スペースベース / Space Base

レビュー記事開拓者好きなんですけ度☆8以上
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デザイナー: John D. Clair
アートワーク: Chris Walton
出版社Alderac Entertainment Group(cited from), Arclight
参照 BoardGame Geek

宇宙艦隊を派遣して、星域を支配しよう!ダイス目に翻弄される拡大再生産ゲーム。(NEZ)

ボドゲレビュアーズによるオススメ度の一覧と平均値

NEZ
NEZ

ダイスを振って、出た目に応じて資源や勝利点が貰える拡大再生産!他のプレイヤーがダイスを振った時にも報酬が貰えるのがいいね!

えんづ
えんづ

サイコロ好きはぜひ!!

やすやす
やすやす

ダイスを使った、インタラクションの少ない拡大再生産ゲームですね。ままならないダイス運、というものを感じるのには最適なゲームです~。スペースベースというよりスペースレース、というのが感想になりますね。

NEZおすすめ度:7 out of 10 stars (7.0 / 10)
えんづおすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
やすやすおすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
Average:6.3 out of 10 stars (6.3 / 10)

各レビュアーによる個別レビュー

NEZのレビュー

ダウンタイムの発生しにくいダイスロールゲーム。宇宙艦艇はロマン。

宇宙艦隊を率いて、色んな宙域に派遣して色々と稼ぎましょうと言うゲームです。
テーマがもういいですね。宇宙艦隊とかロマンしかないです。個人的にガンダムとか大好きなので、こういうテーマはすごく好きです。特に全ての艦艇に名前がついてるとか最高。○○級××とか何それカッコいい。「MS-06K ザクキャノン」とかそういう感じの細かいところまで凝っていてたまりません(この型式番号の”K”とか最高ですよね。伝われ、この思い)

こほん。

さて、ゲームについてですが、比較的シンプルなダイスロールに一部特殊効果を追加した感じのゲームとなっています。ゲームの流れは、お金を貯める→艦艇を購入してアクションを強化を繰り返しながら、最終的には規定の勝利点を獲得する形で進行していきます。所謂、拡大再生産ですね。資源もお金しかないので、「あれが足りない、これが足りない。」みたいに右往左往する事もありません。このシンプルな作り込みは、比較的ゲーム初心者の方にも入り込みやすいのではないかと思います。

個人ボードは1~12までの数字とその目に応じた艦艇が配備されており、手番になると、ダイスを2つ振って出た目に応じた艦艇のアクションを行います。そして、その後艦艇や基地(高い勝利点を獲得出来る代わりに、それ以上その番号に艦艇を追加できない)を購入します。特徴的なのは艦艇には自分の手番に実行するアクションと、それ以外のプレイヤーの手番時に実行できるアクションがある事でしょうか。これはどういう事かと言うと、艦艇には配置できる場所が指定されており、艦艇を新規に購入すると、それまでその番号に置かれていた艦艇はその番号の星系を巡回する事になり、個人ボードの上部にセットされ、手番外アクションになると言う事です。
これにより、ゲーム序盤は自分の手番以外は見ている事しかできないのが、だんだんと中盤から終盤にかけて、他のプレイヤーが出した目に応じて、自分もアクションできるようになっていきます。この仕組みはダウンタイムが発生しづらい事に寄与しているように感じます。
手番外のアクションは累積していくので、戦略次第では手番時のアクションよりも強化される事があり、幅広く待ちを作るのか、それとも1カ所を強化して先鋭化するのかが面白いところです。カードの中には特殊なアクションとして、ダイス目を+1したり、隣のアクションを行ったりするものもあるので、1カ所を強化しても意外と実行できたりします。

メインはダイスロールになるので難しい事はないのですが、慣れないうちは意外と処理に困ってしまうアクションがある印象が強く、最初のうちは無難なアクションを選びがちになる気がします(個人的にはこの部分がマイナスポイントです)。それでも、システムがシンプルな分、初心者の方から幅広く受け入れられるゲームではないかと思います。

