Cee(セエ)の町

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼52日目
@サンティアゴ・デ・コンポステーラ

2014/07/04 ゆきーた

Santiago de compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)

全部歩いて今日、再びミサへ。
なんと今日もボタフメイロをみることができた。
シスターの歌声と、天井からさす光、ボタフメイロを振る6人の男性。全てに感動、そして淋しい気持ち。
今日は最後の収録。

Cee(セエ)の町

Cee(セエ)の町

よく考えたら、今までタラタラ喋ってしまっていたけど、あれでよかったのだろうかと今更心配になる。
ロミーは最初にサンティアゴに到着してから、2日に1回くらいのペースで「ゆきーたがいついなくなるやらと思っていたけど、ここまで来れてよかった」と言っていた。
そうか。私、そんなにいなくなりそうだったのか。
ロミーが何回も言うんだから、よっぽどだな。心配をおかけしまして、すいませんでした。

確かにレオン直前に、逃げ出したいピークを迎えて眠れなかった。
矢印も、団体生活も、英語にもイライラしてた。1人でどこかに行って、1週間くらいしたら再開しようかな、とか考えてた。
でもレオンで色んな人に助けられて、気持ちの切り替えができた。
しばらくは、相変わらず団体生活と英語がストレスになっていたけど、我慢できない程ではなくなった。

人と人はねぇ、ある程度の距離が必要なんだと思うのですよ。
一緒にいすぎると、良いところがぼやけてしまうことがあるから、少し隙間をあけることが大切なんじゃないか、と私はこのカミーノで実感しました。
まーとにかく歩けてよかった。
皆で一緒に歩けてよかった。
レオンで逃げてたら、一生ロミーとまともに顔を合わせられなくなってたと思うよ。
そうなるのが嫌だったからがんばった。
おかげで大好きな人達と、その後色んな思い出を作ることができた。
「巡礼で出会う人は特別な人」
逃げようとしてたとき、友人にもらったメールに書いてあった。
その時は、「知らん!そんなもん!」と思っていたけど、今となっては、本当にそうだと思う。

出会えた人、皆に感謝感激でいっぱいです。
辛いこと、楽しいこと、おいしいもの、キレイな景色。
たくさんの出来事を大好きな人達と共有できてよかった。
今振り返れば、こんなに幸せな49日間ってなかなかないよねー

自分の限界、弱いところも知れたし、なんとか復活できたし、とにかく1人にならなくてよかった。
1人は悪いことではないけど、今回の巡礼には、友達と仲間が必要不可欠でした。
「巡礼」は、私にとって「生きる道」。
ヤコブ様は、私にそれを教えてくれたんだろうな。

様々な表情を持つムシアの海

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼49日目
@ムシア

2014/07/02 ゆきーた

巡礼49日目 
Muxía(ムシア)

本日巡礼最終日。
長い距離ということでいつもより早い出発。
7時頃アルベルゲを出発し、海から昇る朝日を眺めながらムシアに向かった。

様々な表情を持つムシアの海

様々な表情を持つムシアの海

昨日、ウンミョン(運命)の再会を果たしたドイツ人夫婦。
彼らも今日、ムシアに行くと言っていた。
私たちの周囲では、フィステーラまで行ってもムシアにも行くと言った人は彼らだけ。
仲間が出来た嬉しさで、歩く気力が増した。

フィステーラからムシアの道は、ムシアからフィステーラの道でもあるため、
あっちこっちに矢印があり、注意が必要。
二人で注意深く矢印とモホン(道標)を確認しながら歩いた。

休憩できる場所は約13㎞地点のみ。
民家の庭に置かれた屋根付きのテーブル1つ。
それがバルの役目。
家の人にコーヒーやボカディージョを注文するシステム。
そこから少し離れた庭にある、戸の閉まらないトイレも貸してくれる。
でもそれで充分。
ここでスタンプをもらい、再出発。

行けども行けども自分たちが今どの辺にいるのか、村や町がないのでわからない。
今日はロミーのランナーズハイってやつも出ない様子。
でもこれが出ると私は走って追いかけないといけないので、出なくてよかったのかも??

