【巡礼日記 by ロミロミ】
巡礼10日目
@アソフラ

2014/05/24 ロミロミ

巡礼10日目
Azofra(アソフラ)

なんと、昨夜はドキュメンタリー映画製作をしているというオーストラリア人のアンドリューが神夫婦の撮影をしたいと声をかけてきた。
彼の父は日本人、母はドイツ人、話せる言葉は英語のみ。
私はアンドリューから、神夫婦との間の通訳をして欲しいと頼まれ、なんとか中学生英語でそれに応じた。
神サエ子さんは「化粧しなきゃ!」とメイク直しをしてインタビューに挑んだ。
アンドリューはカミーノを歩きながら何人かの撮影をしているらしい。

色々なところに配慮があるベントサのアルベルゲ お庭も綺麗

色々なところに配慮があるベントサのアルベルゲ お庭も綺麗

昨日泊まったベントサはアルベルゲが一軒のみ、スーパーもない田舎だ。
だけど私は巡礼路上、一番心に残るオスピタレラ(宿の女世話人)に出会い印象に残る宿となった。
オスピタレラの仕事に興味があったから質問をしてみた。
なぜなら巡礼路上で宿の世話人になるには、巡礼を経験していなければならない。
だからオスピタレロの人はみんな巡礼の経験者だ。
こんなスーパーもない田舎になぜ働きにきているのか?
ベントサのオスピタレラはオーストリア出身。
メキシコで全く違う仕事をしていたが、現在はアルベルゲでもう10年も働いているとのこと。
彼女は色んな所に目がゆき届く。
良く人を見ているなと感じる人だ。
「どうしてここで働いているの?」
と尋ねると「人が好きだから。」と言った。
「どうやってオスピタレラになったの?」と聞くと、「まずはサンティアゴ・デ・コンポステーラに行くこと。」と言われた。

次の日(今日)の朝アルベルゲを出発する時にありがとう。とお礼を伝えると
「彼ら(神夫婦)を助けてくれてありがとうね。」と返ってきた。
私は驚いた。
神夫婦はこの道の有名人だ。
そのお年でカミーノを歩くなんてなかなかできない事。
だけど私達は有名人お二人のただ隣にいる、黄門様の助さんと格さんのようなもので、周りから見たらそこらにいる日本人二人。
そんな私達の事を見てくれている人がいるのか・・。

確かに神夫婦は高齢で、言葉は本当に日本語しか話せない。
色々と物を失くしたりすることもあって一緒に探すことも時もある。
今日も朝から日記が無くなったと、部屋の巡礼者みんなで探した。
そんな感じでドタバタな事も多くて私とゆきーたは手を貸すことも多かった。
そんな様子を静かに見ていたようだ。
私は「彼らには助けが必要だと思うから。」と言ったところ、
「あなた達にもね。助け合ってサンティアゴ・デ・コンポステーラまで行くのよ。」と言われた。
そうだ、巡礼が始まってすぐの頃、歩くこととバックパックの重さで辛くて落ち込んでいた時に、神夫婦の少しずつでも一歩一歩前に進むその歩きの強さに私は助けられて、私だって頑張らなきゃどうするんだ!
と思ったんだった・・。
そのオスピタレラとの別れの時、私はHugをしたいという気持ちが自然と強く湧き上がってきた。
Hugをしながら嬉しくて、涙が出そうになってしまい彼女から離れた。
そしてアルベルゲを出発の時、彼女は何も言わず静かに私達4人を見送ってくれた。
たった1日だけの出会い。
だけどとても心に響いた。

教会の言葉より。
~巡礼者は幸いである。一歩戻って誰かを助けることの方が、わき目をふらずにただ前進することよりも
はるかに価値あることだということを見出すならば~

LINEで送る