ちなみに、執筆時点で海外では複数の拡張が発売されており、人気の高さが伺えますね。

こんな人におすすめ

ダイスゲームが好きな人、ボードゲーム初めましての人

ルールの複雑さ:6 out of 10 stars (6 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:5 out of 10 stars (5 / 10)
運の要素:7 out of 10 stars (7 / 10)
おすすめ度:7 out of 10 stars (7 / 10)
自分は好きですけ度:5 out of 10 stars (5 / 10)

えんづのレビュー

さいころ振って勝利を目指すお手軽ギャンブルゲーム。

薄々お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私の大好きなさいころゲームです。

ざっくり言うと1〜12のスペースを徐々に強化していって、勝利点40点を目指すゲームです。自分の手番にやることはいたってシンプルで、①2個のサイコロを降る②サイコロの出目に対応するスペースの効果を発動する③カードを買うの3つです。

カードの効果にはざっくりお金を増やすもの、得点を増やすもの、特殊効果の3つがありまして、どこを伸ばして勝利を目指すか色々戦略を選べるのがこのゲームの楽しいところです。

黄色の丸がお金、ロケットが勝利点、文字が書いてあるのが特殊効果です。文字…もうちょい読みやすくならんかな…。

得点が増えないと勝てないのですが、強い効果のカードを買うにはお金がいるので、どこで点数を稼ぎに行く方に舵を切るかの見極めがこのゲームの醍醐味だと思います。さらに、小さい数字のカードは効果が弱いけど打率は高い。大きい数字のカードは効果は強いけど打率が低い…と、程よく悩みどころのあるところが楽しいゲームです。

ただ、1つ残念な点として、特殊効果がやや分かりづらいです。文字が小さくて読むのがめんどくさいのもあり、ついつい分かりやすい得点や点数のカードに手が伸びてしまいます(苦笑)しかしそこをぐっとこらえて特殊効果のあるカードを買うと、大どんでん返しのドラマが起こってゲームがより楽しくなります!

このゲームの大きな特徴の1つに、相手のサイコロでも効果が発動するというのがあります。カードには青い部分と赤い部分があって、青は自分のサイコロの出目赤は他の人のサイコロの出目が適応されます。青は1枚分しか使えませんが、赤はおなじスペースのカードを集めていけば複数枚効果を適応できます(文字での説明が難しいので写真を参照してください)。

写真の状態だと、自分の出目で7が出ると4金入る(青い部分を適応)だけですが、相手の出目で7が出ると6金+1収入(上向きになってる赤い部分を適応)があがります。

プレイ人数が多くなればなるほど、この赤の部分の効果が大事になってきます。自分のターンで発動する青より、相手のターンで発動する赤のほうが発動回数が多くなるからです。自分の欲しいカードを取りつつ、相手のほしそうなカードをカットしつつという駆け引きも生まれます。

とはいってもさいころゲームなので、結局のところ出目次第なのが楽しいゲームです。最終ターンまで0点でも勝つこともあります。さいころ振って一喜一憂を楽しんでください!!

こんな人におすすめ

サイコロが好きな人。
30分くらい遊びたい人。

ルールの複雑さ:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:3 out of 10 stars (3.0 / 10)
運の要素:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
おすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
自分は好きですけ度:10 out of 10 stars (10.0 / 10)

やすやすのレビュー

宇宙にも神さまがいたけどむしろ神さましかいない(他のプレーヤーの存在を感じないよ)

スペースベースは、日本で話題になり始めてから今に至るまで、常に「宇宙街コロ」と例えられてきたように思います。今回は、良くも悪くも「そうじゃない」と感じた部分を書いていくことにします。この街コロと異なる部分がレビューする重要度が高いと思っていて、そこがスペースベースの特徴だと感じているからなのです。