そういうことで、私たちはのんびりと、
昔のことや例え話、サンティアゴまでの道のりのことなどを話しながらムシアへ。

ムシアの海はとても綺麗でエメラルドグリーンから濃い青へと変化していく感じ。
砂は真っ白。浜辺から数メートルいくとすぐに山。潮風が心地よい。

実は二人とも、元々ムシアまで来る気はなかったことが、ムシアに着いてから発覚。
二人とも、お互いが行きたいのかと思っていた。
でも来れてよかった。
フィステーラもよかったけど、私はムシアのこと好きだな。

ムシアのアルベルゲに着いたのは、16:30頃。
サンティアゴに到着したときは、6人でゴールして、「ワー!ヤッター!」って感じだったけど、
フィステーラやムシアは叫ぶ感じじゃなかった。
「あーやっとここまで来たのかー」
と、静かに安堵した。

本当にこれで終わりなんだ。
あんなに逃げたかったのに、やっぱり少し淋しい。
明日からは矢印がないから、自分で道を決めなくちゃいけない。

巡礼を終えて思ったこと。
巡礼路は、私にとって
「人生の縮図」
みたいなものだった。
荷物が増えると自分を苦しめることになる。
歩く=生きる ことに必要な最低限のものだけ持っていれば、足腰、肩など体を痛めることはない。
たくさん荷物を持ちたいならば、それに見合う強い体が必要。
自分に合わない歩き方(長過ぎる距離など)をしていると、足にマメができて前に進みにくくなる。
充分に休んで、しっかり食事をとることの大切さ。
一人で歩いていたとしても、どこかで必ず人と関わるし、助け合いが必要であるということ。
様々な国の人がいて、それぞれの言葉や文化があり、それを受け入れあうこと。
自然の偉大さ。自分はとても小さいということ。
疲れたときに、教会に寄ると、心身ともに休まるということ。それは、人には心のよりどころ、信じるものが必要であるということ。

人生の大先輩である神夫妻に話したら、
「まだまだわかってないな!」
と、笑われてしまいそうだけど、
今の私が感じたのはそんなところかなー。

歩くことから解放されて、今日はよく眠れることでしょう。

おやすみなさい。
23:00 ムシアにて

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼47日目
@セエ

2014/06/30 ゆきーた

昨日は、Santa Mariña (Maroñas)のアルベルゲに泊まった。
最初に見つけたアルベルゲは新しかったけど12€。
同じ村にもう一軒アルベルゲがあると知っていた私たちはそちらの宿の方が
安いのではと考え、更に進んだ。
村はずれに、信号もない1本道の道路。
そこに1軒の大きくて古いバル。
私たちが「ここかなあ」とのぞいていると、バルから女性出てきたので
聞いてみた。値段は10€。
じゃあここにしよう、ということでチェックイン。
そのバルが受付になっていて、アルベルゲはそのすぐ隣にある一軒家。
どうやら空き家をそのままアルベルゲにしているみたい。
なんだかカビ臭いけど、掃除は行き届いていてキレイ。
1階に2段ベッドが2台ある部屋が1室。
2階は屋根裏部屋みたいな感じ。
でも1段のベッドが6台。バスルームもある。
バスルームの前に大きくて重たそうな木箱が1つあり、ふたがあいていた。
私たちは2階を選び、その後、顔見知りのドイツ人青年が一人来て、巡礼者は3名となった。

0時過ぎくらいに消灯。
よく考えたら、玄関に鍵がなかったな。
開けっ放しか・・・田舎とはいえ、ここはスペインだよーと思ったけど、
階段上ってすぐのベッドに体の大きな青年が寝ていたので、
彼が防犯になってくれると信じることにした。

しばらくするとアルベルゲの外で飼っている犬(シェパードみたいな大型犬)がものすごい勢いで吠えだす。
今まで巡礼上で見かけた同類の犬たちは、私たちを見つけると吠えまくっていたけど、
ここの犬は、私が近づいてもこちらをチラリと見るだけで全く吠えなかった。
あの犬が吠えたのは、ここに着いてから初めて。
犬の鳴き声はなかなか止まない。
ロミーも「なんかおかしくない?」と言う。
ドイツ人も気になるようでゴソゴソしている。
見に行ってみようかな、と思ったけど、やめた。
そのうちおさまるかな、と。

