩いた道を同じように歩きたいんだなー。
あ、でもフィステーラまでとなるとヤコブ様の元は訪れた後になるのか。
まーそれでもいいや。
とにかくフィステーラも歩くつもりで巡礼を始めてるのは事実。
きっとフィステーラに何かあるんじゃないのかな!?
こんなに行きたいんだからさー。

夜は私達とBDさんと巡礼者が集まるレストランでディナー。
BDさんが私のカミーノへの目的、きっかけ、終えてからの感想をインタビューした。
私は今の気持ちはもう巡礼なんてしたくない気持ちでいっぱいだけど、
もしかしたら何かのきっかけで来ることになるかもしれない、と答えた。

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼38日目
@パラス・デ・レイ

2014/06/21 ゆきーた

巡礼38日目

Palas de rei(パラス・デ・レイ)

私の目覚ましアラームはいつも5時くらいに鳴る。
たぶん周囲で一番早い。
でも実際に起きるのは7時くらい。
出発は7時40分。

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

言い訳させてもらうと、電気がつけられないまま暗い中で2段ベッド上段で準備するのはけっこう手間なのです。
あと、下段の人がすでに起きてて準備が重なるのもややこしい。
なので起きて誰もいなくなってからの出発になる。

アルベルゲはシャワー8にトイレ1か2の割合だから朝のトイレも大変。
朝はたいていトイレットペーパーもなくなってる。
朝、オスピタレロがいないので予備もない。
こんな生活もあと少し。
フィステーラまで行く人は少ないみたいなので巡礼者の数もぐっと減るだろうな。

今日は、セレブのうえちゃんとサエコさんと私でスーパーに買い物へ。
肉じゃがに入れる玉ねぎの数で揉める二人。
料理が得意でないので何も言えず立ち尽くす私。

外は一度大雨が降ったみたいだけど、それに全く気付かないくらいに玉ねぎでもめ、買い物から帰ってきた時は約1時間後。

主婦のプライドをかけた戦い。
二人の戦いもあと5日で見納め。