さて。長々と文章に書いても仕方ないので、「大事そうなこと」を以下にまとめました。何度も遊ぶうちに感じた気になること集、みたいなもんですね~。

街コロと比べるとこんな感じ
  • 直接攻撃を行う手段は、ほとんどない。
  • 処理が複雑な能力要素がわりとある。
  • フレーバーは空気。
  • 拡大再生産の感覚が濃い。

それぞれを、長所・短所に置き換えて説明してみますね。

「直接攻撃を行う手段がない」こと。何と言ってもこれが最大の違いです。相手のリソースを減らしたり、能力を抑えるような行動はほとんどないと言ってもいいと思います。唯一の方法が、「(メタによる)コミュニケーションでコントロールする」と言ってしまいたくなるくらいです。
そのため、有利なプレーヤーが一度走り始めると、他のプレーヤーではほぼ止めることはできません。勝利点の先取りなどの手段もインタラクションとして準備されてますが、生点を得る手段が他に大量にあるため、効果は薄いように思いますね。つまりスペースベースは、自分がやりたいことを伸び伸び行えるプレイ感を持っている、とも言えます。

スペースベース

カードがもたらす能力は、多岐に渡っています。発動を次ターン以降に持ち越す、という能力も多いので、そういうカードについては、いわゆる「コンボ」を念頭に考えていく必要がありますね。また、ダイスの出目をコントロールする効果も多く、運要素を減らす方法にも色々な種類が用意されています。これらは、エンジンビルドが好きな人には魅力たっぷりです。一方、最序盤からある程度の戦略を考えていかないと、テンポよく進めているプレーヤーについていけないという側面もありそうです。

宇宙とか、艦隊とか、そういうゲームの雰囲気の部分は、ほぼ意味を持たないです。カードの名前もイラストも、すべてユニークであるにもかかわらず…です。タイトルにある、スペースもベースもゲームと全然関係なく、たとえイラストが宇宙船から野菜になっても、戦艦の名前が文房具名と入れ替わっていても、何の支障もありません、気が付かない可能性すらあります。これはスペースベースの非常に残念な部分であり、コンボのつなぎ方などが非直感的で見えてこない所以かな、と思っています。それに、どのカード絵も似たようなイラストであるため、どれだけ繰り返しプレイしても、宇宙船(カード)に対して愛着は湧かなかったです。ただしこの方が、カード能力だけに絞って効率的にエンジンを組み上げることができるのかもしれませんけどね。

拡大再生産の要素が強いゲームです、と当然のことを書いてお恥ずかしいんですけど…少し初速が悪い仕組みがあるのです。
当初の拡大をするためには、ダイス運とカード運が必要です。運要素を減らすためには、拡大が必要です。拡大のためには生産が必要です。ゲームとしては普通のことなのですが、スペースベースでは、他の選択肢が許されていないのです。とにかくダイスとカードで拡大再生産するしかありません。

そのため、エンジンが高RPMで回転し走り始めたときの疾走感は最高に気持ち良いのですが、反面、ギアが噛み合わずダッシュできないと、容易に周回遅れになる事態もあり得ますし、挽回する方法は「自分の幸運」と「相手の不運」しかありません。

幅広く遊べる定番ゲームとして優れものですね。英語版を持っているのに、わざわざ日本語版を買いなおすくらい好きですよ~。

スペースベースは、ダイスを転がすことで次々とできることが増えていく、上昇感と達成感に満ち溢れたゲームです。ただし、勝っているプレーヤーが勝ちやすく負けているプレーヤーは負けやすい、ので、上手に遊びましょう~。

こんな人におすすめ

ダイスゲームが好き、というよりは能力コンボをさせるのが好きな人かな。

ルールの複雑さ:5 out of 10 stars (5.0 / 10)
プレイヤー間の駆け引き:4 out of 10 stars (4.0 / 10)
運の要素:8 out of 10 stars (8.0 / 10)
おすすめ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
自分は好きですけ度:6 out of 10 stars (6.0 / 10)
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