その後、ロミーの寝息。
犬の鳴き声は止んだし、そろそろ眠れると思った頃、
1階に誰かが入ってきた気配。
その後、少し歩いて階段を上ろうとしてやめる、ような音。
ドイツ人も気にしている様子。
えぇー泥棒?なに、めっちゃ怖い。
そのうち静かになって、ドイツ人はイビキをかいている。

そろそろ眠れるか、と思った頃、また犬が吠えだす。
こんなに人通りのない、道路に面してるだけの宿、夜中に誰が来るわけ!?
そしてまた1階に人の気配。
なぜか突然、カラーーーーーンと音を立ててペットボトルが落ちる。
誰も動いていないのになぁ・・・気のせいかなぁ・・・

そーいや寝る前にロミーと話していたことを思い出す。
2階に上る階段の途中、壁に飾ってあった仮面。
イタリアの祭りでありそうな、ピエロみたいな仮面が2つ。
そして怪しいあの大きな木箱。

「あの木箱なんで蓋開けてあるんだろ、
もしかして夜中にあの仮面が箱に戻るとか!?」
「じゃ、蓋閉じたら戻れなくなるから、蓋開けとこうかー」

箱の後ろにコンセントがあったので箱の蓋を閉じて、
そこに携帯を置いて充電していた私たち。
冗談でそんなことを話し、蓋を開けておいた。

「やっぱり一時的でも箱の蓋閉めてらいかんかったんだろうか・・・」
眠れないのでそんなことを本気で考えてしまう。

このかび臭さが、余計な想像を更にかきたてる。

そういえばアルベルゲの女性が私たちを案内したときの第一声が気になったな。
「カミーノは初めて?」
なんでいきなりそんなこと聞いたんだろう。
リピーターならここは怪しいって有名なのかな・・・

目に見えぬものへの恐怖や泥棒への恐怖と戦っていたら、
いつの間にか眠っていた。

翌朝、歩きながらロミーに話す。
「昨日、人が入ってきたような音がしてさ。」
ロミーも気づいていたらしい。
「私は刃物で刺されることをイメージしてたよ。」
そうなんだ。てっきり寝てるのかと思ってた。
ロミーはペットボトルが落ちたことも知っていた。
更に、犬を飼っているロミーは、
「飼い主にあんなに犬が吠えるわけないよ」と。
そうか。
では、オスピタレロが夜中に見回りにきたのかも?なんてことも
想像してたけど、それも違うみたいね。

朝、1階に行ったら玄関の扉が少し開いていた。
最後に入ってきたのはドイツ人青年だったから、
彼がしっかり扉を閉めなかっただけ?
彼は私たちが出発するときまだ眠っていたから謎のまま。

少人数の家庭的なアルベルゲもいいけど、もうあんな怖い思いは嫌だ。
今日のCeeのアルベルゲは同じ部屋に20人以上。
この方が私は安心。
個室も当分避けたい。

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼46日目
@サンタマリーニャ

2014/06/29 ゆきーた
巡礼46日目
SantaMariña(サンタマリーニャ)

 サンティアゴからフィステーラまで歩く場合、1日30km前後の長い道のりを歩いて3日で目的地に着く巡礼者が多い。
今までのカミーノと違って、アルベルゲが少ないので歩かざるをえない、という理由がある。
しかし、今は途中に新しくアルベルゲができているため、必ずしも1日30km歩く必要はない。
私たちは、今日は21.5 km地点のアルベルゲに泊まることにした。

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

静かな道を和ませてくれる通りすがりの風景

サンティアゴへ向かう道とフィステーラに向かう道はなんとなく違う。
気持ちの面が大きいのだろう。
サンティアゴに向かう道のりは「ゴール目指してがんばろう!」という感じ。
フィステーラに向かう道はなんとなくもの悲しい。
サンティアゴ出発から降っている雨のせいだけではないと思う。
皆と別れて、淋しいのだろうな。

そんな中、今日の休憩中、カミーノ上でよく見かける青年を発見。
ぽっちゃりした体型で背も高く、常にイヤホンをして歩いている。
バルやアルベルゲでは、たばことビール又はコーラ。
彼が他人と交流しているところを一度も見たことがない。
メリデで彼とアルベルゲが一緒になったとき、うえちゃんが声をかけてみたが一瞬で会話が終わった。

彼の後ろ姿を見つけてすぐにロミちゃんに報告!
「ロミちゃん!イヤホンの人!」
フィステーラに向けて出発してから、サンティアゴまでの道で知り合った人々と出会っていなかったから、
仲間を見つけた気がして嬉しかった。
ロミちゃんがイヤホンマンに英語で話しかける。
私たちのこと知っているか聞いたけど、知らないって。
イヤホンで自分の世界に入っているのでしょう。
でもうえちゃんのことは覚えていた様子。

イヤホンマンはドイツ人。
今日はどこまで歩くの?と聞くも、まだ決めていないとのこと。
初めてイヤホンマンの笑顔が見れて、私たちは満足し、また歩き出した。

長い長い道のりのあと(道間違えたので特に)、
最初のアルベルゲに到着。
12ユーロ
高いね。
次のアルベルゲへ。
10ユーロ
10ベッドのアルベルゲ。ここに決定。

他の巡礼者、誰も来ないなーなんて話していたら、男性の声。
現れたのは、まさかのイヤホンマン!!

なんて偶然、すごいね!
しかもこの村、店がないので外食しか手がない。
このアルベルゲでは8ユーロで夕食がいただける、とのこと。
もちろんお願いすることにした。
しかも!イヤホンマンも一緒!
他に巡礼者が来なかったため、3人で夕食(時間もテーブルも決められていたので)。
まさかこんな日が来るなんて笑
さらに驚いたことに、イヤホンマンも私たちと同じ日にサンジャンピエドポーを出発していた!
実は私、イヤホンマンをピレネーで見た記憶あるんだよ。
こんなに景色がよくて風の音が気持ちいいのに、イヤホンつけて歩いてる大きな男性は印象的だった。
記憶違いかと思っていたけど、やっぱりそうだわー

サンティアゴを過ぎてから、こんなウンミョン(運命)が待っていたとは。
この不思議な一本道。

ちなみに今日は、うえちゃんのことを思い出しながら歩いていた。
フィステーラに着いたら、うえちゃんにハガキを出そう、とロミーと話した。
うえちゃんは元気だろうか。

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼45日目
@ネグレイラ

2014/06/28 ゆきーた

巡礼45日目

Negreira(ネグレイラ)

今日からフィステーラへ再スタート。
その朝、大雨。
バケツをひっくり返したような雨の中、BDさんに別れを告げ出発した。

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

サンチャゴにしばしのお別れ。ガリシア特有のHorreoオレオという高床式倉庫

カテドラル前に来た時は横殴りの大雨。
ロミーが「台風じゃん!」と言うくらい。
台風なみの最初の試練をむかえ、カテドラルにも「また来るよー!」と別れを告げた。
雨は少しずつ小雨に変わった。
山を越えて道路に出るとカテドラルが見える。
もうこんなところまで来たのかぁー。
今日はアルベルゲに行っても神夫婦やセレブのうえちゃんもいない。
BDさんの撮影タイムもない。
すごく淋しい。
久しぶりの険しい道をロミーとひたすら歩きながら私はマサナオさんのことを思い出していた。
プライドが高くて、頑固で忘れっぽくて怒りっぽい。
尊厳の固まりみたいなマサナオさん。

ランチの為に訪れたパラドールで、席に着いた途端に涙を流し「本当にありがとうございました。」と私達に言った。
ロミーはまだしも、私なんてこんなにしょーもないことばっか考えてる人間で、学歴もない。
巡礼中は失礼な態度やキツイことも言ってしまった。
それでもマサナオさんは私達に怒ることはなかった。
どこの馬の骨ともわからぬ孫くらいの年齢の私達に、敬語で話していたマサナオさん。
グループ全員で行ったディナーの後も涙を流して別れを惜しんだ。

マサナオさんと別れてからマサナオさんの偉大さに改めて気づいた。
いつでも気づくのが遅いなぁ。
でもまた日本で会う約束してるしいっか。
帰国したら「吹田の祖父母」孝行させてもらおう。

残り4日、明日からも巡礼路のことを思い出し振り返りながらのんびり歩こう。
反省すべきことはたくさんあるし、時間も十分ある。
明日はどんなことを思い出すだろう。

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼44日目
@サンティアゴ・デ・コンポステーラ

2014/06/27 ゆきーた

巡礼44日目
(休息日)

Santiago de compostela(サンティアゴ・デ・コンポステーラ)

いやー疲れた。ここまで長かった。
一生この生活が続くのかとも思っていた。昨日ついにサンチャゴに到着。
カテドラルが改装中?ってのもあってかそんなにものすごい喜びはなかったけど、
ミサでボタフメイロを見ていたら今までのことが思い出されて感動して涙が出た。

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

巡礼者は寝転がってサンチャゴの大聖堂を眺める

その後ランチを済ませて寝転がってカテドラルを眺め、「あー本当にここまで歩いてきたんだな」としみじみした。
「ここまで歩けたよー!お母さーーん!」という気持ち。
バスが使いたくて仕方なかったし、全部ちゃんと歩くつもりなんてさらさらなかったけど、なんだかんだ文句言いながらここまで徒歩で来れた。
私にしてはよく頑張ったわ。
神夫婦にも涙、涙で「ありがとうね。」と感謝された。
私は誰かに感謝されたり。褒められたくて巡礼をしていたわけじゃないけど、
神夫婦と一緒に過ごせてよかったと思った。

あんなに団体生活が嫌で逃げたくて仕方なかったけどなんとか頑張れたのは、
友達と来たんだから友達と一緒にサンチャゴに行きたいという思いがあったからだろうなぁ。
ここで私だけどっか行ってしまったら、今まで築いてきたものが崩れてしまうのではないかとか色々考えた。
そう思うとやっぱりうえちゃんのどんでん返し事件は残念でならない。
私達はうえちゃんにすごくよくしてもらってたし、キツイ事も言われなかったから
こんな最後の最後に離れてしまうとは。
これが彼女の巡礼だったのか。

明日はフィステーラに行くためにまた歩き出す。
なぜフィステーラまで歩いていくの?と聞かれることもある。
サンティアゴまで歩き、フィステーラやムシアまではバスで往復する巡礼者が多いから。
なぜ?と聞かれると自分でもよくわからないけど、フィステーラの存在を知った時に
「私もそこまで行きたい。」と思った。
たぶん、昔の巡礼者と同じことをしたいんだと思う。
昔の人がもしかしたら家に帰れないかもしれない、死ぬかもしれない、
という危険を知ってでもヤコブ様の元に行きたい、願いを叶えたいと奇跡を信じて歩いた道を同じように歩きたいんだなー。
あ、でもフィステーラまでとなるとヤコブ様の元は訪れた後になるのか。
まーそれでもいいや。
とにかくフィステーラも歩くつもりで巡礼を始めてるのは事実。
きっとフィステーラに何かあるんじゃないのかな!?
こんなに行きたいんだからさー。

夜は私達とBDさんと巡礼者が集まるレストランでディナー。
BDさんが私のカミーノへの目的、きっかけ、終えてからの感想をインタビューした。
私は今の気持ちはもう巡礼なんてしたくない気持ちでいっぱいだけど、
もしかしたら何かのきっかけで来ることになるかもしれない、と答えた。

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼38日目
@パラス・デ・レイ

2014/06/21 ゆきーた

巡礼38日目

Palas de rei(パラス・デ・レイ)

私の目覚ましアラームはいつも5時くらいに鳴る。
たぶん周囲で一番早い。
でも実際に起きるのは7時くらい。
出発は7時40分。

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

サンティアゴ・デ・コンポステーラまで残り5日

言い訳させてもらうと、電気がつけられないまま暗い中で2段ベッド上段で準備するのはけっこう手間なのです。
あと、下段の人がすでに起きてて準備が重なるのもややこしい。
なので起きて誰もいなくなってからの出発になる。

アルベルゲはシャワー8にトイレ1か2の割合だから朝のトイレも大変。
朝はたいていトイレットペーパーもなくなってる。
朝、オスピタレロがいないので予備もない。
こんな生活もあと少し。
フィステーラまで行く人は少ないみたいなので巡礼者の数もぐっと減るだろうな。

今日は、セレブのうえちゃんとサエコさんと私でスーパーに買い物へ。
肉じゃがに入れる玉ねぎの数で揉める二人。
料理が得意でないので何も言えず立ち尽くす私。

外は一度大雨が降ったみたいだけど、それに全く気付かないくらいに玉ねぎでもめ、買い物から帰ってきた時は約1時間後。

主婦のプライドをかけた戦い。
二人の戦いもあと5日で見納め。

サリアからは団体巡礼者が増えた。休憩中もビールを飲んで楽しむスペイン人巡礼者

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼37日目
@ポルトマン

2014/06/20 ゆきーた

巡礼37日目

Portmarin(ポルトマリン)

今日からペレグリーノ(巡礼者)がものすごく増えた。
きれいなリュックにきれいな靴。
気持ちも高ぶってるみたいで「Buen camino!」と言われることもまた増える。
37日前の私だな。

サリアからは団体巡礼者が増えた。休憩中もビールを飲んで楽しむスペイン人巡礼者

サリアからは団体巡礼者が増えた。休憩中もビールを飲んで楽しむスペイン人巡礼者

サン・ジャンから出発した人達は途中皆疲れた表情をしていることが多く、
声をかけあうことは前半より減ったけど、今日からまた新しい仲間が増えた。

公営アルベルゲは若者も多い。
中高生くらいの子たちが団体で参加しており、部屋の中はコソコソ話の声と笑い声が響いている。
この空気の違い。

最近思うのは、ペレグリーノは一種の観光客とされている、ということ。
基本的にアルベルゲやオスピタレロはボランティアや寄付で成り立ってるらしいけど、バル併設のところはどうなんだろ?
観光地の宿みたいに客の呼び込みみたいなことをしているところもある。

本当に宗教心が強くて巡礼をしている人もいれば、友達作りの場としている人や、運命の人との出会いを求めている人もいる。
私が想像していた巡礼とはちょっと違うみたい。
でもこの巡礼路が世界遺産になったことで観光客が増え、この国の経済に役立っていることは確かだろうしいいことなんだろうなぁ。
ただの観光客となるか、出会いを求める若者となるか、本当の巡礼者となるか、それは気持ちのもち次第なんだろうなぁ。

私にとっての苦行・・・歩くこと、団体生活、英語。
あと少し、がんばろー!

ガリシアはチーズも豊富。言葉もガリシア語に変わった

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼36日目
@サリア

2014/06/19 ゆきーた

巡礼36日目

Sarria(サリア)

今日はついにサリア。
巡礼証明書は残り100㎞の道のりを歩いても発行されるのでここから始める人も多いらしい。
そしてここから巡礼者が一気に増えるのでアルベルゲも増えるし、値段も上がる。

ガリシアはチーズも豊富。言葉もガリシア語に変わった

ガリシアはチーズも豊富。言葉もガリシア語に変わった

サリアの公営アルベルゲは6ユーロと安いけど40ベッドしかない。
しかもキッチンはあっても食器や調理器具がない。
ガリシアに入ってからそういう公営アルベルゲが多い気がする。

今日は7:30に出発して15時過ぎに着いたので、公営は満室。
なので私営の10ユーロのアルベルゲへ。
でもいい匂いがするし、バスタオル付き。
キッチン器具も整っている。
シャワー2つでトイレ一つっていうのが気になるが・・・。
トイレはあまり重要じゃないみたいだね。

ここからサンティアゴまであと1週間。
最近歩くことがおっくうでなかなか進まず、朝も起きれない。
景色を楽しむこともあまりない。
今日、セレブのうえちゃんが「あと少しで終わりだね。淋しいけー」
と言っていた。そうか、そういえば巡礼が近づくと淋しいって誰かが言ってたな。
私は早く終わりたくて仕方ないよ。

日本に帰りたいのではなく、早く巡礼生活から抜け出したいよー。

巡礼路にコウノトリを発見!

【巡礼日記 by ゆきーた】
巡礼27日目
@ビジャダンゴス・デル・パラモ

2014/06/10  ゆきーた

巡礼27日目 

Villadangos del paramo (ビジャダンゴス・デル・パラモ)

昨日、寝る前にアルベルゲの窓からカテドラルを見た。
風が心地よくて、とてもキレイだった。

巡礼路にコウノトリを発見!

巡礼路にコウノトリを発見!

朝、都会の矢印を見落としやすい私はうえちゃんと一緒に歩いてもらった。
今日も歩き始めて30分くらいで左肩と背中が痛くなる。
肩と背中が痛い、と言うと、うえちゃんが「タオルはさんでみる?ほら、ここでやってみよう」と言ってくれた。
レオンのパラドール前のベンチに座り、タオルを持っていない私はリュックから長袖Tシャツを取り出し、うえちゃんがそれを左肩にはさんでくれた。
あーラクだ。
「ズレたらまた入れてあげるけん、言いなーよ!」
その後もこまめに私のリュックの具合をチェックしてくれるうえちゃん。山歩きベテランのうえちゃんは、歩き方の助言もくれる。
ありがたや。

そのうちロミーも加わり、道中はうえちゃんの昔の恋愛話で花が咲く。
カミーノ上で、女子3人恋愛トークができるなんて想像もしてなかったな。

アルベルゲに着いてから昼食をとり、昼寝をしていたところ、うえちゃんに「ちょっと来て」と起こされる。
やはり今日もモチーラ(リュック)問題。
オスピタレロに聞いたところ、昨日泊まったレオンのアルベルゲにうえちゃんと神夫妻のモチーラが置きっ放しになっているとのこと。
優しいオスピタレロ。運送屋と昨日のアルベルゲに電話で確認してくれたらしい。
昨日のアルベルゲのオスピタレロが運送屋への連絡を忘れたのか、運送屋がそこに寄るのを忘れたのか定かではないが、最終的には20€支払えば1時間でこのアルベルゲに運んでくれると。
「昨日(オスピタレロに)確認したときは、大丈夫やー言うてたのに、もー!」
いつもは仏様のように優しいさえこさんも怒っている。
私もつい、「またモチーラ⁉」と怒ってしまう。

でもここは日本ではない。
そういうこともあるでしょう。
起きてしまったことは仕方がない。
怒ってもモチーラは届かない。
20€で届けてくれるなら、まあいいか。
オスピタレロにお願いして待つことになった。

その後、久しぶりにさえこさんと2人で話した。
最近、疲れもあってかイライラして穏やかではなかった私にも、さえこさんは優しい。

さえこさんは、実は英語が話せるのかな?何か特別な能力を持っているのかな?と思うくらい、超越した動きができる。
まず、道に迷わない。外国人とコミュニケーションがとれる。

でも私達がそばにいると、すぐに助けを求めてしまう。
助けを求めることは決して悪いことじゃないけど、できることをできなくさせてしまっているのは私達なのかな?と思うことがある。
一緒にいなくちゃいけない、と思うことは、私の思い上がりなのでは、と思ったりしていた。
「お世話になりっぱなしでごめんね。」とさえこさん。
私はお世話らしいことは何もしていない。でも思っていたことを伝えてみた。
「さえこさんはできることが多いのに、私達がそばにいるとどうしても頼ってしまうから。できないことは私なりに手伝うけど、私達も限られた時間の中でやりたいことがあるから、できることはやってほしいな。」
そう言うとさえこさんは、
「そうだね。がんばります。」と笑顔で言った。

こんなこと言ってよかったかなぁ、とも思ったけど、ずっとモヤモヤしていたことを伝えたらスッキリした。

そしてこれからも、皆で一緒にサンティアゴまで歩きたいな、と思った。